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2020/02/05 本『春琴抄』 谷崎潤一郎
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2020/02/04 本『QED百人一首の呪』 高田崇史 
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2019/12/14 本『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』 武田綾乃
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2019/11/25 本『斜陽』 太宰治 
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2019/10/28 本『陽気な死体は、ぼくの知らない空を見ていた』 田中静人
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2019/06/17 本『ピンポンラバー』 谷山走太
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2019/04/24 本『凍りのくじら』 辻村深月
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2012/11/11 本『青い羊の丘』 著:竹下文子 イラスト:あづみ冬留
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2012/11/06 本『探偵失格 愛ト謂ウ病悪ノ羅患、故ニ我々ハ人ヲ殺ス』 中維
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2012/04/29 本『ぼくのメジャースプーン』 辻村深月
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2012/04/03 本『自殺倶楽部』 谷村志穂
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2012/03/13 本『檸檬のころ』 豊島ミホ
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2011/01/12 本『冷たい校舎の時は止まる(上)(下)』
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本『物理学者、SF映画にハマる 「時間」と「宇宙」を巡る考察』 高水裕一

『物理学者、SF映画にハマる 「時間」と「宇宙」を巡る考察』 高水裕一 光文社新書



実物と瓜二つだった『インタステラー』のブラックホール。

30年の時を経て似た惑星が見つかった、『スター・ウォーズ』の太陽を2つ持つ惑星タトゥイーン――。

時にフィクションの壁を超えて、現実世界へと飛び出してくるSF世界。

そんな一度は夢見たSF世界の可能性と限界を、テレポーテーションから星間飛行、はたまたタイムトラベルまで、宇宙物理学が専門の著者と一緒に探る! 

フィクションが未来の科学を導く!?

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本『人でなしの櫻』 遠田潤子

『人でなしの櫻』 遠田潤子 遠田潤子

父が壊した女。それでも俺はあの女が描きたい。



しがない日本画家の竹井清秀は、妻子を同時に喪ってから生きた人間を描けず、「死体画家」と揶揄されていた。

ある晩、急な電話に駆けつけると、長らく絶縁したままの天才料理人の父、康則の遺体があり、全裸で震える少女、蓮子がいた。

十一年にわたり父が密かに匿っていたのだ。

激しい嫌悪を覚える一方で、どうしようもなく蓮子に惹かれていく。

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本『かがみの孤城 』 辻村深月

本『かがみの孤城 』 辻村深月 ポプラ社

 


学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。 

輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。 

そこにはちょうど“こころ”と似た境遇の7人が集められていた――

なぜこの7人が、なぜこの場所に。 

すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。 

生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。



ミステリー要素のある青春ファンタジーものでしょうか。

メインの謎は途中で気づきました。

いろいろな伏線や謎が最後にすべて回収され、かすかな明るい希望がありそうな結末でした。

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本『春琴抄』 谷崎潤一郎

『春琴抄』 谷崎潤一郎 新潮文庫



盲目の三味線師匠春琴に仕える佐助の愛と献身を描いて谷崎文学の頂点をなす作品。

幼い頃から春琴に付添い、彼女にとってなくてはならぬ人間になっていた奉公人の佐助。

後年春琴がその美貌を何者かによって傷つけられるや、彼女の面影を脳裡に永遠に保有するため自ら盲目の世界に入る。

単なる被虐趣味をつきぬけて、思考と官能が融合した美の陶酔の世界をくりひろげる。



美しく残忍な盲目の三味線師匠春琴と嘉悦を隠して尽くしぬく奉公人佐助の愛と献身。

単なる被虐趣味をつきぬけて、思考と官能が融合した美の陶酔。

凄絶な師弟愛の行方は?

あまりにも有名な話なのであらすじや結末もだいたい知ってるけど実際に読むとまた違う。

おもしろかった

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本『QED百人一首の呪』 高田崇史 

本『QED百人一首の呪』 高田崇史 (講談社文庫)



百人一首カルタのコレクターとして有名な会社社長・真榊大陸が自宅で惨殺された。

一枚の札を握りしめて…。

関係者は皆アリバイがあり、事件は一見、不可能犯罪かと思われた。

だが、博覧強記の薬剤師・桑原崇が百人一首に仕掛けられた謎を解いたとき、戦慄の真相が明らかに!?

第9回メフィスト賞受賞作。

つづきはネタバレ注意



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つづきをよむ?

本『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』 武田綾乃

『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』 武田綾乃 宝島社文庫



北宇治高校吹奏楽部は過去には全国大会に出場したこともある強豪校だった。

しかし、顧問が変わってからは関西大会にも進めていない。

新しく赴任した滝昇の厳しい指導のもと、生徒たちは着実に力をつけていった。

実際はソロを巡っての争いや勉強を優先し部活を辞める生徒も出てくるなど波瀾万丈の毎日。

そんな中いよいよコンクールの日がやってくる――。

少女たちの心の成長を描いた青春エンタメ小説。

つづきはネタバレ注意



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つづきをよむ?

本『斜陽』 太宰治 

『斜陽』 太宰治 



元華族の母と私は敗戦後、財産を失い、伊豆の山荘へ移る。

最後の貴婦人である母と離婚を経験して慣れない畑仕事に精を出す29歳の私。

復員した麻薬中毒の弟は無頼の作家上原二郎のもとを頻繁に訪れる。

一家族の滅びと再生の物語。戦後の太宰の代表作。

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本『陽気な死体は、ぼくの知らない空を見ていた』 田中静人

『陽気な死体は、ぼくの知らない空を見ていた』 田中静人 宝島社文庫



「明日雨が降ったら、お父さんを殺す」

小学五年生の大地は幼馴染の少女・空からそう言われた。

翌日、雨は降り、空は予告通りに父を殺した。

さらに空の兄の悟も殺してしまう。

大地は空と共に、悟の死体を地中に埋めた。

その翌日、大地の前に悟が霊体となって現れた。

悟はなぜ自分が殺されたのか。

なぜ霊体の姿で現世に止まっているのか。

なにも分からないと言う。

それ以降、大地の周囲でさまざまな事件が起こるようになった。

空とも大地とも仲良しの少女・光の下着が水泳の授業中に盗まれる。

チャボが猫に襲われる……。

そして光と空の歪な関係が明かされる……。

さまざまな事件の真相は?

彼らの過去に何があったのか?

『このミステリーがすごい! 』大賞・幻の応募作品が“超隠し玉”として、まさかの刊行!

つづきはネタバレ注意



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つづきをよむ?

本『ピンポンラバー』 谷山走太

『ピンポンラバー』 谷山走太 ガガガ文庫



卓球エリートが集う学園で頂点を目指す!

かつて天才卓球少年と呼ばれた飛鳥翔星は、怪我のため卓球界から姿を消した。

それから数年後、私立卓越学園の入学式に彼の姿があった。

そこは日本全国から集まった卓球エリートたちがひしめく最高峰の学園。

翔星がこの学園に進学した目的は小学生時代に唯一敗北を喫した名も知らぬ少女を見つけ出し、そして勝利することにあった。

だが、入学初日にして彼は本物のエリートによる厳しい洗礼を受けることになる。

一年生最強の女子・白鳳院瑠璃に、怪我をしていた膝の弱点を見抜かれ、あっけなく敗北してしまう。

敗北しうなだれる翔星に、瑠璃は「あなた、私のパートナーになりなさい」と告げる。

彼女の目的は才能のある彼とダブルスを組み、これまで一度も勝てたことのない相手、姉の紅亜を負かすことにあった。

そして、その紅亜こそが、翔星が捜し求めていた、あの日の少女だったのだ。

学園最強女子・紅亜という共通の敵を倒すため、翔星と瑠璃は共闘関係を結ぶことになるのだが……。

その身を焦がすほどに卓球を愛し、すべてを捧げた少年の燃えるような青春。

第12回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作。

つづきはネタバレ注意



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本『凍りのくじら』 辻村深月

『凍りのくじら』 辻村深月 講談社文庫



藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。

高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。

戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。

そして同じ頃に始まった不思議な警告。

皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき―。



藤子・F・不二雄先生を尊敬する主人公は居場所がなくて「少し・不在」な日常を送っている。

ある日、写真のモデルを頼まれたことをきっかけに良くも悪くも少しずつ日常が変化していく。

全編にわたってドラえもんに関する話やひみつ道具が登場して物語を大いに盛り上げてくれる。

そして最後には「すこし・ふしぎ」な物語として締めくくる展開がよかった。

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本『青い羊の丘』 著:竹下文子 イラスト:あづみ冬留

『青い羊の丘』 著:竹下文子 イラスト:あづみ冬留 角川書店



青い羊の丘にたたずむ「僕」が日々出会うのは、不思議で素敵なモノたちばかりだ。

たとえば天使の子供、旅人に手品師、人語をはなす銀色狼、それから千年プラタナス。

夏の間だけひらく風工場や、宝物をつめた万華鏡、宇宙の時計に、星のかけらの魔除け。

誰にも姿をみせない司書と、図書館で羽ばたく本の鳥たち――。

綺麗でかわいい、ずっと手元に置いておきたい。

眠る前にひとつずつ、ゆっくり読んで夢をみたい。

優しくも繊細な世界をつむぐ童話作家・竹下文子が贈る、24粒の宝石掌篇。

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本『探偵失格 愛ト謂ウ病悪ノ羅患、故ニ我々ハ人ヲ殺ス』 中維

『探偵格 愛ト謂ウ病悪ノ羅患、故ニ我々ハ人ヲ殺ス』 中維 イラスト:ぜろきち 電撃文庫

奇妙で巧妙で軽妙な推理奇譚登場。

怪しい洋館に集められたのは――奇人、変人、人外、凡人。

「――ようこそ、“地獄檻”へ」



舞台は皇国日本。

黒塚音子(くろつかねこ)は、性格奔放にして不穏分子な存在である。

ひとたび登場すればクラス内に警報が発され、清めの塩やお祈りをされるという有様だ。

けれど、僕・空野高にとっては愛の奴隷として信奉すべき「お姉ちゃん」だ。

かつて大好きだったお姉ちゃんを目の前で殺された。

「お姉ちゃん」という存在がなければ生きていけない僕は、音子先輩にお姉ちゃんになってもらうことにした。

そして僕と彼女は共犯者の関係でもある。

ある日、音子から誘われたドキドキのお泊まり♪

しかしそれはただの旅行ではなく、僕は怪しい洋館に連れ込まれてしまう。

外法の象徴「不死姫」を擁し、狂信軍人「神々の蛮刀」、謎の魔女をはじめ規格外の面子が集う時刻館――通称「地獄檻」。

そこで発生する館ものの必然の如き連続殺人事件。

敵地の極みで起こる阿鼻叫喚の果て、僕は黒塚音子の真の姿を見ることになる。

呪法庁の亡霊欠番「祟り神」と欠陥人間「探偵失格」が見つけ出すのは犯人か、それとも百鬼外法の成れの果てか――?

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本『超能力者のいた夏』 寺本耕也

『超能力者のいた夏』 寺本耕也 メディアワークス文庫



長野県末見市。

とある事故がきっかけで都内の高校から私立清風学園へ転入した高那聡。

現在、彼は木造アパートで一人暮らしをしている。

辺りにはコンビニどころか自販機すらない場所である。

東京生まれの聡にとってはため息をつきたくなる現状だが、東京に戻りたいとは思っていない。

というより戻れない……。

そんなある日、学校で“番長”と呼ばれる小柄な少女・津浦翼と知り合う。

明るく朗らかな性格で、時たま暴力的な行動をしてしまうが、ごく普通の女子高生だ。

しかし聡が翼を家に招待した時、それは起こった。

誤って翼を押し倒してしまいそうになった時、聡は一瞬にして白い閃光に包まれた。

唐突に身体が硬直し、巨大な激痛が全身を走った。

次に気がついた時は、靴も履かずに田舎道を立っていた。

視線の先には燃えるアパート。

右手にノートPC、左手には携帯ゲーム機を抱えていた。

一瞬にして色々な物を失い、途方に暮れる聡。

そんな彼に救いの手をのばす学園の理事長であり翼の祖母、津浦茜。

聡は理事長の厚意により山奥にある学生寮に住むことになる。

しかしそこは普通の人間が暮らす寮ではなかった。

寮生たちの不思議な能力に翻弄されながらも聡は新たな生活を始める。

だが一人の寮生の不吉な予言によると、彼が重傷を負うとあり……。



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本『ぼくのメジャースプーン』 辻村深月

『ぼくのメジャースプーン』 辻村深月 講談社



ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった――。

ある日、学校で起きた陰惨な事件。

それは何者かの手によってうさぎ達が惨殺されるというものだった。

うさぎ小屋は血まみれになり、バラバラ死体が至る所に転がっていた。

ぼくもクラスのみんなもうさぎたちの死にとても悲しんだ。

しかしそれ以上に悲しい出来事がぼくにはあった。

それは僕の幼なじみ、ふみちゃんがショックのあまり心を閉ざし、言葉を失ったこと。

うさぎ小屋の惨劇を最初に見つけたのが彼女で、犯人とも遭遇していた。

誰よりもうさぎのことを大切に想っていたふみちゃん。

犯人はすぐに捕まったが、大して重い罪にはならなかった。

ぼくは犯人が許せない。

彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。

チャンスは本当に一度だけ。

これはぼくの闘いだ。



【関連作品】

本『冷たい校舎の時は止まる』 辻村深月

本『ぼくのメジャースプーン』 辻村深月

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本『自殺倶楽部』 谷村志穂

『自殺倶楽部』 谷村志穂 集英社



高校の正門の手前に、二階建ての小さな古い図書館がある。

高野槙子は、そこに毎日通っている。

シリトーでも、サルトルでも、サガンでも、漱石でも、何でも借りた。

本なら何でも良かった。

どうせ本を借りるだけで中身はただの一行も読まないのだから。

ただ、本を持って歩くことが彼女を自由にした。

そんなある日、彼女は図書委員の富山久美と桧田玲子に呼び止められる。

富山から二つの用件を言い渡された。

一つは、読書感想文を書いてくれないかという誘い。

もう一つは、一週間に一度<詩を読む会>という有志の集まりに来ないかという誘い。

一つ目のお願いは、すぐに断った。

が、もう一つのお願いはその場で返事はしなかったが、渡された地図に従って導かれるようにしてやってきた。

着いた場所は、現在は空き家になっている旧華族の屋敷だった。

その屋敷に入った彼女を待っていたのは富山久美と桧田玲子を含めた数人の生徒たち。

<詩を読む会>というのは表向きで、実際は<海の泡同盟>という。

その同盟は死にたい者が集まった自殺倶楽部だったのだ。

富山は葬儀屋の娘として、他者の自殺の手伝いをしているだけらしい。

高野はその手伝い要員として呼ばれたようだ。

彼女にお願いされた仕事は記録係。

もうじき迎えるおしまいの時をありのままに胸の中に記録する。

彼女はその仕事を受けることにした。

二ヶ月以上の月日が経ち、とうとう自殺を実行する日がやってきた。

<海の泡同盟>に所属する者は、学校の屋上に集まり……。

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本『檸檬のころ』 豊島ミホ

『檸檬のころ』 豊島ミホ 幻冬舎文庫



山と田んぼに囲まれた田舎の高校を舞台に、「あの頃」のかっこ悪くて、情けなくて、でもかけがえのない瞬間をせつないまでに瑞々しく綴る。


【タンポポのわたげみたいだね】

高校三年生になってから橘ゆみ子は保健室を訪れるようになった。

それはうちの「お姫様」の小嶋智(サト)がベッドで眠っているからだ。

でも橘が授業に行こうと誘ってもいっしょに来ないことが多い。

いつからこうなってしまったんだろう?

最初は仲が良かったのに、今はサトの考えていることがわからなくなってきた。

ある日、橘は同じ学年のカッコいい男の子に声をかけられる。

翌日から彼女は彼といっしょの電車に乗ることを約束する。

今まで彼女の隣はサトの席だったが、これからは……。


【金子商店の夏】

金子晋平、二十八歳――資格試験予備校生。

新宿にある資格試験予備校に通う彼は、司法試験に五回落ちていた。

年下の同級生にはバカにされ、嫁に行った妹には大人になれと言われている現在。

そんな時に一本の電話がかかってきた。

実家の母親からで「おじいちゃんが死にそうなの」と言われた。

地元に戻ってきた晋平は、高校の横の細い道を駆ける。

そして見えてきた「金子商店の看板」

すぐに家に入ると、じいさんは元気で、母さんはどこか他人行儀だった。

言いたいことはわかっている、「店を継げ」と言うのだろう。


【ルパンとレモン】

野球部の西は、吹奏楽部の指揮者だった秋元にテーマを聞かれる。

一瞬何かわからなかったが、テーマ曲だとすぐに気づく。

何でもいいという西に、秋元は「西はクールだからルパンにする」と言う。

それから西と秋元は放課後にいっしょに勉強するようになり、いっしょの高校に受かった。

それで、高校三年の夏。

どこで間違ったんだろう。

その頃には、秋元は西ではなく、佐々木という野球部員と仲が良くなっていた。


【ジュリエット・スター】

うちは高校生専門の下宿をしている。

主に母が切り盛りしていて、理可は本屋でバイトをしながらたまに手伝いをする。

大変じゃないかと言われるが、それほどでもない。

ただ、高校二年の水橋珠紀には手を焼かされる。

下宿内恋愛を禁止されているこの場所で彼女は、林と言う男子生徒と付き合っているのだ。

今までに下宿内の男子と女子が仲良くなるなんてことなかったけれど、珠紀だけは違った。


【ラブソング】

MDウォークマンで音楽を再生して、白田は喧騒に満ちた教室から切り離される。

私は中三で音楽シナリオライターになると決め、それからずっと音楽の勉強をしている。

その日も音楽雑誌を読んでいた。

すると、それを覗き込む男子の辻本がいた。

白田は少し惹かれるが、夢のためには男子に気を取られているわけにはいかないと自分の気持ちを否定する。

だが軽音部の辻本くんと音楽シナリオライターを目指す白田。

偶然二人は話をすることになり……。


【担任稼業】

丹波は自分の担任するクラスの進路指導に手を焼いていた。

誰もがみんな自分を特別視し、過大評価し過ぎている。

中でも手を焼いているのは……小嶋智。

このままでは進学どころか卒業すら危うい。

しかも小嶋はとても生意気で、丹波の言うことなど聞こうともしない。

さらに同僚の教師からも注意され、板挟みで辛い毎日を送っていた。


【雪の降る町、春に散る花】

「残念ながら不合格です」

受話器の向こうからノイズまじりの大学受験合否判定の声が聞こえてきた。

高校のある町の電話ボックス、三月四日、秋元と佐々木が別れるまでのカウントダウンが始まった。

佐々木は野球部のエースで、二年の時のクラスメートだった。

告白の言葉はとても明快で、秋元はすぐに了承した。

とても楽しかった。

だがすぐに二人の前には進路選択という道が迫ってきた。

秋元は東京の私立大学を目指していた。

佐々木は地元の公立大学を目指していた。

秋元は、佐々木と東京のどちらか一つを選ばなければいけないのなら……。

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本『冷たい校舎の時は止まる(上)(下)』

『冷たい校舎の時は止まる(上)(下)』 辻村深月 講談社文庫



雪降るある日、受験を間近に控えていた8人の高校生。

いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められてしまう。

鷹野博嗣(たかの ひろし)

県下一の進学校・青南学院高校に通う三年生。

深月とは幼馴染みで、高校に進学してからは登下校を共にしている。

担任教師の榊とは従兄弟同士であり、容姿もそっくりで榊の弟とよく間違えられる。

辻村深月(つじむら みづき)

鷹野と同じく青南学院高校の三年生。

クラスメートの角田春子からいじめを受けていた。

その影響から拒食症に陥っていたこともある。

菅原(すがわら)

片耳にピアスをつけ、賭け麻雀とタバコで停学を喰らうほどの不良学生。

事件の朝、反省文の日記帳を携えて登校している。

佐伯梨香(さえき りか)

荒れていた頃、当時副担任だった榊に助けられ、以降恋心を抱いている。

片瀬充(かたせ みつる)

青南学院高校三年生で梨香に恋心を抱いている。

桐野景子(きりの けいこ)

生徒会の副委員長を務め、会長の諏訪裕二と共に文化祭の業務をこなしていた。

梨香とは幼馴染み。

両親は医者で、自身も医学部志望。

藤本昭彦(ふじもと あきひこ)

中学時代に友人が自殺したこともあり、深月の異変に真っ先に気付き、回復させようと努めた。

清水あやめ(しみず あやめ)

入学金、授業料免除のA級特待生。

学業のみならず、美術部に所属し絵画のコンクールで受賞もしている。

彼らは最初、担任教師の榊の考えた悪戯か何かだと思った。

しかし、つながらない電話、開かない扉、無人の教室、5時53分で止まった時計。

悪戯にしては悪質過ぎる。

みんなが怪奇現象なのではないかと考え始める。

そして集まった面々を見て、一つの共通点に気がつく。

彼ら八人は、二か月前の学園祭の運営委員だった。

また同時に思い出す――学園祭の最中に自殺した同級生のことを。

でもその顔と名前がわからない。

どうして忘れてしまったんだろう。

閉じ込められた生徒の一人があることを思い出す。

榊先生の机の上にあった写真には、運営委員が写っていた。

ここにいるのは八人だが、写真では七人だった。

もしかすると、この中の誰かが死んでいて、その人が幽霊になってこの怪奇現象を引き起こしているのではないか。

もう一度写真を見ようとしたら、その写真はなくなっていた。

第三十一回メフィスト賞受賞作。

【関連作品】

本『冷たい校舎の時は止まる』 辻村深月

本『ぼくのメジャースプーン』 辻村深月

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