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本『儚い羊たちの祝宴』 米澤穂信

『儚い羊たちの祝宴』 米澤穂信 新潮文庫



夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。

夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。

翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、四年目にはさらに凄惨な事件が。

優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。

甘美なまでの語り口が、ともすれば暗い微笑を誘い、最後に明かされる残酷なまでの真実が、脳髄を冷たく痺れさせる。

米澤流暗黒ミステリの真骨頂。




夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。

身内の不幸が毎年続いて合宿へ行けない会員。

鍵のかかった館へ移り住んだ少女。

誰も来ない山荘の管理人となった女性。

お嬢様に尽くす使用人。

荒れ果てたサンルームで見つけた手記。

「バベルの会」にまつわる邪悪な五つの事件。

狂気と黒い笑いをはらんだ作品。

読む人の心に黒い影を落とすのに、どうしても引きつった笑みを浮かべてしまうおもしろさがある。

作風は違うけど、江戸川乱歩の怪奇短編小説を読んだ時の読後感に近いものを感じた。

心からおもしろいと思える素晴らしい作品だったのでオススメ。

北の館に住むことになった女性の話と「始めちょろちょろ中ぱっぱ」の話が好き。

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