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昔話『笑年傷女』 7

前回のあらすじ

打ち切りだと思った奴は手を挙げろ。

もう面倒くさいから人生打ち切ろうぜ。



T「うっし。そろそろ戻るかー」

私「あっちー。汗やばいよ」

R「今日もかなり殴られたなぁ……」

私達はいつもの屋上を出て階段を下りていきます。

いつもなら私達三人しかいませんが、最近はもう一人います。

女「Rは守りに徹しすぎ。もっと自分から手を出さないと」

R「わかってるよ。でもTの拳が速くて重くて怖いんだよ」

T「才能と努力の差だな」

女「それでも男なら突っ込みなさいよ」

私(なにそれ卑猥……)

私は黙って話題がこちらに振られないことを願っていました。

しかし無意味でした。

女「それから××××」

私「なに?」

彼女はしっかりと私の目を見て話します。

おまけに名前まで呼んでくれるようになりました。

出会ったばかりの時からそれほど時間が経っていませんが、それでも随分と良くなったものです。

女「あんたは頭がおかしいの?」

私「……パンチドランカーになるほど殴られてないけど」

女「そういう意味じゃないわよ」

そう言いながら心底呆れたようなため息をつきます。

女「殴り合ってる時に笑うっておかしいでしょ」

私「えー。おかしくないよ」

R「いやおかしい」

T「ああ狂ってる」

私「殴り合ってると脳内麻薬出まくるだろ。超気持ちいいってなるだろ。そしたら笑うしかないだろ!」

T「そんなことよりアイス食べたいな」

R「俺ガリガリくん」

女「あたしスイカバーがいい」

私「……」

必死の説明も虚しく、アイスの話で盛り上がり始めました。

最終的に私も参戦して「ガリガリくんの味で一番美味しいのは何か」ということで激論を交わしました。

Tは笑います。

Rは笑います。

私は笑います。

女は笑います。

なんて楽しい日常なのでしょう。

何とも言えない清々しい気分です。

教室に戻ってきた私達は扉を開きました。

すると、傷女の机の上にモノが置いてありました。

それは――。
































菊が活けられた花瓶
































最初にTが動きました。

近くにあった机を蹴り飛ばし、彼女の机上にあった花瓶を床に叩きつけました。

付近の女子が悲鳴をあげ、男子は呆気にとられていました。

次にRが動きました。

Rは鬼気迫る表情で「誰がやった!?」と叫び続けます。

しかし男も女も誰も答えようとしません。

誰も関わろうとしません。

このクラスの問題について無関心を装っているのです。

だから嫌なんだよ、お前らは。

女に花を贈るなら真っ赤なバラでも贈っておけよ。

格好つけとかナルシストとか笑われてもいいからその人が喜ぶものを贈れよ。

それがダメならその人が好きな花を贈れよ。

菊の花なんか贈るなよ。

空気読め。

死ねよ。

ドラマの脚本家気取りか?

今どき机の上に花を置くシナリオなんてボツに決まってんだろ。

殺すぞ。

花贈りたいならあいつに似合う花を贈ってやれよ。

あいつに似合うのは菊じゃなくて彼岸花だろ。

同じ死を連想させるものだけど、あいつに似合うのは彼岸花だよ。

そして私は――。























私「おーい」

女「変態」

私「せめてキチガイと呼んでくれ」

女「女子トイレに踏み込む奴は変態って言うんだよ」

私「日常的に腕を傷つける奴のことをリストカット常習者って言うよ」

私達の間に沈黙が流れました。

長い沈黙でした。

そして彼女は決断しました。































女「決めた。ぶっ壊す」






















私「手伝うよ」






















女「なんであんたが……」




















私「だって私達は――」



























友達だから。

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