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昔話『あの日見た花の名前を私達は忘れない』16

前回のあらすじ

女の子を待たせてはいけません。

女の子を泣かせてはいけません。



私「……」

先「ごめんね」

私「大丈夫です」

先「なんか、こうカッとなってやってしまったというか……」

私「理性を保ったままやってたらもっと怖いです」

先輩が泣き始めてから何があったかを一言で説明すると、押し倒されました。





















そして頭上からグーパンチを浴びせられました。





















総合格闘技の試合のような感じですね。

転ばされてからマウントパンチ連打という流れに似ています。

しかしレフェリーがいないから止めに入ってくれる人がいませんでした(´・ω・`)

私「けっこう……激しいんですね……」

先「みりんちゃん。それセクハラだよ」

私「痛い……初めてだったのに……」

先「……」

私「ごめんなさい。調子に乗りました」

怖くて目が合わせられません。

先「いいよ。許してあげる」

私「先輩……」

先「それがみりんちゃんへのちょっとエッチなごほうびだよ♪」

私「……」

一生に一度体験できるかできないかのチャンスをこんなところで使ってしまいました。

ドラゴンボールのお願いで「ギャルのパンティおくれー!!」と言うようなものですよ。

ああ、あんなことやこんなことを楽しもうと思っていたのに……。

その落胆の表情が分かったのか、先輩はニヤニヤ笑って聞いてきます。

先「そんなに私とエッチなことしたかったの?」

私「先輩にミニスカサンタコスを着て外出してもらいたかったです」

先「残念だったね。でも季節外れ過ぎない?」

私「そこがまたいいんですよ。冬でもないのにあの人何やってんのって視線にさらされる先輩を見たかったんです♪」

先「ドSだー」

理解しています(・∀・)

ひとしきり笑い合った後、私は時間を確認してから立ち上がりました。

私「そろそろ帰りますね」

先「今日はありがと。みりんちゃんも無理しないでね」

私「無理なんてしてませんよ」

何を無理していると言うのでしょう。

先輩はそれ以上何も教えてくれそうにないので黙って玄関に向かいます。

玄関で靴を履きながら私は言い忘れたことを思い出しました。

私「あ、そうだ。あの問題の答えをまだ言ってませんでしたね」

先「もし、好きな人が同性愛者だったら?」

私「それです」

先「聞かせて」

















私「たとえ同性愛者でも愛しますよ」

















先「自分のことを好きだと想ってくれるか分からないのに?」

















私「それでもいいです。想うことは自由ですから」















想うことは自由です。

相手が自分のことを想ってくれなくても別にいいです。

それでも想うことは自由ですから。

しかし、その人のことを想いすぎるあまり犯罪に手を染めてしまうのはいけないと思います。

ストップ! ストーカー!!

あれ、何か違いますね。

先「みりんちゃんならそう言うと思った」

私「考えが単純なんですよ」

私はヘラヘラ笑って手を振ります。

私「さよなら」

先「またね」

私は部屋のドアが閉まるのを確認してから歩き始めます。

このまま自宅に向かおうかと思いましたが、私の足は別の場所に向かっていました。

私(想うことも思うこともその人の自由だよねー)

それなら想わないことも自由ですよね。

私が友人のことを友達と思っていないように――。

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