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少しイカレてるくらいがちょうどいい
『自殺倶楽部』 谷村志穂 集英社



高校の正門の手前に、二階建ての小さな古い図書館がある。

高野槙子は、そこに毎日通っている。

シリトーでも、サルトルでも、サガンでも、漱石でも、何でも借りた。

本なら何でも良かった。

どうせ本を借りるだけで中身はただの一行も読まないのだから。

ただ、本を持って歩くことが彼女を自由にした。

そんなある日、彼女は図書委員の富山久美と桧田玲子に呼び止められる。

富山から二つの用件を言い渡された。

一つは、読書感想文を書いてくれないかという誘い。

もう一つは、一週間に一度<詩を読む会>という有志の集まりに来ないかという誘い。

一つ目のお願いは、すぐに断った。

が、もう一つのお願いはその場で返事はしなかったが、渡された地図に従って導かれるようにしてやってきた。

着いた場所は、現在は空き家になっている旧華族の屋敷だった。

その屋敷に入った彼女を待っていたのは富山久美と桧田玲子を含めた数人の生徒たち。

<詩を読む会>というのは表向きで、実際は<海の泡同盟>という。

その同盟は死にたい者が集まった自殺倶楽部だったのだ。

富山は葬儀屋の娘として、他者の自殺の手伝いをしているだけらしい。

高野はその手伝い要員として呼ばれたようだ。

彼女にお願いされた仕事は記録係。

もうじき迎えるおしまいの時をありのままに胸の中に記録する。

彼女はその仕事を受けることにした。

二ヶ月以上の月日が経ち、とうとう自殺を実行する日がやってきた。

<海の泡同盟>に所属する者は、学校の屋上に集まり……。

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