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少しイカレてるくらいがちょうどいい
『縫製人間ヌイグルマー』 大槻ケンヂ メディアファクトリー

友情の戦士!! 縫製人間ヌイグルマー!!

 


十二月二十四日、南国タイのサマイ島。

その日、タイではふわふわとした白い雪のような塊が降っていた。

その塊の正体は、綿状生命体。

ほとんどが海に落ちて溶けて消滅してしまったが、運良く風に運ばれて、ぬいぐるみ工場に入るものがあった。

そこではぬいぐるみの綿をつめる作業中で、綿状生命体たちはそこにある綿に紛れ込んだ。

そしてそのままテディーベア……のパチモンの中に詰められ出荷された。

彼らは、離ればなれになったが出荷される直前に黄色いブサイクなぬいぐるみが言った。

「泣くな、生きろ、誇りを捨てるな! 私が皆を探し出す! このボタンの瞳にかけて!」


翌年、十二月二十四日——東京・高円寺。

四歳の森野姫子は、パパとママと共にオモチャ屋にやってきていた。

彼女がぬいぐるみ選びをしているとき、突然頭からぬいぐるみ置き場につっこんだのだ。

どうにかぬいぐるみの山から抜け出た彼女は、一匹のぬいぐるみを持っていた。

それは黄色い目がボタンで出来たパチモンのぬいぐるみ「ディーディーベアー」

姫子は、このぬいぐるみを買ってもらい、その子にブースケと名前を付けた。

ブースケが姫子の家にやってきて一年が経とうとしていた。

ある時、姫子はブースケを連れて図書館にやってきた。

売れない作家であるパパは、ここで小説を書いているのだ。

「物語だけが人間の絶望と理想を逆転できる唯一の装置なんだ」

パパからいつもそう教わっていた姫子は、いつか自分も小説家になろうと決めていた。

その帰り道、彼女はブースケをどこかで落として無くしてしまう。

どこに行っても見つからず、姫子は散々泣きはらしようやく眠りについた。

だが、すぐに彼女はハッと目を覚まし、目の前で板チョコを抱えたぬいぐるみが歩いているのを見つけた。

そのぬいぐるみは、いなくなったはずのブースケだった。

ブースケは、姫子にこれは夢だと言い、帰りが遅れたことを謝った。

姫子は夢の中でブースケにお願いをした。

「姫子が大人になって、パパみたいな小説家になるまで、ずっと守っていて」

満月の明かりを背に、ぬいぐるみが片膝をついて言った。

「誓いましょう。このボタンの瞳にかけて」


それから十二年後、十二月中旬、森野姫子は高校生になっていた。

大好きだったパパは彼女の目の前で死んでしまい、その時から彼女は本が読めなくなっていた。

九年前のパパの事故死が彼女のトラウマとなり、書物恐怖症となっていたのだ。

姫子は、小説家どころか白い原稿用紙、学校の教科書を見ても吐き気がするのだ。

彼女に残ったのは、人一倍強い想像力が見せる幻影や幻聴だけだった。

そんな彼女につきまとう“ダメスケ”こと小岩井は、毎日のように小説を書くよう勧めてくる。

ダメスケがそこまで彼女を気にかけるのは、姫子のパパが死んだあの日、姫子を守るようパパと約束していたからなのだ。

姫子が自宅のアパートに帰るとママがクリスマスツリーの飾り付けをしていた。

彼女は、それを見てパパを思い出してしまい、ママと口喧嘩をする。

口喧嘩の末、パパを思い出す物を全て捨てると言い出した姫子は押入にしまっておいたブースケとクリスマスツリーを公園のごみ箱に捨ててしまった。

その直後、彼女はいつもの幻を見る。

その幻は、大好きだったぬいぐるみのブースケを思い出させるものだった。

姫子はすぐに公園に戻るが、ゴミ箱にはもうブースケの姿はなかった……。

だが、悲しみにくれる彼女の背後には、世界中の人間を不幸に陥れる悪の組織が動いていた!

【関連リンク】

本『縫製人間ヌイグルマー』

本『ステーシー』

本『大槻ケンヂ短篇集 ゴスロリ幻想劇場』


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『ロッキン・ホース・バレリーナ』 大槻ケンヂ 角川文庫

18歳で夏でバカ!

忘れることなど一生できない最高の旅。



耕助は十八歳で夏でバカで、プータローのバンドマンだった。

パートはギターで、レッドサンバーストのレスポール。

バンドはそこそこに人気が出ていた。

三茶のヘブンズドアぐらいのキャパなら満員にできたし、インディーでCDを二枚出していた。

マネージャーを名乗る大人も現れ、その夏、耕助たちは生れて初めての全国ツアーに出ることになった。

一台のワゴン車にメンバー三人とマネージャー、男ばかりがスシ詰めとなり、東京から博多まで向かうのだ。

抜けるような夏の空を見上げながら、耕助はこう想った。

「一体、何人の女のコとエッチができるのだろう」

その頃の彼の頭の中は、セックスのこと以外何も入っちゃいなかったのである。

耕助は仲間のザジ、バン、マネージャー得山と共にパンクバンド「野原」としてツアーを開始する。

行く先々で女のコとやるつもりでいたのに、謎のゴスロリ娘を拾ったことで旅は思わぬ方向へ。

ゴスロリ娘、七曲町子の正体は?

ツアーファイナルは成功するのか?

耕助と町子の恋の行方は?

爆笑と感動、大槻ケンヂの青春ロック長編小説。

忘れることなんてできない最高に熱かったあの季節。


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『大槻ケンヂ短篇集 ゴスロリ幻想劇場』

著:大槻ケンヂ 

出版:インデックス・コミュニケーションズ

ゴスロリの女の子はお好きですか?

 


【ゴンスケ綿状生命体】

宇宙から地球に降ってきた綿状の生物「エンジェル・ヘアー」

ある時、一つかみの綿状生命体はクマのぬいぐるみの中に姿を隠した。

そのまま不安な気持ちのままじっと待ち続けた——。

そして四歳の誕生日プレゼントを買ってもらいに来た愛ちゃんと出会った。

【妖精対弓道部】
夏の青空の下、弓道部員たちが弓道場で練習をしていた。

その弓道場の上空に現れた謎の飛行体は、空飛ぶゴスロリ軍団!?

ゴスロリ有翼妖精たちは洋弓を持ち、弓道部員たちに向けて矢を放ち始めた。

【メリー・クリスマス薔薇香】

クリスマスが近いある日、娘の静花の買い物に勝手についてきた母親がロリータに目覚めた。

呆れる静花をよそに、お揃いのロリータ・ファッションに身を包んだ母はとても嬉しそうだった。

その後、表参道を歩いていると二人は、雑誌の取材をうけてしまう。

ロリネームを訊かれた母は、まるで以前から用意していたかのように「薔薇香」と名乗った。

【戦国バレンタインデー】

バレンタインデーの夜、留名は憧れの同級生にチョコを渡そうとしたとき……。

神のミスにより極彩色の世界へと放り込まれて、タイムスリップしてしまう。

彼女が降り立った場所は城内で、そこには我が侭な姫と姫に恋するお侍がいた。

留名は、二人の恋をどうにか結ぼうと奮闘する。

【ユーシューカンの桜子さん】

靖国神社内にある遊就館にやってきた二人の兄妹。

妹は、死んでいった少年兵士の花嫁人形「菊子」のディスプレイに釘付けになっていた。

そして帰り際に突然、彼女は少年兵士のお嫁さんになると言い出す。

【ゴスロリ専門風俗店の「七曲町子」】

ゴスロリ専門風俗店「ゴスロリパイブル」に勤める町子は毎日のように男に奉仕していた。

ある日、店長がドラッグのやりすぎで死んだのをきっかけに町子は外に出ることにした。

【二度寝姫とモカ】

隣のおばあさんは翔子のことを二度寝姫と呼ぶ。

休日に朝起きて窓越しに朝の挨拶をすると、再び眠ってしまうから。

今日もいつものように眠っていたら、いつの間にか誰かが添い寝していた。

驚いて飛び起きると一人の少年がいた。

その少年は、死ぬ間際に人間になりたいと願ったおばあさんの飼い猫モカだった。

【月光の道化師】

魔都東京では月光の道化師の話で持ちきりだった。

道化師は、月が光り輝く夜におしゃれに余念がない女の子たちを連れ去っていく。

明血探偵は、助手の小林森君にヒラヒラの洋服を着せ、道化師をおびき出すことにしたが……。

【ステーシー異聞・再殺部隊長の回想】

一度死んだ少女たちが再び生き返りステーシーとなって徘徊する。

そんな現象が各地で起こり始めた頃の話。

ある一組の恋人たちの悲しい物語……。

【決戦ドレスは紅茶の後で】

名探偵シャーロック・ホームズの末裔である少女は日本にいた。

彼女はシャーロック・ホームズが修めた幻の格闘技バリツを習得していた。

そして今夜、彼女は宿敵モリアーティの子孫と闘う。

決戦ドレスは、ゴスロリファッション♪

【奥多摩学園心霊事件】

【ユーシューカンの桜子さん】に登場した桜子さんは、その霊感体質を心霊探偵に見込まれて助手となっていた。

今回の事件は、ある学園の双子の少女が毎回聞くラップ音の正体を暴く!

【爆殺少女人形舞壱号】

クラブでホームレス狩りの話で盛り上がっていた若者たちが一瞬で凍り付いた。

入り口に銃を持った老人が立っていたからだ。

その左腕には、少女人形が抱えられている。

彼は、ホームレス狩りにあった仲間の復讐に来たのだった。

【ギター泥棒】

恋人の克也が死んでしまった。

残された彼女トラメは、彼愛用のレスポールを盗み飛び出した。

そしてこれを天国に届けようと決意するが、克也の父親に止められ……。

【東京ドズニーランド】

埼玉のはずれにありながら、東京ドズニーランドと名乗る有名な遊園地。

クリスマス・イブの寒い朝、そこにやってきた川越キャベツ祭りのゆるキャラ「キャーベちゃん」

彼女はそこにいるモッキー君に一目会いたくてやってきた。

しかし、入ることさえ許されずに追い返されてしまう。

絶望を味わった彼女は自殺してしまった。

その死に怒りを露わにした全国のゆるキャラたちは、東京ドズニーランドに向かう!

【ぼくらのロマン飛行】

サーカス団に売り飛ばされたマーヤは人間大砲の弾として毎日毎日飛ばされていた。

彼女は、いつか外の世界に出て、上空からいつも見ていた少年に会いに行こうと思っていた。

そして決行の日、彼女は空気圧を最大にして発射された。

空高く遠く飛翔し続け、そして彼のもとへ——。




ロックミュージシャン・大槻ケンヂさんによって綴られた短篇集。

甘く切なく黒く面白く、それでいて美しい素敵で不思議な世界の物語♪

【関連リンク】

本『縫製人間ヌイグルマー』

本『ステーシー』

本『大槻ケンヂ短篇集 ゴスロリ幻想劇場』


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『ステーシー』 大槻ケンヂ 角川書店

再殺しようぜ☆

入ろう、ロメロ再殺部隊!!



ある日突然、十五歳から十七歳までの少女たちが世界中で集団的な変死を遂げた。

かと思えば、数時間後には歩き回る屍となって、人を喰い殺し始めた。

彼女たちは、皆から「ステーシー」という愛称で呼ばれるようになった。

そんなステーシーたちを眠らせるためにすることは、ただ一つ。

百六十五個の肉片に分割するしか方法はない。

その行為を「再殺」といい、一度死んだ者をもう一度殺すから再殺。

ちなみにこの再殺の権利を持つのは、ロメロ再殺部隊の隊員。

ステーシーになる寸前の「臨死遊戯状様(ニアデスハピネス)」の少女から再殺の権利を与えられた者。

そして違法個人営業の再殺請負業者。

ステーシーは何のために生まれたのか……。

どうして十五歳から十七歳までの少女たちだけなのか……。

ロックバンド・筋肉少女帯の大槻ケンヂが書いた無惨で奇妙な世界の物語。

【関連リンク】

本『縫製人間ヌイグルマー』

本『ステーシー』

本『大槻ケンヂ短篇集 ゴスロリ幻想劇場』



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