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昔話『ネコ耳メイドとSF執事、そして安楽死探偵』19

前回のあらすじ

戯言だけどね

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「ごめんなさい」

「うるさくしてごめんなさい」

「ずーっと一緒だよ?」

「出来損ない」

「生まれてこなければよかったのに」

これは、えーっと、四歳くらいの頃と八歳くらいの頃、それから十七歳くらいの頃ですかね。

シェフが厳選した材料を調理してお皿に載せたら料理の完成です。

その名も「悪夢」です。

料理人の名前は「脳」です。

思い出したくもない過去を見せてくれる脳は無能だと思うのですよ。

今でも私は自分の過去を夢で見ます。

月に必ず一度、多い時は数え切れないほどです。

さすがのルナルナでも悪夢の周期までは管理できません。

…………そろそろ人権団体に訴えられるかもしれませんね。

もしもの時は皆さん、証言台に立ってください。

もちろん弁護側ですからね?

相手側に立たれたら私は社会的に死んでしまいます。

まあ死刑台に立つことは拒否しませんよ。

しかし死刑台に立つためには、証言台に立たなければいけません。

うわあ、面倒くさいですね。

こんなブログを見る人なんているか分かりませんし、コメントをくださる人も少ないです。

古い記事に拍手でひっそり応援コメントくださる方もいらっしゃいます。

古い記事でも新しい記事でも私は嬉しいです。

ということで、皆さんよろしくコメントお願いくださいしますどうぞ結婚してくださいだれかうわやめたすけて。

作為的な文字化けと思っていただければ幸いです。

誰か物理的に私を殺してくださる人はいませんか。

自殺は禁止されているから事故死に見せかけるのもありかな、と最近では思っています。

紐なしバンジーなんて生ぬるいですよ!

お望みとあらば私は首に紐をかけてバンジーしてやりますよ!

目を覚ますといつも枕が濡れています。

そして頭痛と嫌悪感、後悔、自責、色々な症状が私を襲います。

いつになっても私は弱虫××××なのです。

死んだ祖父によく怒鳴られていましたっけ。

「お前はダメだ。この先ずっとダメな奴にしかなれない」

現実でも私をいじめてくれましたが、夢の中でもいじめるんですね。

全く笑えない話です。

私と後輩はお互い謝り合った後、校内の軽食屋に入りました。

私は冷たいお茶を頼み、後輩はサンドイッチとお茶を注文しました。

お茶を飲み、サンドイッチを一口食べたところで後輩が話を切り出します。

SF「ドウゲン坂ってあそこっすよね」

私「あそこだね」

忠誠心が高いことで有名な犬の像があるところです。

SF「妹ェ……」

私「でも美味しかったよ」

SF「それで済ませられるのは先輩が大人だからですよ。あいつの元彼はアレでドン引きしましたから。やっぱ高校生なんてガキッすね」

私は苦笑せずにはいられませんでした。

元彼氏の気持ちが分かり過ぎて辛いです。

私「大学生も高校生と大差ないと思うよ。私と後輩の年齢差、二つくらいしか違わないんだから」

頭を抱えてうな垂れる後輩を見かねて言ってやりました。

すると彼女は顔を輝かせて言います。

SF「妹のことをよろしくお願いします」

私「私は付き合わないよ」

SF「あいつのこと嫌いですか?」

私「嫌いじゃないよ」

SF「また面倒くさい返答を……」

分かっているんですけどね。

なかなか心のバランスが取れないのですよ。

特に悪夢を見た日は――。

今日の愛想笑いは、上手に出来ているでしょうか。

小さくため息をついた後輩が私に話しかけます。

SF「妹を見ていると、守ってあげたくなりません?」

私「うーん」

SF「クラスの男子からも人気高いっすよー」

私「へぇー」

まあ、男子高校生が好きそうなタイプですよね。

SF「守ってあげてくれませんか?」

私「恋人にはセルフディフェンスを推奨しているので」

私は好きな人を守れませんでしたから。

SF「処女膜破られた瞬間「優しい痛み」とか言っちゃう女の子は嫌いですか?」

私「それなんてケータイ小説?」

もしもそんな女の子とお付き合いしたら、私は白血病か癌で死にますよね。

あれ、私の願い叶っちゃいますね。

しかし、その結末を迎える前にレイプや妊娠や流産などを相手の女の子に経験していただく必要があります。

私が死ぬ分には心が痛みませんが、愛した人が傷ついたり死んだりするのは嫌です。

あんな思いをするのは……もう嫌です。

だから私は、偽妹ちゃんとの関係を曖昧なままにしているのです。

いつまで経っても私と彼女は偽兄偽妹な関係です。

それ以下になることはあってもそれ以上になることはあり得ません。

後輩の質問に適当な返答をしていると、急に空気が変わったような気がしました。

SF「先輩はEDですか?」

私「ED?」

もしかして、エリマキドラゴンのことでしょうか。

かつて日本ではエリマキドラゴンが大流行したと言います。

エリマキドラゴンの所有飼育が富裕層のステータスという風潮があったのです。

庶民にとってエリマキドラゴンを所有飼育することは夢であり目標であり羨望の的でした。

エリマキドラゴンの人気は留まることを知らず、ついには小説音楽漫画演劇映画といったものにまで扱われるようになりました。

めくるめくメディアミーックス!!

印税や興行収入の計算は後にしなさい!!

映画『燃えよエリマキドラゴン』映画『エリマキドラゴンVSコブラ男爵』は、今なお日本映画史に残る名作だと思います。

それから『エリマキドラゴンのバラード』は、小中学校の合唱曲として選ばれるほどの名曲だと思います。

海がー見ーたーいー♪

人をー愛したいー♪

エリマキドラゴンにも心はあるのさー♪

子どもは登下校中に口ずさみ、大人は仕事帰りに酒を一杯やってから歌ったそうです。

夕方の子ども向け教育番組『エリマキーズ』では、五匹のエリマキドラゴンと人間の子ども達との素晴らしい合唱が聴けたそうです。

そしてアメリカの映画製作会社の目に留まり、エリマキドラゴンはハリウッド映画デビューとなりました。

しかし、そこで悲しい事故が起こります。

それは、エリマキドラゴンが宿敵コブラ男爵の隠れ家に突入するシーンを撮影している時に起こってしまいました。

私「エリマキドラゴンは隠れ家から脱出する際に爆発に巻き込まれ……」

SF「いつまでふざけてんすか?」

私「ふざけてないよ?」

SF「いつまで鈍感なふりしてんすか。不能野郎って呼びますよ!」

私「せめてクズ野郎で」

SF「妹の気持ちに気づいてるんでしょ?」

私「男がこいつ俺に気があるかもと思ったとき、それは八割以上が勘違いだよ☆」

ジャック・クリスピン曰く「二十代の男は、知らないことが多い方が幸福だ」

ジャック・クリスピンは、なかなか良いことを言いますね。

あれ、でもこの時の私はまだ二十歳になる前だったかもしれません。

まあ、そんなことはどうでもいいのです(・∀・)キニシナイ♪

SF「今回は勘違いじゃないです。あいつは先輩に惚れてます」

私「へぇー」

SF「付き合う付き合わないは先輩の自由ですよ。お姉さんと違って、私は自由恋愛推奨なんで」

そうですね。

きーちゃんは実姉で、あの子は実妹ですから。

どうしても大切な妹のために肩入れしてしまうのでしょう。

SF「でも付き合う気もないのに、答えを出さずにずるずる引っぱっていく人間って最低だと思いませんか?」

私「あちらが何もしてこないのであれば、こちらが何かする必要はないかなーと思ってるんだけど……ダメ?」

SF「ダメです」

ダメらしいです。

保留とは、ライトノベルかエロゲーの主人公が犯す愚行ですからね。

ハーレムは男性の夢らしいですが、女性の理想ではありません。

女にとっての理想は、男の愛を一人占めすることらしいです。

不倫も浮気も文化じゃなくて愛した人への裏切りです。

まあ、男の夢も女の理想も人それぞれ違うと思いますけどね。

現実世界に生きる主人公に向かない私は、結論を出さねばならないようです。

付き合うべきか、付き合わざるべきか、二つに一つです。

SF「今すぐにとは言いませんよ。でもなるべく……」

私「いや、今日断るよ」

SF「え?」

私「今日の方がいいでしょ。ずるずる引き延ばすのも悪いし」

それに、私の精神にもよろしくありません。

偽妹ちゃんを見ていると、どうしてもカノジョを連想してしまうのです。

彼女の存在そのものが私のトラウマを蘇らせるのです。

偽妹ちゃんは悪くありません。

悪いのは私の弱い心です。

SF「付き合わないんすか」

私「うん」

SF「理由を聞いてもいいすか」

嘘をついてごまかしてもいいですが、今日は嘘をつく気分ではありません。

それに、友人のために本気で心配している後輩にも失礼です。

私は嘘偽りない言葉で、偽妹ちゃんと付き合わない理由を述べました。




















私「私は姉萌えだから」

SF「……………………」



























私「ごめん。元姉萌えだった」

これが私の嘘偽りない答えです。

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