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少しイカレてるくらいがちょうどいい
前回のあらすじ

死にたがりのできあがり。

死にぞこないができるまで――あとわずか。

ありすが死んでから一週間ほど経ち、私はいつも通り学校に通っていました。

私は学校に登校すると、学校の屋上でTとRといっしょにボクシングをします。

それから他愛もない話をしながら教室へ戻ります。

自分の席に座ると、窓の外を眺める女の子にあいさつします。

機嫌が良ければ顔を合わせて挨拶を返してくれます。

機嫌が悪ければ顔を合わせることも挨拶を返してくれることもないです。

それに対して私は愛想笑いを浮かべるか、苦笑いを浮かべます。

いつも通りの私の日常です。

私(いつも……通り……?)

いつも通りって何でしょう。

ここにはTがいて、Rがいて、×××がいて、私がいます。

みんなイカレてます。

けれど、ここにありすはいません。

それはそうです。

ありすとは違う学校ですから。

まあ笑えない冗談はさておき、彼女はもう死んでいるのです。

私(いつも通りの日常……)

ありすの死を忘れてはいません。

かといって学校を休むわけにもいきません。

人が一人死んでも世界は何も変わらないとはこのことですね。

しかし、すべてが変わらない訳ではありません。

人一人の死で世界は変わりませんが、人一人の心は変えられると思います。

あの日、私の中である変化が起こりました。

家族に傷つけられても、教師に精神を破壊されても、友人たちに裏切られても、いじめっ子に陰湿ないじめを受けても……私は死にたいとは思いませんでした。

しかし、今の私は死にたいと思っています。

心の底からこの世界で生きていたくないと考えています。

ありすの死によって私は死にたがりになりました。

ありすは私に依存していました。

それはほぼ事実です。

私もありすに依存していました。

これは事実です。

さて、死ぬと決めたなら早速行動しましょう。

私は授業中に保健室に行きたいと言って教室を出ました。

それから体調が悪いふりをして歩いていきます。

向かった先は保健室ではなく屋上でした。

最初はありすと同じように交通事故死も考えましたが、近場で簡単に済ませられる死に方に定評のある飛び降り自殺に決めました。

そうこうしているうちに屋上に着きました。

今日の朝もここでボクシングしたことを覚えています。

私がここから飛び降りたら屋上は閉鎖されるかもしれません。

ごめんなさい、TとR。

私たち三人の思い出の場所を汚すような真似をしてしまいます。

それでも私は……ありすなしの日常なんて考えられないのです。

私は靴を脱いで綺麗に並べてそろえます。

そして屋上の手すりに手をかけました。

私「さよなら」

















ドサッ!!













予定ではもっと時間をかけて落下するはずでした。

しかし落下は一瞬でした。

なぜなら私は柵の外側に落ちるのではなく、内側に落ちてしまったのですから。

私「痛い……」

屋上のコンクリートに思い切り頭を打ちつけました。

せっかく大空へ飛び立とうとしていたのに、誰かさんに邪魔されてしまいました。

そのままの体勢で空を見上げると、TとRの顔が空の半分を埋め尽くしました。

T「馬鹿。何やってんだ」

R「ホントだよ」

私「人間は鳥になれるか否かの実験を……」

T「なれねーよ!!」

R「嘘はよくないなぁ」

私「……」

二人にはありすのことを話していません。

話す気もありません。

何も言わずに二人の顔を見つめます。

T「死ぬな」

Tは言いました。

R「死んだらダメだよ」

Rは言いました。

私「死にたい」

私は言いました。












ドカッ!!













私「いってぇ……」

Tに思い切り顔を殴られました。

T「約束しろ」

私「何を?」

T「もう自殺なんてするな」

私「えー。私は死にたいんだよ。生きていたくないんだよ」















バキッ!!

















私「痛いなぁ。自殺する前にTに殺されるよ」

T「約束しろ!!」

R「自殺だけはしないって」

私「わかった。約束する。自殺はしない」



















まあ嘘だけどね。






















それからTとRは教室に戻りました。

自殺未遂したばかりの人間を屋上に一人残して帰ってしまうとは、なんて愚かなのでしょう。

私「わけのわからない約束を守っている私はもっと愚かだけどねー」

×「そうね」

私「あはは」

TとRの代わりに×××がやってきました。

私のクラスメイトで、隣の席の女の子です。

×××というのは本名ではありません。

私が彼女につけてあげたニックネームです。

×××の中に入る三文字は――ここでは明かしません。

特に意味はないですよー。

意味のない伏線をはって何の意味があるんですか?

まあ、時には意味のない伏線を張るのもありですよね(・∀・)ネー

それが人生というものなのです。

まあ嘘ですけどね。

ありすの口癖は私が肩代わりしましょう。

肩代わりだと借金みたいで印象悪いですね。

ここは「語り継ぐ」とか「ありすの遺品」とか「ありすは私の中で生きている」とか「騙り継ぐ」とかにしておきましょう。

四つのうち二つは、なんとなく使いたくない表現ですね。

ちなみに私の本名は××××です。

まあ、こっちはどうでもいいですね。

私「キチガイから死にぞこないの死にたがりにジョブチェンジしたみたいだ」

×「むしろ属性を増やしただけじゃない」

私「そうかもね。これで×××といっしょだ」

×「あんたと一緒にしないでくれない? キチガイ」

私「ごめんなさい」

そうでした。

×××は死にたがりではありますが、死にぞこないではありません。

今のところはですけどね。

×「どうして死のうと思ったの?」

私「生きていたくなかったから」

ありすのいない世界で。

×「ふーん。ま、どうでもいいけど」

私「×××みたいにリストカットデビューしようかな」

キャラ被りはいけませんよ。

×「アホ」

私「まあ嘘だけどね」

笑えない。

×「もう死にたいとか思わないの?」

私「自殺はしないという約束をしちゃったからね。でも、死にたいという気持ちは消えてないよ」

気が向いたらまたやるかもしれません。


















×「もし今度死にたくなったらあたしに言ってよ。あたしがあんたを殺してあげる。あんたを殺してあたしも死ぬから」

私「その時はよろしく、×××」

その日私は二つの大切な約束を交わしました。

その約束が破られる日と実現される日はやってくるのでしょうか。

私「イカレてるよね」

私はポツリと言葉をもらしました。

おわり

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