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昔話『SuicideJetCity』 4

前回のあらすじ

図書館であった不思議な女の子――ありす。



ありすと初めて出会った次の日、私は学校が終わるとすぐにその足で図書館に向かっていました。

親友二人に街の裏通りにあるバー『しおいぬ。』に行こうと誘われましたが、断りました。

×××は睨みつけてきましたが、何も言わずに去りました。

私(本当に来てるのかなぁ)

半信半疑ながらも私は図書館の玄関前までやってきました。

玄関前のベンチには見覚えのある容姿をした女の子が座っています。

私「あ……」

今日も彼女は全体的に黒い服装をしています。

服が黒いせいか、彼女の肌は際立って白く見えます。

「驚きの白さ!!」とはこういう時に使う言葉なのかと一人納得していると、女の子が私の元に近づいてきます。

あ「遅いよ」

いつからそこにいたのか分かりませんが、彼女の肌は少しだけ汗ばんでいました。

私「ごめん。でも今日会うことは約束してたけど、時間までは決めてなかったから……」

私が見苦しい言い訳をすると、女の子は何事もなかったように言います。

あ「早くお話しようよ」

それから私達は毎日のように図書館で話をするようになりました。

私が図書館にやってくるとすでに彼女の姿はありました。

どんなに速く図書館に向かったとしても、いつも彼女の方が先に着いていました。

私「いつも君の方が早いね」

私は彼女に会うたびに言いました。

あ「君じゃなくてありすって呼んでよ」

ありすは私に会うたびに訂正してきました。

次の日も、そのまた次の日も、私が図書館に行くとありすはすでにいました。

あ「コナン・ドイルは『シャーロック・ホームズ』もいいけど『失われた世界』の方がおもしろいよ」

私「おもしろいよね。ミステリーが好きなの?」

あ「ううん。嫌い」

私「無理に読まなくてもいいんじゃないかな。私もあんまり好きじゃないよ?」

あ「好き嫌いはいけないよ、××××」

私「食べ物じゃないんだから……」

あ「でも読まずに嫌いって言うのは失礼でしょ?」

私「そうかな」

あ「そうなの!」

いつの間にか私は本を借りるためだけでなく、ありすに会うために図書館へ通うようになっていました。

その頃にはすでに彼女の名前を呼ぶことに躊躇しなくなっていました。

私が図書館に着くまでの間、ありすはよく本を読んで待っています。

そして私が来たことを確認すると、いつも笑いかけてくれるのです。

私「またありすが先だね」

あ「女の子を待たせちゃだめだよ。ホームズみたいになれないよ」

私「ミステリー嫌いなんでしょ?」

あ「ホームズは好き」

私「なにそれ」

あ「まあ嘘だけどね」

私「どっちだよ……」

ありすはよく嘘をつきました。

彼女の話は大半が嘘で構成されています。

それでも一部には真実が隠されていると彼女は言うのです。

あ「ワトソンくん。この謎を解いてみたまえ」

私「助手扱いか」

あ「××××は助手じゃないよ」

私「じゃあ何?」

あ「わたしを不思議の国へ導いてくれるうさぎ」

私「……頭大丈夫?」

あ「まあ嘘だけどね」

ありすはいつものように笑って言いました。

「まあ嘘だけどね」

これが彼女の口癖でした。

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