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昔話『SuicideJetCity』8



土曜日、午前中で学校が終わってからすぐに図書館へ行きました。

今日は以前から約束していたありすといっしょに遊びに行く日です。

私がいつもありすが座っている席までやってきました。

しかし、いつもの席にはありすではなく禿げたおっさんが座っていました。

私「……」

ある朝起きると毒虫になっていたというお話があることを思い出しました。

しかし今この状況でそのお話は関係ありません。

ありすが先に着いていないこともあるんだなぁと思いながら場所を移動しました。

疑問に感じることなど少しもありませんでした。

図書館一階をぐるぐる~と回っていないことを確認したのち、私は玄関前のベンチに座って待ちました。

私「……」

今なら黒ヤギさんか白ヤギさんの気持ちがわかると思った私はれっきとした人間です。

人間がヤギの気持ちなど分かるわけがないでしょう。

というよりも、わかってたまるかボケェといった感じです!!

ヤギも人間なんぞにわかられてたまるかテメェ~と思っていることでしょう。

以上、世界の中心からかなり外れた街でイカレた私の叫びです。

私(ヤギの気持ちどころか同じ人間の気持ちも分からないんだから……)

ベンチに腰掛けながらため息をつきます。

夏休みが終わり、二学期が始まってからしばらく経ちました。

もうすぐ街全体が真っ赤に染まっていきます。

突如現れた心臓マスクを被った魔法使いが街の人間を血祭りにあげるからではありませんよ?

この街は秋になると紅葉が見られます。

老い先短いようで実際は長そうな老人たちは小山に行ったり公園に行ったりして紅葉狩りを楽しみます。

表面的には仲が良さそうに見える親子連れは紅葉を拾って楽しんでいます。

街の裏通りに生息する変態達は「へへへ、こんなに色気づきやがって」と顔を真っ赤にさせて喜びます。

うーん、なんだか色々ものがイカレている気がします。

まあ、人間は少しイカレてるくらいがちょうどいいのです。

イカレた思考回路をショート寸前まで使っているのですが、なかなかありすがやってきません。

正午になってもやってこないので一度昼飯を食べるために家に戻りました。

それからまた図書館へ戻りました。

いつもの席に行ってみたら、禿げたおっさんから髪がふさふさのおっさんに変わっていました。

私(アートネイチャー……アデランス……まさかリーブ21がやったのか!?)

といったアホな思考は借りた本といっしょに返却しましょうね。

返却期限を過ぎたらダメですよー?

まあ、思考回路は他人から借りたものではなく自分が作り出したものだから無理ですけどね。

返したくても返せないのです。

私(私の壊れた精神もありすの壊れた脳も返却できないんだよ)

うぇー。

なんだか昼飯に食べたインスタントラーメンが逆流しそうな勢いですよ。

後始末は図書館司書さんにお願いしたいです。

私(笑えない……)

これ以上面倒な思考を繰り返すのは嫌なので本を読んで待つことにしました。

しかし落ち着いて読むことができないので新聞コーナーへ行きます。

最初に目についたローカル新聞を読み始め、色々な情報が私の中に入ってきました。

そしてその情報の中には、私が知りたくなかったものまでありました。

新聞を置いて図書館を出ました。

目から涙が出てきましたが気にせず歩きます。

私「笑えないよ……ありす」

いつもの嘘だと思いたかったです。

しかし、それは嘘なんかではありませんでした。

ありすがこの世からいなくなったというのは紛れもない事実でした。

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