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本『超能力者のいた夏』 寺本耕也

『超能力者のいた夏』 寺本耕也 メディアワークス文庫



長野県末見市。

とある事故がきっかけで都内の高校から私立清風学園へ転入した高那聡。

現在、彼は木造アパートで一人暮らしをしている。

辺りにはコンビニどころか自販機すらない場所である。

東京生まれの聡にとってはため息をつきたくなる現状だが、東京に戻りたいとは思っていない。

というより戻れない……。

そんなある日、学校で“番長”と呼ばれる小柄な少女・津浦翼と知り合う。

明るく朗らかな性格で、時たま暴力的な行動をしてしまうが、ごく普通の女子高生だ。

しかし聡が翼を家に招待した時、それは起こった。

誤って翼を押し倒してしまいそうになった時、聡は一瞬にして白い閃光に包まれた。

唐突に身体が硬直し、巨大な激痛が全身を走った。

次に気がついた時は、靴も履かずに田舎道を立っていた。

視線の先には燃えるアパート。

右手にノートPC、左手には携帯ゲーム機を抱えていた。

一瞬にして色々な物を失い、途方に暮れる聡。

そんな彼に救いの手をのばす学園の理事長であり翼の祖母、津浦茜。

聡は理事長の厚意により山奥にある学生寮に住むことになる。

しかしそこは普通の人間が暮らす寮ではなかった。

寮生たちの不思議な能力に翻弄されながらも聡は新たな生活を始める。

だが一人の寮生の不吉な予言によると、彼が重傷を負うとあり……。



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