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本『午後の曳航』 三島由紀夫

『午後の曳航』 三島由紀夫 新潮文庫



船乗り竜二の逞しい肉体と精神に憧れていた登は、母と竜二の抱擁を垣間見て愕然とする。

矮小な世間とは無縁であった海の男が結婚を考え、陸の生活に馴染んでゆくとは……。

それは登にとって赦しがたい屈辱であり、敵意にみちた現実からの挑戦であった。

登は仲間とともに「自分達の未来の姿」を死刑に処すことで大人の世界に反撃する――。

少年の透徹した観念の眼がえぐる傑作。


とてもおもしろかった。

観念の異なる三者それぞれの視点で物語が描かれ、夏が終わり冬を迎えた時にその関係性や価値が変わった瞬間、狂気を帯びた少年たちの残酷な選択はゾクっとした。



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