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少しイカレてるくらいがちょうどいい
『斜陽』 太宰治 



元華族の母と私は敗戦後、財産を失い、伊豆の山荘へ移る。

最後の貴婦人である母と離婚を経験して慣れない畑仕事に精を出す29歳の私。

復員した麻薬中毒の弟は無頼の作家上原二郎のもとを頻繁に訪れる。

一家族の滅びと再生の物語。戦後の太宰の代表作。

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『モモ』 ミヒャエル・エンデ 訳:大島かおり



町はずれの円形劇場あとにまよいこんだ不思議な少女モモ。

町の人たちはモモに話を聞いてもらうと幸福な気持ちになり、互いに助け合いながら友情を育んでいた。

そこへ「時間どろぼう」の灰色の男たちの魔の手が忍び寄る。

「時間」の価値やその使い方について問う名作。


とてもおもしろかった。

時間に追われて忙しさで文字通り「心を亡くす」という風刺は現在はもちろん、未来にも通じてしまうところがまた……。

時計の国のどこにもない家へ向かうための道案内役が時間を気にしてせかせか急いでいる人々とは対照的にゆっくり歩く亀が担っているというのも好き。

亀は万年生きるということからの選定かな?

メッセージは子どもにもわかりやすい形で描かれているのに物語性も損なわれていない。

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『折れた竜骨』 米澤穂信 東京創元社



ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。

その領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。

ファルクはアミーナの父に、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に命を狙われている、と告げた…。

自然の要塞であったはずの島で暗殺騎士の魔術に斃れた父、“走狗”候補の八人の容疑者、いずれ劣らぬ怪しげな傭兵たち、沈められた封印の鐘、鍵のかかった塔上の牢から忽然と消えた不死の青年。

そして、甦った「呪われたデーン人」の襲来はいつ?

魔術や呪いが跋扈する世界の中で、「推理」の力は果たして真相に辿り着くことができるのか?

現在最も注目を集める俊英が新境地に挑んだ、魔術と剣と謎解きの巨編登場。

第64回日本推理作家協会賞受賞

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『いまさら翼といわれても』 米澤穂信 角川文庫



「ちーちゃんの行きそうなところ、知らない?」

夏休み初日、折木奉太郎にかかってきた“古典部”部員・伊原摩耶花からの電話。

合唱祭の本番を前に、ソロパートを任されている千反田えるが姿を消したと言う。

千反田はいま、どんな思いでどこにいるのか。

会場に駆けつけた奉太郎は推理を開始する。

千反田の知られざる苦悩が垣間見える表題作ほか、謎解きを通し“古典部”メンバーの新たな一面に出会う全6編。

古典部シリーズ第6弾!



合唱祭の本番を前にソロパートを任された千反田えるが姿を消した。

折木は会場にかけつけて彼女がどこへ行ったのかを推理する。

折木が省エネ主義を掲げるきっかけ、千反田の苦悩、伊原の決意などメンバーの新たな一面に出会う6編。

同作者の日常ミステリの小市民シリーズよりも古典部シリーズの方が好き。

伊原の漫研の話は創作する人には刺さるんじゃないかな(ミステリとしてはちょっと弱いとも思ったけど)。

折木が省エネ主義を掲げるきっかけとなった事件もリアリティがあって痛い痛い。

それでも困っている人を助ける優しさは健在。

名家の生まれではないですが、田舎で生まれ育った私には千反田の苦悩がわかりすぎて辛かったです……。

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『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』 佐藤友哉 講談社



妹が首を吊った、とイカレた母親からの電話。

愉快そうな侵入者は、妹の陵辱ビデオを見せたうえ、レイプ魔たちの愛娘がどこにいるか教えてくれる。

僕はスタンガンを手に捕獲を開始。

でも街には77人の少女を餌食にした“突き刺しジャック”も徘徊していたー。


妹がレイプされて自殺した。

その様子が映るビデオと犯人たちの娘の写真と行動表を見知らぬ男から渡された僕。

すぐに犯人たちの娘の捕獲を開始する。

巷では突き刺しジャックが少女を殺していた。

突き刺しジャックの視覚とある女性の視覚が接続してしまう。

第21回メフィスト賞受賞作。

どんな結末を迎えるんだろうと思っていたら思いもしないところに落ち着いて驚いた。

かなり好みが分かれそう。

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本『夜行』 森見登美彦 小学館文庫




「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」

私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。

十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。

十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。

夜が更けるなか、それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。

私たちは全員、岸田道生という画家が描いた「夜行」という絵と出会っていた。

怪談×青春×ファンタジー、かつてない物語。

つづきはネタバレ注意



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『恋と禁忌の述語論理』 井上真偽 講談社文庫



雪山の洋館での殺人。

犯人は双子のどちらか。なのにいずれが犯人でも矛盾。

この不可解な事件を奇蹟の実在を信じる探偵・上苙丞(うえおろじょう)が見事解決

ーーと思いきや、癒やし系天才美人学者の硯(すずり)さんは、その推理を「数理論理学」による検証でひっくり返す!!

他にも個性豊かな名探偵たちが続々登場。名探偵を脅かす推理の検証者、誕生!

毒殺か事故か、不特定多数の中で誰が犯人か、犯人は双子の姉か妹か。

主人公は片田舎に一人住む美叔母の硯さんのもとを訪れる。

美しき数理論理学者がすでに名探偵たちによって解決された事件の推理の真偽を華麗に証明する。

第51回メフィスト賞受賞

つづきはネタバレ注意



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『宵山万華鏡』 森見登美彦 集英社



祇園祭前夜。

妖しの世界と現実とが入り乱れる京の町で、次々に不思議な出来事が起こる。

登場人物たちが交錯し、全てが繋がっていく連作中篇集。

●祭りの雑踏で、幼い妹が姿を消した。

妹は神隠しに遭ったのか、それとも…?「宵山姉妹」「宵山万華鏡」

●乙川は≪超金魚≫を育てた男。

大学最後の夏、彼と宵山に出かけた俺は、宵山法度違反で屈強な男たちに囚われてしまう。

襲いくる異形の者たち。

彼らの崇める≪宵山様≫とは一体…?「宵山金魚」

●期間限定でサークル≪祇園祭司令部≫を結成したヘタレ学生たち。

彼らは、学生生活最後の大舞台を祭の最中に演じようとしていた。「宵山劇場」

●宵山の日にだけ、叔父さんは姿を消した娘に会える…。「宵山回廊」

●目が覚めると、また同じ宵山の朝。男は、この恐ろしい繰り返しから抜け出すことができるのか…?「宵山迷宮」



宵山良いとこ一度はおいで。

寄り道してしまった姉妹、あらゆる試練を乗り越えた超金魚、阿呆を騙そうとする阿呆共、空飛ぶ緋鯉、繰り返される宵山、消えた水晶玉、宵山名物孫太郎虫、宵山様、赤い浴衣の少女たち。

幻想と現実が入り乱れる、万華鏡のように多彩な連作短篇

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『体育館の殺人』 青崎有吾 創元推理文庫



風ヶ丘高校の旧体育館。

放課後、放送部の少年が刺殺された。

密室状態の体育館にいた唯一の人物、女子卓球部部長の犯行だと警察は決めてかかる。

卓球部員・柚乃は、部長を救うために、学内一の天才と呼ばれている裏染天馬に真相の解明を頼んだ。

アニメオタクの駄目人間に――。

“平成のエラリー・クイーン”が大幅改稿で読者に贈る、第22回鮎川哲也賞受賞作。

裏染天馬シリーズ第一弾。




高校の体育館で刺殺体が発見。

密室状態の体育館にいた唯一の人物に容疑がかかる。

その容疑を晴らすために学内一の天才と呼ばれる裏染天馬に真相解明が託される。

だが彼は校内に勝手に住み着くアニメオタクのダメ人間だった。

もともとラノベの新人賞に送っていた人らしくて文体はわりと軽めでサクサク読める。

探偵もオタクなのでアニメや漫画のパロディがたくさん出てくる。

数十人いる容疑者を論理的なアリバイ崩しでどんどん犯人を絞っていき、最後に読者への挑戦状が出されるスタイ。ル

平成のエラリイ・クイーンという売り文句でデビューした著者の評価が妥当なのか過大なのかわからないけれど、少なくとも続編を読んだり他の作品を読んだりしたいとは思える出来だった。

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『陽気な死体は、ぼくの知らない空を見ていた』 田中静人 宝島社文庫



「明日雨が降ったら、お父さんを殺す」

小学五年生の大地は幼馴染の少女・空からそう言われた。

翌日、雨は降り、空は予告通りに父を殺した。

さらに空の兄の悟も殺してしまう。

大地は空と共に、悟の死体を地中に埋めた。

その翌日、大地の前に悟が霊体となって現れた。

悟はなぜ自分が殺されたのか。

なぜ霊体の姿で現世に止まっているのか。

なにも分からないと言う。

それ以降、大地の周囲でさまざまな事件が起こるようになった。

空とも大地とも仲良しの少女・光の下着が水泳の授業中に盗まれる。

チャボが猫に襲われる……。

そして光と空の歪な関係が明かされる……。

さまざまな事件の真相は?

彼らの過去に何があったのか?

『このミステリーがすごい! 』大賞・幻の応募作品が“超隠し玉”として、まさかの刊行!

つづきはネタバレ注意



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