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昔話『あの日見た花の名前を私達は忘れない』15

前回のあらすじ

Q:あなたの好きな人が同性愛者だったらどうする?

A:



私「お待たせしました」

私が駅に着くと、先輩はあの日のようにベンチに横になっていました。

そしてあの日と同じように白いゆるふわのワンピースを着ています。

やっぱりこの人にはゆるふわした白い服が似合うと思いました。

先輩は私の姿を確認すると、不機嫌そうな顔で言いました。

先「遅い」

私「ごめんなさい」

先「女の子を待たせたらいけないんだよ」

私「そうですね。ごめんなさい」

先「なんで謝るの……」

私「女の人を待たせてしまったからです」

先「急に呼び出したのは私の方なんだよ。そういう時は謝らなくてもいいんだよ」

私「うーん……そんなもんですか?」

先「そうなの! もういいから家まで送ってよ……」

そう言って先輩の手が私の方へ伸びてきました。

私は彼女の手を取ってベンチから立たせてあげます。

そしてそのまま手と手を取り合ったまま先輩の家がある方向へと向かって歩いていきます。

改札を抜けてきた会社員や改札を抜けていく学生たちが私達を横目に見ていました。

私はいろんな視線を無視して考えことをしていました。

ねぇ先輩。

どうしてそんなに辛そうなんですか?

どうしてそんなに泣きそうな顔をしているんですか?

でも私は何も聞きません。

何があったかなんて聞かなくても分かってしまうのですから。

やっぱり私はラブコメの主人公には向きません。

私(他人からの視線ばかり気にして生きてきたからかなぁ)

まあ、今は私の過去を振り返っている時ではありません。

先輩の家に着くと、彼女は先ほどと打って変わって底抜けに明るかったです。

先「ありがとね、みりんちゃん」

私「いえいえ。先輩の頼みを断らないのが後輩の役目ですから」

先「みりんちゃんは良い子だねー。そんな子にはご褒美をあげようかな」

私「何でもいいんですか?」

先「うん。ちょっとエッチなことからすごくエッチなことまで今日だけはいいよ」

私「……」

理性と本能の間で揺れ動きながらも決断を下しました。


















私「無理しないでください」















先「みりんちゃん。女の子を待たせたらいけないんだよ……」
















私「はい」
















先「でも女の子を泣かせるのは……もっといけないんだよ……」

















先輩の目から大粒の涙が落ちていきます。

こんな時、ラブコメの主人公に向いている人ならどうしたのでしょうか。

もし私がカッコイイ男の子ならこの人の頭を撫でて慰められたでしょうか。

もし私がカワイイ女の子ならこの人といっしょに泣いて痛みを分かち合えたでしょうか。

まあ、どちらも無理ですけどね。

私はラブコメの主人公に向かないどころか、精神が壊れてしまっています。

精神が壊れているから人の心の痛みが分からないのです。

人の心の痛みが分からないから簡単に人を傷つけてしまうのでしょう。

私(見苦しい言い訳だよね……)

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