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昔話『裏通りサディスティック』 3

前回のあらすじ

時間が流れるにつれて、街も変化していく。

私が住んでいた時とはまったく違ってきている。












いいんじゃない?

便利になって住みやすそうだし。




私「久しぶり」

数年ぶりに再会した親友に挨拶した。

それから私たちは、あてもなく歩き始める。

友「つーか、久しぶりだよな。どうしたんだよ急に」

私「いや。たまたまこっち来る用事があったから連絡してみたんだよ」

友「ふーん。お前が連絡するなんて珍しいよな」

私「そうだね。連絡のし忘れで何年も会ってなかったからね」

友「ホントだよ。お前どんだけ待たせれば気が済むんだよ。俺がお前の恋人ならソッコーふってるぞ」

私「遠距離恋愛かー。おもしろいのかな?」

友「しらねーよ」

二人して笑っていると、前から女の子がやってきた。

少し、というか、とても派手な服を着た女の子。

ぽっちゃり体型の女の子が――ロリータ・ファッションを着てやってきた。

その姿はとても堂々としていて、貫禄のようなものがあった。

「よう。今日もそのヒラヒラした服着てるんだな。○○」

親友が冷やかすように言った。

私「知り合い?」

友「ああ。高校のクラスメイト」

女は、こちらを睨みつけて言った。

女「それは私の本当の名前ではありません。私の名は、姫雪。それから、このお洋服はヒラヒラではなくロリータ!」

顔を赤くしながら本気で怒っているぽっちゃりロリータ。

それにしても、ロリータはこの街に似合わない。










私「それってBABYのお洋服?」











親友と口論を繰り広げるぽっちゃりロリータさんに声をかけてみた。

勢いよくこちらを向いた彼女は、私の問いかけには答えず、口をパクパクさせるだけだった。

私「大丈夫?」
 
女「……初めてなのです」

私「え?」

女「ロリータに関心がある方に出会うなんて初めてなのです! これは運命です! そうに決まっているのです!」

彼女は、ロッキンホース・バレリーナを履いた足でピョンピョン跳ねて、パニエで膨らませたであろうスカートをなびかせている。

親友は苦笑いを浮かべている。

私は愛想笑いを浮かべる。

女は嬉しそうに笑っている。

少しだけその子と話してからまた歩き始めた。

私「おもしろい子だね」

友「お前の才能は相変わらずだな」

私「あの子、イカレてる?」

友「学校にもあの学校で来るんだぞ」

私「へぇ。すごいな。でもそこまでイカレてないかな」

友「基準がよく分からない」

私「えーとね……私が一目惚れするくらいの子はイカレてる」

友「馬鹿」

私「知ってる」

親友は笑った。

私も笑った。

友「じゃあお前に、とびきりイカレた女を紹介してやるよ」

私「ホント?」

親友はただ黙って歩き始めた。

私は、その後ろをついていくことにした。

歩きながら、変わっていない町並みを見た。

私「ここらへんは……見た目は変わっていないね」

友「そうだな」

私「駅前はあんなに変わってたのに」

友「変わるところもあれば、変わらないところもあるんだよ」

そんな話をしながら私たちは、歩き続けた。

どれくらい歩いたろう。

一度か二度くらいしか来たことがない地域までやってきた。

そして親友が一軒の家の前で止まった。

私「ここ?」

友「ああ」

私「冗談きついよ」

友「ああ」

親友は笑わない。

私は――。

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読んでくださってありがとうございます<(_ _)>

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ノンフィクションだと思いたい方は、そう思ってください。

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