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昔話『裏通りサディスティック』16

前回のあらすじ

死にぞこないの、死にたがりが、殺されない。



私「何してんの」

目の前には、ナイフを握りしめて泣いている女の子が立っていました。

私「早く殺してくれないかな」

×「無理だよ……」

私「……」

×「できないよ……」

私「いいよ。ナイフ貸せ。自分で死ぬ」

私は一人でもよかったのです。

彼女のようにいっしょに死んでくれる人を待ち望んでなどいませんでしたから。

ナイフに手を伸ばそうとしたら、×××は後ろに隠してしまいました。

私「お前を殺す気はないよ」

×××は首を横に振りました。

面倒くさいなあ。

私が無理やりナイフを奪おうとしたら、突然体がふっ飛びました。

正確には、ふっ飛ばされました。

ふっ飛ばされてからようやく親友に殴られたのだと気づきました。

友「前に約束したよな。もう自殺はしないってよ」

私「よく覚えてたね。そんな昔の約束」

記憶力の悪い親友にしては珍しいことです。

私「でもあの時は飛び降り未遂だよ。今回はナイフで……」

友「自殺には変わりないだろ」

屁理屈を言っても意味がないようです。

私は殴られた痛みに耐えて立ち上がりました。

私「お前を倒して私は死ぬ!」

意味のわからないセリフを発して、私は親友に向かっていきました。

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読んでくださってありがとうございます<(_ _)>

この話がフィクションだと思いたい方は、そう思ってください。

ノンフィクションだと思いたい方は、そう思ってください。

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