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昔話『ドウゲン坂から』12

前回のあらすじ

社会的には死んでも君を!

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歩行者たちが私達の前を通っていきます。

その中の何人かは、私達のことを一瞥します。

彼らの目には私と偽妹ちゃんはどのように写ったでしょうか。

そんなことを考えているうちに偽妹ちゃんがポツリと言葉をもらしました。

妹「やっぱりお弁当っておかしいですよね」

私「本当にすみません。失礼なことを言って」

妹「いいんです。本当のことですから」

私「でも、きんぴらごぼうも卵焼きも全部おいしい。料理上手なんだね」

妹「料理しかできないんです」

私「え?」

妹「すーくんは私が付き合っていた人のこと、知ってますよね?」

私「偽妹ちゃんと初めて会った時に話してくれたね」

確か初めての彼氏で、半年ほど付き合って別れたと聞きました。

そういえばあの時初めて偽妹ちゃんと会ったのですよね。

さらに言うと、あの時初めて私が偽妹ちゃんの相談に乗ったのですよね。

確かあの時は「彼氏にフラレたばかりの妹さんを慰めるため」に作り出された状況です。

私(女の子って初対面の人の前でも泣けるのかな)

あの時は疑問になりませんでしたが、今では不思議に思えて仕方ありません。

「涙は女の武器」と誰かが言っていましたけれど、使う相手とタイミングを間違えてません?

しかし、今回ばかりは偽妹ちゃんを泣かせるわけにはいきません。

女の子を二度も泣かせるなんて人としてあるまじき行為です!!

















べ、べつに公衆の面前で泣かれると面倒くさいとか思ってないんだからねっ。

ツンデレ表現も使う場所とタイミングを考えてから使いましょう☆

妹「元彼は、お弁当を食べてくれませんでした」

私「え?」

妹「お腹空いていないからって……二人でMドナルドに入りました……」

私「……」

ヤバイです。

偽妹ちゃんが泣く前に私が泣いてしまいそうです。

元彼氏、何やってくれてんですか。

作ってきてくれたお弁当を食べずに、ファストフード店に入るのはダメですよ。

初めてのデートで牛丼屋やラーメン屋に入るよりもダメですよ。

そこは愛想笑いを浮かべて喜んだふりしてでも食べておきましょうよ。

愚痴や不満ならTwitterかmixiででもつぶやいておきなさい!!

少なくとも、彼女を傷つけるよりずっといいです。

まあ、私が言えた義理はないですね。

一般論とはいえ、「初デートに弁当を持ってくる女は重い」なんて本人の目の前で言ってしまうようなダメ人間ですから。

私は海洋生物を模したウィンナーを箸でツンツンしながら言いました























私「馬鹿だね」


















DS!! DS!! DS!! DS!! DS!! DS!! DS!!

DS!! DS!! DS!! DS!! DS!! DS!! DS!!

DS!! DS!! DS!! DS!! DS!! DS!! DS!!



















妹「ですよね。バカだったんです、私……」
 「初デートにお弁当持ってくるなんて普通に考えればわかることなのに……」


















私「違う。偽妹ちゃんじゃなくて元彼のこと」

















「か、勘違いしないでよね。べつにあんたのことじゃないんだからねっ」とはこのことです。

これこそ正しいツンデレ表現の使い方だと思います。

しかしながらツンデレ表現を現実で使う奴がいたら、私はその方に「顔面グーパンチ」を差し上げたいです。

妹「え? え?」

偽妹ちゃんは私の言葉を理解できずに混乱してしまいました。

分かりやすくするためにポケモンバトル風に解説しましょう。















××××のDS!!

偽妹ちゃんはこんらんしている。















余計分からなくなりましたね。

そういえば私、ポケモンはゲームボーイの緑版しかやったことありませんでした。

それならポケモンバトル風に解説するなんて無理ですね。

仕方ありません(・∀・)テヘ

私「偽妹ちゃんの元彼に失礼だけど、本当に馬鹿だと思うよ」

妹「そ、そうですか?」

偽妹ちゃんはこんらんしている。

私は、オクトパスウィンナーを口に放り込んでから言いました。

私「こんなに美味しいお弁当なのに。馬鹿だなぁ」

妹「そんな、嬉しいですけど……」

偽妹ちゃんはこんらんしている。

私は、オクトパスウィンナーをもぐもぐしながら言いました。

私「どうして初デートにお弁当を持って来ちゃいけないって一般論ができたんだろう」

妹「どうしてって……」

偽妹ちゃんはこんらんしている。

私は、何食わぬ顔で言いました。

私「偽妹ちゃんは、元彼に食べてほしいと思って作ってあげたんでしょ?」

妹「はい……」

私「その人のことを想ってその人のために作るって、誰にでもできることじゃないよね。時間も労力もかかるし」

妹「……」

私「でも、それが自然にできる人ってすごいと思う」

学校や会社にお弁当を持って行くみなさんへ。

できることなら作ってくれる人に感謝して食べてください。

学生さんはお母様でしょうか。

社会人さんは奥様でしょうか。

お母様も奥さまも皆さんのことを想って皆さんのために作っていると思うのですよ。

決して義務感に駆られて作っているわけではないと思います。

だから、お弁当箱を返す時に「ごちそうさま」と言いませんか?

その一言があるかないかでお母様や奥さまからの印象はぐっと変わると思います。

それからお弁当の中身の質もぐっと変わると思います。

じゃあこうしましょう。

この記事を見た人で、お弁当をいつも作ってもらっている方は、これから毎日作ってくれる人に「ありがとう」を言いましょう。

もし言わないと、明日からあなたのお弁当の中身は、白飯に梅干してんこ盛りにします。

塩分摂取のしすぎで病気にな~れ~♪

妹「……」

私「可愛い女の子のお弁当じゃなくて誰が作ったか分からないハンバーガーを選ぶなんて馬鹿だよ」

か、勘違いしないでくださいね。

ファストフードにはファストフードの良さがありますから。

私「まあ、私はもっと馬鹿だけどね」

私は立ち上がって彼女の前に立ちます。

そして深々と頭を下げて謝りました。

妹「もう謝らなくていいですよ」

私「……」

妹「それに、おにいちゃんは馬鹿じゃありません」

私「馬鹿だよ」

妹「おにいちゃんは優しいんです」

私「そうでもないけど」

妹「優しいからハッキリと言ってくれたんですよね」

私「……」

妹「これからも何か言いたいことがあったらハッキリ言ってくださいね。おにいちゃん♪」

偽妹ちゃんは明るい声でそう言いました。

それなら――私が言いたいことはもう一つだけあります。

私「じゃあ、もう一つだけいい?」

妹「はい。何でも!」




















私「あんまり私を利用しないでね」

















これから先はラブコメ展開だと思いましたか?

もしくは、エロゲー展開だと思いましたか?

そんなことは絶対にありませんよ。

だって私は――ラブコメの主人公に向かない人間ですから。





















妹「え、あの……」

私「長い話になるだろうし、お弁当を食べた後に……ね」

謎解きは、ランチのあとに致しましょう。

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