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本『6TEEN』 石田衣良

『6TEEN』 石田衣良 新潮社



『4TEEN』続編、ついに刊行!

ぎこちない恋。初めての裏切り。そして、少しだけリアルさを増してきた未来……。

超高層マンションを見上げる月島の路地で、ぼくたちはこの世界の仕組みを考える。

ダイ、ジュン、ナオト、テツロー(僕)――永遠の青春小説。

連作短編小説。

【おばけ長屋のおばあ】

ゴールデンウィークというバカさわぎが終わって、月島はいつもの東京はずれの田舎街にもどった。

そのころぼくたちの基地になっていたのは「もんじゃ ヒマワリ」だった。

合言葉は「ひまだから、ヒマいかない?」。

ヒマワリは裏通りにあるのでいつも空いていて、安くておいしいもんじゃ焼き屋だ。

そこを営んでいるのは佐知ばあといい、いつも派手なサマードレスを着ている。

月島の主婦たちは、佐知ばあについて何やら悪い噂をしている。

いつものようにぼくらは、サイダーを飲みながらもんじゃ焼きを食べていた。

すると、そこにサングラスをかけた美しい女性が現れた。

どうやらその人は、佐知ばあの娘らしい。

【クラインの妖精】

あれから二年がたって、ぼくは高校生になった。

ナオト、ダイ、ジュン、テツロー(ぼく)は、それぞれ別の学校に入学した。

ナオトはカトリック系私立校、ジュンは東京一の進学校。

ぼくとダイはそれほど優秀ではない隣町の都立高校に通っている。

しかしぼくは午前中に学校に行き、ダイは夜間部に通っているから学校で会うことはない。

そんなぼくが初めて高校でつくった友達、町山正秋のことを話そう。

マサアキは背が高いのに、ひょろっとしていて運動なんてからっきしだ。

男子からは「女っぽい」なんて言われることもたびたびだ。

そのたびに彼は怒るでも悲しむでもない反応をする。

ぼくがマサアキと知り合ってから数日後、知らないアドレスからメールが届いた。

差出人の名前は魔希だった。

それからぼくは魔希さんとメールのやり取りをするようになる。

【ユウナの憂鬱】

去年の春、新宿への危ない自転車旅行でしりあった早川夕菜とダイは、月島のハイツでいっしょに暮している。

あのとき、妊娠していたユウナさんは高校を休学して、正月に元気な男の子を生んだ。

ダイは誰が父親なのかわからない男の子、大輔とユウナさんを受けとめた。

それから彼は毎朝四時から昼すぎまで築地で働き、夕方からは定時制の高校に通っている。

すでに伝説のヒーローみたいな大活躍だ。

そんなある日、ユウナさんからぼくの携帯に連絡があった。

ダイを抜きにして相談したいことがあるらしい。

その相談というのは、ダイとユウナさんの夜の事情についてのことだった。

あの性欲の強いダイがユウナさんに全く手を出さないというのだ。

【携帯小説家に出会ったら】

ぼくの通う新富高校は、都立高校で制服はなかった。

そしてぼくのクラスには、真夏でも黒やグレイばかりの服を着る女子生徒がいる。

ついたあだ名は、D組の魔女。

その後、ぼくは魔女のとっておきの秘密を知ることになる。

それはクラスの生徒の間で人気のケータイ小説について知った頃のことだった。

【メトロガール】

電車に乗る楽しみの一つは、ぼくの場合、車両内でじっくりと人間観察ができることだった。

といっても、きちんと観察するのは女の子だけだ。

ぼくはいあわせた女の子のベストスリーを決める。

ひそかにメトロガールを探すのは、ぼくだけの趣味だと思っていたが、この夏それが勘違いだということがわかった。

ナオトは駅で見かける女子高生に一目惚れしていたのだ。

ちょうどナオトの誕生日が近かったこともあり、ぼくたちは再び一肌脱ぐことにする。

【ウォーク・イン・ザ・プール】

この夏、ぼくたち四人組のマイブームは、月島スポーツプラザにある二十五メートルプールだった。

そこには水中歩行のプリンスがいる。

毎日時間ぴったりに来て、毎日水中歩行をして帰っていく。

その動く姿はとても美しかった。

【秋の日のベンチ】

ぼくは隅田川の堤防にいた。

その時に知り合ったのが不思議な老人。

顔はしわだらけで、ヤギのような白いひげ、よく日焼けしている。

ホームレスだと名乗るその老人は、話し相手を求めていた。

ぼくは他の大人とは違うその老人に惹かれていった。

【黒髪の魔女】

ナオトは駅で知り合った綺麗な黒髪の女子高生、結香さんと付き合い始めた。

そして初めてのデートをすることになったという。

しかしどういうわけか、初めてのデートは緊張するからぼくたちにも来てほしいという。

ぼくたちはそれを了承し、デートについていった。

その後、ぼくが遊びにでかけた先で信じられないものを見る。

ナオトと付き合っているはずのユイカさんが、ジュンといっしょに二人きりで遊んでいたのだ。

【スイート・セクシー・シックスティーン】

これはぼくの童貞喪失の物語だ。

この冬、ぼくたちの間で流行っていたのはエログだった。

素人が投稿するエロい写真の数々にぼくたちは興奮していた。

そのブログの中に月島の住人だと分かる写真があった。

そしてぼくはそのブログ主が、同じ中学出身の小杉真帆だと知ることになる。

【16歳の別れ】

人が死ぬというのは、どういうことなんだろうか。

誰よりも目立ちたがり屋で、誰よりも流行に敏感だった関本譲。

彼が死ぬなんて――。

ある日、ぼくの携帯電話にかけてきたのは懐かしい友人のユズル。

タレントになりたいと言っていた彼が、ついにテレビ出演することが決まったというのだ。

そこでぼくに友人代表としてテレビに出演してほしいとお願いしてきた。

けれどそのテレビ出演は、病気になった十六歳の少年のドキュメンタリー番組としてだった。

【関連リンク】

本『アキハバラ@DEEP』

本『IWGPコンプリートガイド』

本『6TEEN』

本『4TEEN』

本『ブルータワー』

本『東京DOLL』

絵本『ぼくとひかりと園庭で』

本『娼年』

本『REVERSE リバース』

本『池袋ウエストゲートパーク8 非正規レジスタンス』

本『池袋ウエストゲートパーク7 Gボーイズ冬戦争』

本『池袋ウエストゲートパーク6 灰色のピーターパン』

本『池袋ウエストゲートパーク5 反自殺クラブ』

本『池袋ウエストゲートパーク4 電子の星』

本『池袋ウエストゲートパーク3 少年計数機』

本『池袋ウエストゲートパーク2 骨音』

本『池袋ウエストゲートパーク』

本『赤・黒 池袋ウエストゲートパーク外伝』


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本『4TEEN』 石田衣良

『4TEEN』 石田衣良 新潮社



東京湾に浮かぶ月島。

ぼくらは今日も自転車で、風よりも早くこの街を駆け抜ける。

ナオト、ダイ、ジュン、テツロー(僕)、中学二年の同級生四人組。

それぞれ悩みはあるけれど、一緒ならどこまでも行ける、もしかしたら空だって飛べるかもしれない――。

友情、恋、性、暴力、病気、死。

出会ったすべてを精一杯に受けとめて成長してゆく。

14歳の少年達を描いた爽快青春の連作短編小説。

直木賞受賞作。

【びっくりプレゼント】

始まりは春休みに入ったばかりの月曜日。

ナオトが入院することになり、僕らはそれぞれエロ本を持ってお見舞いに行くことにした。

彼の病気は早老症。

普通の人の何倍もの早さで年をとっていく病気。

そしてもうすぐナオトの誕生日がやってくる。

僕らはナオトのために「女」をプレゼントすることにした。

【月の草】

うちのクラスに三人目の不登校がでたのは、一学期が始まってひと月半ばかりだったころだった。

もっとも最初の二人はクラス替えになる前から不登校だった。

だから立原ルミナがほんとうは初めての登校拒否になるのかもしれない。

うちの中学では不登校の生徒の家にプリントを届ける役目がある。

その仕事を僕に任せられた。

ある日、ポストが開かなかったことからルミナの住むマンションの部屋に行くことになる。

ドア越しに聞いた彼女の声はとても辛そうで、その日は声だけを聞いて帰った。

その次に来た時、今度は部屋の中に入れてもらった。

それでもルミナに会うことはできず、ドア越しで話すことになった。

それからも僕はルミナの家に行き、彼女と話すことが楽しみになっていた。

【飛ぶ少年】

学校の階段をおりながら連続ドラマの主題歌を口ずさんでいた。

『木更津キャッツアイ』のテーマだ。

誰もいないと思っていたのに、いきなりうしろから声がとんできた。

校則違反のパーマをかけたウルフカットの少年、関本譲だった。

彼は放送委員として働いており、最高の曲を選ぶからぜひ聴いてほしいと言っていた。

ユズルはクラスで少し浮いている存在だ。

だから僕は彼と友達と言われた時に思わず否定してしまった。

【十四歳の情事】

今回はジュンの恋の話をしよう。

ジュンの様子がおかしいと思ったのは夏の初めのころだった。

僕らと一緒にいる時でも携帯電話を眺めてばかりいるようになったのだ。

きっと女に違いないと思った僕らはジュンを尾行することにした。

尾行してジュンがやってきたところはなんと高級マンション。

ジュンを問い詰めると、出会い系サイトで知り合った人妻と付き合っている暴露した。

さらにその人妻、玲美さんは夫から暴力を受けていることを知る。

ジュンと僕らは協力して彼女の夫と話をつけることにした。

【大華火の夜に】

もうすぐ東京湾大華火祭りがある。

ぼくたちの夏休み前半のクライマックスで、東京の半分の人間が集まる華火大会だ。

今年もあそこの特等席が使えるかな、と思っていた。

そんな時、電柱に貼られたポスターを見つける。

ポスターには尋ね人のことが書かれていて、病院から抜け出して逃げたようだ。

そして大華火の日、ぼくらはとっておきの場所、廃工場にやってきた。

ぼくらだけのとっておきの場所、だったはずが、そこにはすでに先客がいた。

しかもその人は、尋ね人のポスターに貼られた写真の人だった。

【ぼくたちがセックスについて話すこと】

校門からでようとしたところで声をかけられた。

振り向くとうちのクラスの森本一哉が駆けてくるところだった。

ぼくたちはいつものようにグループ四人で帰るところだった。

いっしょに帰りたいというカズヤを入れて五人で帰ることにする。

友人のダイはカズヤのことを女っぽいと言って眉をひそめた。

どんな時でもどんな場所でも彼は女のようだったからだ。

事件があったのはつぎの日の放課後だった。

うちのクラスの一番の美女から告白されたカズヤが、それを断ってしまった。

もちろんそのまま何事もなければ、これはクラス一の美少女の失恋物語で終わったはずだ。

しかしカズヤが男の人と仲良く手をつないで歩いていたということからホモ疑惑が生まれる。

しかもカズヤはホモであることを認めたのだ。

【空色の自転車】

あの朝はとても寒かった。

ぼくらの家には緊急連絡網がまわり、ダイの家で不幸があったという。

事故で急にダイの父親が亡くなったのだ。

まだ事情はよくわからないけど、ダイと弟の良平くんが警察でとりしらべを受けているらしい。

ぼくらはマスコミに言ってやるつもりだった。

ダイの父親は死んで当然の人間だった、と。

【十五歳の旅】

ぼくらは夏休みに旅行の計画を立てた。

房総半島の最南端・白浜を往復する保護者のいない二泊三日。

だけど、ナオトの部屋に集まって何度か話をしているうちに話が変わった。

そんな健康的な旅行より、どこかあぶない街にいって精いっぱい大人の世界をのぞいてやろう。

ぼくらは新宿中央公園でホームレスに混じってテントを張るのだ。

ぼくらはビジネス街、繁華街、高級ホテル、十八禁ショップ、ストリップ劇場などいろいろなところへ行った。

そしてぼくらは家出してきたという女子高生二人組と出会う。

しかもその一人のユウナさんのお腹には子どもがいるとわかる。

【関連リンク】

本『アキハバラ@DEEP』

本『IWGPコンプリートガイド』

本『6TEEN』

本『4TEEN』

本『ブルータワー』

本『東京DOLL』

絵本『ぼくとひかりと園庭で』

本『娼年』

本『REVERSE リバース』

本『池袋ウエストゲートパーク8 非正規レジスタンス』

本『池袋ウエストゲートパーク7 Gボーイズ冬戦争』

本『池袋ウエストゲートパーク6 灰色のピーターパン』

本『池袋ウエストゲートパーク5 反自殺クラブ』

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本『池袋ウエストゲートパーク3 少年計数機』

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本『池袋ウエストゲートパーク』

本『赤・黒 池袋ウエストゲートパーク外伝』


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絵本『おおかみようちえんにようこそ』 ひがしあきこ

絵本『おおかみようちえんにようこそ』 ひがしあきこ 偕成社



おかのうえのあきやからにぎやかなおとがきこえてきました。

なにができるのでしょう。

ようちえんです。

おおかみのふうふがひらくようちえんです。

まちのこどもたちもおとなたちもきょうみしんしんです。

かいえんがまちきれなかったこどもたちはおかのうえにやってきました。

そっとなかをのぞくとふたりのせんせいがみえました。

「ようこそ おおかみようちえんに! がおー がおー がおー」

こどもたちのかおをみたがおーせんせいは、うれしくっておもわずさけんでしまいました。

「ぎゃあー にげろー!」

おおきなこえにおどろいてしまったこどもたちは、いちもくさんににげだしました。

きょうはにゅうえんしきです。

でもだれもやってきません。

がおーせんせいはがっかりです。

おくさんせんせいはピアノをひきながらうたいはじめました。

がおーせんせいはだんだんげんきがでてきました。

そしてふうふは、ようちえんバスをつくってまちにむかいます。

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絵本『ばけばけ町へおひっこし』 作・絵:ただもりのりこ

絵本『ばけばけ町へおひっこし』 作・絵:ただもりのりこ 岩崎書店



けんちゃんとおとうさん、おかあさんはばけばけ町へおひっこしすることになりました。

ところが、この町はちょっとへんてこな町なんです……。

ひっこしやさんはにもつをつんで、すたこらさっさとばけもの町へむかいました。

やまをのぼっておりたらすぐのところにばけばけ町はあるみたいです。

やっとばけもの町へつきました。

ところが、けんちゃんたちがすむはずのいえがなくなっていました。

おとうさんはう~んとうなっています。

おとなりのねこたさんが出てきておしえてくれました。

けんちゃんたちのおうちはさっきおでかけするといってでかけたという。

けんちゃんはねこたさんのむすめさん、とらこちゃんといっしょにおうちをさがしにいくことにします。

ふしぎいっぱいのたのしい絵本。

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絵本『ステラのほしぞら』 作:メアリー=ルイーズ・ゲイ 訳:江國香織

絵本『ステラのほしぞら』 作:メアリー=ルイーズ・ゲイ 訳:江國香織 光村教育図書



ステラとサムがおそとであそんでいると、おひさまがまっかになっていました。

サムは「おそらがかじだよ」とさけびました。

けれどステラはおちついたこえで「おひさまがねむろうとしているだけよ」といいました。

サムはききます。

「どうしてあんなにまっかなの?」

ステラはこたえます。

「わからない? あかいパジャマをきてるからよ」

ものしりなステラとおくびょうなサムは、こんやはそとでキャンプをすることにしました。

「おつきさまがのぼったら、ほしぞらのもうふにくるまれるのよ」

ふたりはぴったりよりそって、よぞらをうっとりながめました。

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絵本『化物絵巻 ぞくぞくぞぞぞ』

絵本『化物絵巻 ぞくぞくぞぞぞ』 企画・原案:九州国立博物館 推薦:水木しげる 解説:宮島新一 フレーベル館 



ばけものっているの?

おそいかかってくるの?

ざわざわ……ひたひた……ばけものたちの音。

見つからないように、そっとめくってみよう。

江戸時代の絵師・狩野宗信「化物絵巻」から生まれた絵本。

ばけものたちの発する「音」によって描かれる大型絵本。

水木しげる先生による妖怪の解説あり。

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昔話『ネコ耳メイドとSF執事、そして安楽死探偵』19

昔話『月と花火と私の失敗』2

前回のあらすじ

君がいた夏は 遠い夢の中

空に消えていった 打ち上げ花火

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00005ERAF

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つづきをよむ?

本『ブルータワー』 石田衣良

『ブルータワー』 石田衣良 講談社



瀬野周司の命は残り少ない。

彼の体に悪性腫瘍が見つかり、外科的な手術は絶望的だという。

有効と思われる治療は全て試したが、頭髪が抜け落ちるだけだった。

しかも悪性腫瘍は、周司に肉体的苦痛だけでなくフラッシュバックという精神的苦痛も与える。

日に何度も意識を飛ばし、思い出したくもない見たくもない光景を見せられるのだ。

絶望が周司を襲う。

そんな彼の元に久々に元の職場の同僚が訪れた。

かつての部下萩原邦夫は現在の上司となり、関谷幸則は知性派、手島宗平は肉体派の心強い部下。

女性の部下の武井利奈も来てくれた。

彼らと楽しく談笑するが、心から楽しめることなど今の周司にはできるわけがなかった。

皆が帰った後、利奈が一人戻ってきて、さらなる絶望と思える事実を伝える。

それは、妻の美紀が萩原と浮気をしているということ。

怒りを抑えられない周司は、利奈に願いを一つ叶えてくれるように頼む。

彼女に向かって裸を見せて欲しいと言ったのだが、彼の物は薬の副作用で役に立たない。

本当に情けなく、惨めだと思った。

しかし利奈は、ただ裸体で周司を包み込む。

その後、いつもの頭痛が始まり、意識を飛ばす。

目を開けると、見わたす限りの広い緑が広がっていた。

これはフラッシュバックなどではないと気づく。

これは何だ、ここはどこだ、と思った。

周司はそこが未来の日本で在ることを後に知る。

そこでの彼はセノ・シューと呼ばれ、青の塔と呼ばれる全長2kmのハイパーストラクチャーの政治を司る三十人委員会の委員の一人だった。

ウイルス兵器を撒かれ、人々を死に追いやる絶望的な世界。

すでに国という枠組みを失い、塔と呼ばれるハイパーストラクチャ毎の自治がなされるようになる。

塔の階層毎にれっきとしたカースト制度が敷かれ、塔の外での生活を余儀なくされる者もいる。

現在の青の塔は階層格差をなくす方向に議会が動いていたが、事態は逼迫しているようだ。

テロ集団の動きが活発化してきているらしい。

周司はそこでセノ・シューとなり、元の自分の部下達と名前の似たメンツと出会い、世界を救おうとする。

【関連リンク】

本『アキハバラ@DEEP』

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本『東京DOLL』 石田衣良

『東京DOLL』 石田衣良 講談社



MG(マスター・オブ・ゲーム)と呼ばれるゲームクリエイター相良一登は、コンビニで一人の少女に出会う。

コンビニのアルバイト店員として働く彼女の名前は、水科代利(みずしなより)。

彼女の持つ不思議な魅力、顔と体のバランス、特徴的な名前、ゲームのイメージにピッタリだった。

相良は自身が手がけるゲーム「女神都市」のモデルとしてヨリを起用したいと持ちかける。

ヨリは現在フリーターで、美容師の専門学校に入るための資金を稼いでいることを話す。

その専門学校の入学金は二百万円。

今はまだ五十万円ほどしか貯まっていないため、あと一年ほどかかると考えている。

それを聞いた相良はヨリに提案する。

「四ヶ月間、ゲームのモデルとして働く。月の給料は五十万円。もちろんセックスはなし」

ミリオンセラーの人気作を世に出し続けている相良にとって、金は捨てるほど余っていたのだ。

こうして二人の間に契約が結ばれる。

ヨリはドレスを着て、東京の色々な場所で写真を撮っていく。

彼女はどんな衣装を着ても、どんな場所でも輝き続けていた。

ヨリの背中には、ネイビーブルーの翼がある。

相良は次第に彼女といることに癒されていく。

そんな彼女には不思議な能力があり、惚れた男の不幸を感知するというものだった。

【関連リンク】

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昔話『ネコ耳メイドとSF執事、そして安楽死探偵』18

前回のあらすじ

生きよ――。

――堕ちよ。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4041201608

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つづきを読む?

昔話『月と花火と私の失敗』

クラス内のいじめは終わりを迎えましたが、夏の暑さは今も続いています。

むしろこれからが本番です。

夏の体育の授業といえば水泳ですよね。

水泳は必修の授業なので全員必ず参加しなければなりません。

もちろん、体調不良を理由に休む生徒もいます。

しかし、中にはそれ以外の理由で休む人もいます。

私「結局、水泳の授業は一度も出なかったの?」

×「そうだけど」

それのどこが悪いの、と言いたげな目をこちらに向けました。

私の隣の席に座る女の子、×××はイカレています。

夏の暑さにやられているわけでも、誰かに恋しているからでもありません。

狂っているのです。

普通ではないのです。

私は彼女の長袖の服を見ながら指摘します。

私「腕の傷、教師は知らないの?」

×「知らない」

私「何か疑われない?」

×「全然」

私「……」

×「……」

さすがに無理ですよ、それは。

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つづきはネタバレ注意

漫画『恋愛怪談サヨコさん 4』 関﨑俊三

漫画『恋愛怪談サヨコさん 4』 関﨑俊三 白泉社

サヨコさん、悟る



カシマサヨコ――不思議すぎて優しすぎる和風少女。

土地に縛られた霊まで助けてしまう彼女に憑いている霊の数800体!!

その霊たちのせいでサヨコさんの周りのいる人には悪い影響・霊障が出てしまう。

そのためまともな生活を送ることはできない。

稲葉くん――貧乏大学生。

サヨコさんの周りにいても霊障を受けない唯一の男。
 
彼が霊障を受けないのは、祖母に教えられたおまじないをずっと続けているから。

生身の人間に初めて優しくされて一目惚れしたサヨコさんは、少しでも稲葉くんに近づくために同じアパートの隣に越してくる。

想いを寄せられていることに気づかない稲葉くんは、自称「霊が視える」彼女を少し苦手としている。

今までどんな霊でも助けてきた心優しいサヨコさん。

しかし、正体不明の黒い何かに睨まれてその場から動くことができなくなってしまう。

絶体絶命の危機!?

そこに偶然通りかかったのはアルバイトに行こうとしていた稲葉くん。

彼は公園で立ちつくしているサヨコさんを不思議に思ったが、助けを求められて無視できるほど心ない人間ではない。

動けない彼女にジュースを飲ませてやり、それから清めの塩を使って正体不明の何かに勝負を挑む。

「私に憑いておいで」

稲葉くんが病気になってしまい、サヨコさんのドキドキお見舞いイベント。

彼がつけていたマスクをさらっと持ち去って関節キス☆

稲葉くんの周りの女性達に嫉妬してしまい、サヨコさんは平常心モードに入る。

しかし嫉妬の心は燃え上がるばかりで、その影響は800体の霊達にも及んでしまう。

稲葉くんとサヨコさんの部屋の風呂が壊れてしまい、二人仲良く銭湯へ。

大学の先輩方、美人占い師・王珠蓮も交えてワクワクお風呂イベント♪

( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!おっぱい!

【関連リンク】

本『恋愛怪談サヨコさん 1』

本『恋愛怪談サヨコさん 2』

本『恋愛怪談サヨコさん 3』

本『恋愛怪談サヨコさん 4』

本『恋愛怪談サヨコさん 5』

本『ああ探偵事務所』


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漫記COMMENT(0)

本『クドリャフカの順番』 米澤穂信

『クドリャフカの順番』 米澤穂信 角川文庫

さあ、カンヤ祭です。



待望の文化祭が始まった。

だが折木奉太郎が所属する古典部では大問題が発生していた。

伊原の発注ミスで文集「氷菓」を多く刷り過ぎてしまったのだ。

その数なんと――200部!!

一部200円として、どうにかして完売を目指すための策を考える古典部員達。

そんな中、学内では奇妙な連続盗難事件が起きていた。

盗まれた物は碁石、タロットカード、水鉄砲――。

この事件を解決して古典部の知名度を上げよう!

目指すは文集の完売だ!!

盛り上がる仲間たちに後押しされて、奉太郎は事件の謎に挑むはめに……。

大人気<古典部>シリーズ第3弾!

【関連リンク】

本『春期限定いちごタルト事件』

本『インシテミル』

本『ボトルネック』

本『氷菓』

本『愚者のエンドロール』

本『クドリャフカの順番』

本『遠まわりする雛』


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本『東雲侑子は短編小説をあいしている』 森橋ビンゴ

『東雲侑子は短編小説をあいしている』 著:森橋ビンゴ イラスト:Nardack ファミ通文庫

正直な話、もう認めざるを得ないと思う。

俺は――東雲侑子の事が好きなのだ。

コミック版をこちらで試し読みできます!



何事にも無気力、無関心な毎日を過ごす高校生、三並英太。

私立央生高校は、生徒全員が部活動に所属しなければいけない。

それは三並英太も逃れられることができない校則だ。

しかし、図書委員会に所属すれば面倒な部活動に所属する必要がないという。

週2のカウンター業務と週1の会合に参加するだけで済むのだ。

彼が担当する水曜日と金曜日の担当はもう一人いる。

同じクラスの目立たない女子生徒、東雲侑子。

昼休みも授業中も暇さえあれば本を読んでいる、そんな人間だ。

彼女の熱のない静けさに、自分の空虚さに似たものを感じていた。

そんなある日、偶然彼女の秘密を知ってしまう。

東雲侑子は――小説家だった。

短編小説しか書かない作家で、長編小説は書けないという。

しかしそれは経験がないからであって、編集の人からは長編小説を書くように依頼されている。

自分との違いを思い知らされた英太だが、彼女から思いも寄らないお願いをされる。

「私と、付き合ってほしいの」

東雲侑子は恋愛小説を書くために恋愛経験を必要としていたのだ。

こうして二人は「付き合う」ことになった。

早熟な少年少女に贈る、もどかしく苦いラブストーリー。

関連リンク

本『東雲侑子は短編小説をあいしている』

本『東雲侑子は恋愛小説をあいしはじめる』

本『東雲侑子は全ての小説をあいしつづける』

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つづきはネタバレ注意

昔話『ネコ耳メイドとSF執事、そして安楽死探偵』17

前回のあらすじ

あなたは一目惚れをどう思いますか?

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つづきを読む?

本『棘まで美し』 武者小路実篤

『棘まで美し』 武者小路実篤 新潮文庫

薔薇は棘まで美しい。

そして人間も欠点まで美しい人がいる――。



僕が散歩していると一人の青年が画をかいていた。

元来僕は画家なので、彼が何をかいているのかと気になったので見にいった。

自分はその画を見て驚いた。

それは僕の死んだ友達の画に似ていた。

彼は竹谷次郎といい、やはり死んだ友の息子だった。

現在は母一人子一人で暮らしており、貧しい生活を送っているという。

友は、女のことで自殺してしまったことを知らされた。

彼の母親は、息子も女が原因で死んでしまうのではないかと心配しているらしい。

それから僕は自分のアテリエに呼んでやったり金を工面してやったりと気にかけた。

そんなある日、遠い親戚から娘を上京させて学校に通わせたいから僕のところへ預けたいという依頼をうけた。

僕も妻も娘もそれを快く引き受けた。

そしてやってきたのは吉村貞子という美しい女だった。

吉村は快活な女で、僕の娘などとはちがって男の人と話をするのも平気だった。

僕のアテリエでモデルになることもあり、若い連中といっしょに画をかくようにもなった。

その中には竹谷もいたが、彼は話に入ろうとしなかったし、吉村の画を酷評した。

吉村は竹谷のことは嫌っていたが、彼の画のすごさは認めていた。

しかし彼女は竹谷の画よりも山根の描く画に惹かれていた。

竹谷は山根をライバルとして意識していたが、山根は競走馬ではないと気にしていなかった。

美しい棘をもった美少女、吉村貞子と彼女に心をよせる対照的な二人の青年。

気むずかしく孤独で貧しいが、天賦の才能溢れる竹谷。

紳士で金持でもあり、画家として腕のすぐれた山根。

彼らの清らかな恋愛と友情、ひたむきな芸術への愛を、人間の棘―欠点―までも深く愛した作者が独特の善意で描いた抒情小説。

本『愛と死』 武者小路実篤

本『友情』 武者小路実篤

本『棘まで美し』 武者小路実篤

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本『心霊探偵八雲1 赤い瞳は知っている』 神永学

『心霊探偵八雲1 赤い瞳は知っている』 神永学 角川書店



【開かずの間】

小沢晴香は、サークルの先輩に紹介されて『映画研究同好会』を訪れた。

訪問の目的は、彼女の友達である美樹を助けてほしいというもの。

美樹は友人と共に、大学のキャンパスの外れにある廃屋へ向かった。

その廃屋には幽霊が出るという噂があり、その噂の真偽を確認するために行ったのだ。

そこで彼らは見てしまった――本物の幽霊を。

美樹は、その時のショックで入院してしまったのだ。

そこで小沢晴香は彼女を助けるために、幽霊に詳しい男のもとを訪ねた。

それが『映画研究同好会』にいる斉藤八雲だったのだ。

しかし、彼はイカサマで人から金を巻き上げ、彼女にも依頼のために金を要求してくる、嫌な奴だった。

本当に調べてくれるのか疑問に思いながらも彼女は、斉藤にお願いする。

【トンネルの闇】

事故の発生率の高いトンネルがあった。

そこは毎年必ず一回は死亡事故が起きる。

今回の事件は、そのトンネルが舞台である。

合コンの帰り道、晴香はいけ好かない男の車に乗せられ、そのトンネルにやってきた。

トンネルに入り、出口にさしかかった時、車は急停車した。

男の顔がおびえたようになり、子どもを轢いてしまったと言った。

それをなかったことにしようとする男。

晴香は確認するために外に出た。

だがそこには死体など何もなかった。

ただ――誰かが走る足音、子どもの足、傷だらけの女性が見えたが、すぐに消えた。

翌日、彼女は八雲の隠れ家である『映画研究同好会』へ向かう。

【死者からの伝言】

晴香はその夜、寝つけなかった。

人の気配を感じて目を開けるが、誰もいない。

目を閉じようとした時、視界の隅にうごめく影が映った。

影の正体は、高校時代からの友人、詩織だった。

詩織は言った。

「逃げて」「お願い逃げて」

春香が詩織に触れようとした時、ごおぅ、と炎が巻きあがり、詩織の体を包み込んだ。

電気をつけて確認しても詩織の姿はない。

電話をかけてもつながらない。

しかし、詩織の身に何かあったということだけは分かる。

春香はすぐに、彼のもとを訪れることに決めた。

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個人的な意見

昔話『笑年傷女』 13

前回のあらすじ

君と出逢えたこと

たくさんのありがとう

夏よ、もう少し終わらないで

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つづきを読む?

昔話『ネコ耳メイドとSF執事、そして安楽死探偵』16

前回のあらすじ

日本のサービスは世界一ィィィィ!!

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*申し訳ありません。大変長らくお待たせいたしました

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つづきを読む?

漫画『恋愛遊星』 倉橋ユウス

漫画『恋愛遊星』 倉橋ユウス メディアファクトリー

異星人が訪れて数十年後の地球。

そんな時代でも、恋は純粋さを失わない。

異星人と地球人の恋愛原風景――。

恋の魅力に惹かれてぐるぐる回るなら、あなたもきっと「恋愛遊星」の住人なんだ――。

微SF×柑橘系ラブストーリー。



1st planet:キルキリリ

夏休みに入ってすぐ椎名さんに「キルキ」が近いと聞いて『それまでやりたい事』を実行することにした。

椎名さんはキルキリリ人だ。

彼女と初めて知り合った時、僕は母から特別任務を任された。

何があってもリイナちゃんの味方でいること。

あの日から数年、その時がやってきたのだ。

キルキリリとは、彼らの星の古語で「引き継ぐ民」という意味。

キルキリリ星人は一生のうち八回人格交代をする種族である。

平年周期で次の人格に知識や記憶を引き継いでいく。

そのため彼らはマメに日記をつける。

忘れてはいけない知識や忘れたくない記憶を整理するために。

2nd planet:トステ

夏休みに入る少し前、帰り際、宇宙オタクなヒデをおちょくった。

これが偶然とかすべてのきっかけだったと思う。

なぜなら、突然帰省した大学生のお兄ちゃんの突然の結婚宣言。

お相手は――異星人だった。

私はすごく驚いた。

突然のことだったし、聞いたこともない星の人だったし、何より私はおにいちゃんのことが……。

翌日、宇宙オタクの幼馴染ヒデに聞いてみた。

トステ人は前向きで気さくな民俗性のこと。

病気にならない強い抗体を持っていること。

そしてトステ人はみんな寿命が決まっていること。

『共通寿命(トステリカ)』――29年5ヶ月8日13時間42分55秒。

3rd planet:ナジュラ

「やったー☆今日も純平くんに会えたっ!」

「カッコよかったなあ☆」

ある日突然聞こえ始めたオンナノコの声。

自分のことを好意的に想ってくれる言葉ばかりが聞こえてくる。

幻聴や気のせいだと考えていたけれど、日を経るごとにその声はハッキリと聞こえるようになる。

不安になった純平は病院に行ってみることにした。

その病院で検査を受けると、女の子の声が聞こえてきた原因がわかった。

ナジュラマカン「発達した恋愛の複合体」――つまりテレパシー。

本来なら相思相愛同士のナジュラ人のみ可能な行為だが、純平は地球人である。

つまりそれは地球人の純平を想うナジュラ人がいるというわけで。

4th planet:イヴァン

アリョーシャははるか昔に爆発したイヴァン星の欠片で危険度Bの小惑星として太陽系に向かっていた。

生き残ったイヴァン人は地球への被害を防ぐため調査を主導し、衝突の可能性がないことを詳細なデータで立証した。

ただその時犠牲になった調査船ゾシマの事故の原因は今でも不明だ。

イヴァン人で船長だった母はその事故で亡くなった。

地球人エンジニアの父と俺を遺して。

15年も前の話だ。

16歳の誕生日を迎えた俺は母が遺したビデオメッセージを見ていた。

調査船が出発する前に撮られたもので、息子を祝う母の姿は23歳のままだった。

そして今日はアリョーシャが地球に大接近する日で鑑賞することができる。

学校に行くと、自分の席に友人の常盤アンナが座っていた。

彼女は、放課後俺の誕生日を祝うことを約束してくれた。

これは毎年恒例のこと。

その度に母が事故死したことを謝罪してくるのもいつものことだった。

彼女の父はゾシマ船の設計士で、事故原因は設計ミスではないかという憶測も流れたことがあった。

しかし原因は不明だし、事故後も彼女との友情は続いている。

5th planet:トリアス

人一倍勉強のできる子だった

天才とかそーゆーのじゃない。

努力家であとは普通の女の子だ。

たとえば好きな男の子が出来たらずっといっしょにいたいと思うような、そんな人一倍努力家で人一倍不器用な地球人。

それが『荒井ユウコ』という少女だった。

ある日、私と一緒に帰りたいと男の子が言ってきた。

たくさんの異星人が地球に住むようになっても馴染めなかったり違いを理解し合えなくて同じくらい去っていく。

「もったいないですよ」

トリアス人のクロルはお父さんと似たようなことを言った。

この日から、別に約束したわけじゃないけど、クロルと毎日一緒に下校することになった。

高校に入学してすぐ大学進学を勧められた。

星間特待生になれば学費も免除される。

同じ高校に入学したクロルは、いくつもアルバイトをするようになった。

私は帰り路に彼が働くアルバイト先に寄るようになっていた。

そしてある日――告白された。

返事はいつか同じように告白したらしてほしいとも言われた。

いつか?

いつかっていつ?

よく分からない告白だ。

その帰り道、もっとよく分からない人に会った。

自称“通りすがりの天才”でトリアス人のクロルについて尋ねてきた。

彼を救えるのは自分しかいないとも言った。

彼に関して何かおかしなことがあったらすぐに連絡するよう名刺までもらってしまった。



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本『愚者のエンドロール』 米澤穂信

『愚者のエンドロール』 米澤穂信 角川文庫



何事にも積極的には関わろうとしない“省エネ”がモットーの折木奉太郎。

そんな彼が入部することになったのは神山高校の伝統ある文化系部活動で廃部寸前の古典部だった。

「わたし、気になります」

文化祭に出店するクラス制作の自主映画を観て千反田えるが呟いた。

その映画のラストでは、廃屋の鍵のかかった密室で少年が腕を切り落とされて死んでいた。

誰が彼を殺したのか。

その方法とは?

だが、全てが開かされぬまま映画は終わってしまう。

続きが気になる千反田は、古典部の仲間たちと共に結末探しに乗り出す。

“省エネ主義”の折木奉太郎が古典部の仲間に依頼され、日常に潜む不思議な謎を次々と解き明かしていく。

爽やかでちょっぴりほろ苦い青春ミステリ。

米澤穂信のデビュー作であり、古典部シリーズ第二弾!!

【関連リンク】

本『春期限定いちごタルト事件』

本『インシテミル』

本『ボトルネック』

本『氷菓』

本『愚者のエンドロール』

本『クドリャフカの順番』

本『遠まわりする雛』

本『ふたりの距離の概算』


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本『僕の妹は漢字が読める』 かじいたかし

『僕の妹は漢字が読める』 著:かじいたかし イラスト:皆村春樹 HJ文庫

『きらりん! おぱんちゅ おそらいろ』

これこそが未来の日本の正統派文学!!



二十三世紀の日本。

そこは漢字が衰退し、日常生活で使われるのはひらがなとカタカナだけという世界。

そのうえ国中至るところに萌え文化が広がっており、テレビに写るのも二次元の美少女たちばかりだ。

『きらりん! おぱんちゅ おそらいろ』

これは、現代日本文学を代表する作家オオダイラ・ガイ先生の最新作である。

この作品に感動した作家志望の高校生イモセ・ギンは、血の繋がっていないツンデレ気味の妹クロハと共に先生の家を訪れる。

最初こそオオダイラ先生と口論になってしまったが、中に通されてからは良好な会話を続けることができた。

最初の訪問から一カ月後、今度は無邪気だが毒舌な小学生の妹ミルもいっしょに連れて先生の家を訪れた。

そこで変態的会話を繰り広げたり、仲良くマシュマロを食べたりしていると、突如異変が起きる。

突然みんなの体から電子音が鳴り始め、一人また一人と姿を消していく。

そして四人が行き着いた先は――二十一世紀の日本だった。

そこで出会った一人の美少女、弥勒院柚との出会いをきっかけに、未来の日本からやってきた四人は平成の日本でどう過ごしていくのか。

「第5回ノベルジャパン大賞」銀賞を受賞して鮮烈デビュー!!

つづきはネタバレ注意

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つづきを読む?

本『虹色ほたる 永遠の夏休み』 川口雅幸

『虹色ほたる 永遠の夏休み』 川口雅幸 アルファポリス文庫

泣きたくなるほど懐かしい。

感動のタイムスリップファンタジー。



ユウタはカブトムシ取りの得意なお父さんが好きだった。

お母さんには頭が上がらないし、時々変なことを言うけれど、それでもお父さんのことを尊敬していた。

だけど今年はお父さんと一緒じゃない。

もうバイクの後ろに乗ることも、変な冗談を聞くこともできなくなってしまったのだ。

去年の夏休み最後の日。

お父さんは事故に遭って、そのまま帰らぬ人となってしまった。

あまりにも突然のことだった。

事故は、ケータイでメールしながら運転していた人がカーブを曲がり切れずにお父さんのバイクと正面衝突したというもの。

お父さんは死んだけれど、車を運転していた人は死ななかった。

事故ったのはそいつのせいなのに……。

それでもユウタはお父さんとの思い出の場所に今年もやってきた。

蛍ヶ丘ダム入り口。

村一つを潰して作ったダムなのに、水道設備の工事の途中で打ち切りになってしまったらしい。

ユウタはカブトムシがよく集まる樹林に向かって行くと、お地蔵様の前におじいさんが一人ポツンと座っていた。

水が欲しいというそのおじいさんに飲み物をあげると、彼はお礼といっしょに雨が降るから気をつけなさいと言われた。

真っ青な空なのに、いったいどの辺りから雨が降るのだろう。

そう思った矢先、突如どこからか雨が降り、風が吹き、雷まで鳴り始める。

ユウタは土がむき出しになった斜面を走って雨風がしのげる場所を探す。

しかし次の瞬間、ユウタは転んで頭を打って意識を失ってしまう。

そして意識を取り戻して目を開けると、辺り一面草いっぱいの原っぱが広がっていた。

ダムを目指して斜面を下りていたはずなのに、いつの間にこんなところへやってきたのだろう。

重い腰を起こして移動すると、ユウタは一人の女の子に出会う。

小学六年生のユウタよりも少しだけ年下の子。

その子になくしたケータイのことやバス停の場所を聞くが、彼女は何それと首を傾げるだけ。

不思議に思って帰ろうと思い、ダムのある方を見ると――そこにダムはなかった。

一体、この場所はどこなのか!?


つづきはネタバレ注意です。

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つづきを読む?

本『氷菓』 米澤穂信

『氷菓』 米澤穂信 角川文庫

青春はやさしいだけじゃない。痛い、だけでもない。



何事にも積極的には関わろうとしない“省エネ”がモットーの折木奉太郎。

そんな彼の元に届いた手紙。

そこに書かれていたのは、神山高校OBで実姉でもある供恵のアドバイスという名の命令だった。

姉に頭が上がらず命令を無視できない折木は、仕方なく廃部寸前の古典部に入部する。

初めて古典部の部室を訪れた時、教室の鍵は閉まっていた。

折木は合鍵を使って戸を開けると、中には清楚でセーラー服の似合う美少女・千反田えるが立っていた。

いつの間にか密室になった教室。

毎週必ず借り出される本。

あるはずの文集をないと言い張る少年。

そして『氷菓』という題名の文集に秘められた33年前の真実――。

“省エネ主義”の折木奉太郎が古典部の仲間に依頼され、日常に潜む不思議な謎を次々と解き明かしていく。

省エネ少年、折木奉太郎。

「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に、だ」

古典部部長で好奇心旺盛美少女、千反田える。

「わたし、気になります」

折木の友人で巾着袋がトレードマーク、福部里志。

「データベースは結論を出せないんだ」

童顔小柄毒舌少女、伊原摩耶花。

「あれ、折木じゃない。久しぶりね、会いたくなかったわ」

爽やかでちょっぴりほろ苦い青春ミステリ。

米澤穂信のデビュー作であり、古典部シリーズ第一弾!!

【関連リンク】

本『春期限定いちごタルト事件』

本『インシテミル』

本『ボトルネック』

本『氷菓』

本『愚者のエンドロール』

本『クドリャフカの順番』

本『遠まわりする雛』

本『ふたりの距離の概算』


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