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昔話『ドウゲン坂から』6

前回のあらすじ

常にダーツボードを抱えて生きる人がいたらいいなぁ。

そして常にダーツを持って生きる人と結ばれたらいいなぁ。

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妹「お姉ちゃんと似ているところってどこですか?」

私「いや、たまたま口癖がいっしょだったんだよ(´∀`;)」

妹「そうですか……」

私「そうそう」

なんとかごまかせました。

しかし偽妹ちゃんは残念そうというか、辛そうな表情を浮かべてしまいました。











私「でも二人とも可愛いよなぁ」











私は聞こえないと思ってポツリと独り言をもらしました。

しかし……。










妹「え? え? ええ!?」










偽妹ちゃんは顔を真っ赤にさせて混乱し始めます。

その姿は見ているこっちの方が恥ずかしくなるほどです。

それでも私はいつも通りに愛想笑いをうかべてお話します。

アホの一つ覚えのようですが、私はそれ以外できないのです。

嘘じゃないですよ?

私「次はどこに行こうか?」

妹「え、あ……はい」

先ほどの独り言は彼女に聞こえていない体を装い、次の場所へ移動することを促します。

私が歩き始めると、偽妹ちゃんも三歩下がっていそいそとついてきます。

こうも見事に予想通りの反応をしてくれると、こちらも騙しがいがあるというものです。

確かに偽妹ちゃんはきーちゃんに似ているところがあります。

見た目だけに関して言えば、似ていないところの方が少ないでしょう。

ただ一つ言えるのは、どことは言いませんが、きーちゃんの方が偽妹ちゃんよりも少しだけ大きいです。

ええ、どことは言いませんが、少しだけ大きいのです。

しかしながら私は胸の大きさで人の価値を決める矮小な精神を持っていません!

何事も大は小を兼ねると思うなよ、変態共!!

そんな私はイカレてるかイカレてないかで人の価値を決めるキチガイです、と。

妹「おにいちゃん。今度はあそこに行ってみましょう!」

心なしか、今日会ったばかりの頃よりも積極的になったような気がします。

さっきまで曇っていた顔色も少しずつ晴れやかになっていきます。

本屋を出た後に立ち寄ったシルバーアクセサリーのお店では静電気に苦しめられました。

妹「おにいちゃんには似合わなそう」

私「偽妹ちゃんには似合わなそう」

妹「ですね」

私「ね」

それから偽妹ちゃんの要望により坂を上ることにしました。

私「この上って何があるの?」

妹「わからないから上るんですよ♪」

私「偽妹ちゃんは登山家?」

妹「違いますよー。普通の女子高生ですよ」

私「……」

最近の女子高生は危ないとマスコミが勝手に報道していますが、彼女は違う意味で危ないです。

演技で純粋な女の子を装っているなら大抵の男はホイホイ食いつくでしょう。

しかし素で純粋な女の子をやっているなら少し危うい気がします。

まあ私の勝手な考えですけどね。

――願わくは、彼女の純粋さが演技でありますように。

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