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少しイカレてるくらいがちょうどいい
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前回のあらすじ

『先輩』

・得意料理

肉じゃが

・バストサイズ

推定Cカップ

・酒での失敗

ひみつ

・性的嗜好

バイセクシュアル(元レズビアン)


『私』

・得意技

回し蹴り

・バストサイズ

育成中

・酒での失敗

内臓破壊

・性的嗜好

異性愛者



拍手[4回]





現代の日本は晩婚化が進んでいると、テレビの情報番組の司会者は言っています。

Wikiによりますと、世間一般の平均初婚年齢が以前と比べて高くなる傾向を指す言葉だそうです。

晩婚化が進んだ結果、結婚に関する新たな商売も生まれました。

それが婚活ビジネスというもので、その代表例が「婚活パーティ」です。

男と女を一つの会場に集め、飲んだり食べたり喋ったりすることで親交を深め、そこで気に入った相手を見つけたらプライベートで出掛けたり交際したりするそうです。

婚活経験者の知人に聞いたところ、多くのパーティ参加者の目標は、男女共に「金がある」「将来性がある」そんな相手を見つける事だそうです。

人間だれしも「ない」よりは「ある」方を選びたいですよね。

さて、日本には古くから結婚に関するこんな格言があります。

「年上の嫁は金の草鞋を履いてでも探せ」

「悪い事は言わないから、嫁にするなら年上の女にしとけ。な?」みたいな意味だと思います。

ある日、私はこの言葉の意味について考えてみました。

特に考えなければいけない理由があったわけではないのですが。

そして私は、隠された重要なメッセージに気づいてしまいました。

晩婚化が進むと、世の中には婚期を逃して年齢を重ね続ける女性たちが出てきます。

世の男達は、三次元の若い女や二次元の嫁を追いかけているから三次元の年増女性には目もくれません。

女性は、年を越すごとに結婚できるか否かの不安や焦りが増えていきます。

悩める女性たちは焦ります。

「このまま結婚できないのはヤバくね?」

「良い男は若い女に取られるし、このままだとヤバくね?」

そこで若さを失った女性たちは考えました。

男達に年上女に手を出させる方法を――。

そうして創り出された言葉が「年上の嫁は金の草鞋を履いてでも探せ」でした。

私「つまりこれは、近年の晩婚化を予期した先人たちの予言だったのです!」

先「……」

私「……」

先「ごめん……意味が分からない……」

私「すみません。自分でも何言っているか分からないです」

私と先輩は居酒屋を出て夜道を歩いていました。

酒の飲み過ぎで酔っ払っている先輩は、歩くのも危ういという状態です。

あっちにふらふら。

こっちにふらふら。

さながらマーキングする電柱を探す犬のようです。

あまりにも危険なので途中から肩を貸して歩きます。

先輩が寝ないように思いつくまま話をしていたのですが、自分でもよく分からない事を口走っていたようです。

私「大丈夫ですか?」

先「……うん」

私「結婚したいなら同性婚が認められている国に行きますか?」

先「んー」

パッと思いついたのはフランスです。

いいですね、フランス。

先輩がフランスで結婚式を挙げるならぜひ行きたいです。

私「いつか日本でも同性婚が認められる日が来ますかね」

先「んーどっちでもいいかなー」

あら、意外ですね。

私のフランス行きはなくなりました。

まあ、フランス行きはまた別の機会に……あったらいいなぁ。

先「今は結婚よりも就職が優先」

私「それもそうですね」

先「でも、恋人は欲しい! みりんちゃん良い人紹介して!」

私「女ですか? 男ですか?」

先輩に紹介できそうな人の顔と名前をいくつか思い出します。

先「うーん、女の子かなー。男でも良い人がいたら試しに付き合ってみてもいいけど」

私「じゃあ、おっぱいが大きな年下の女の子はどうですか?」

先「きゃっほーい☆」

先輩は嬉しそうに声をあげて走り出しました。

夜の時間帯で車の通りが少ない場所とはいえ、酔っ払いを一人で行動させるのは危険です。

少し遅れて彼女を追いかけると、駅前の横断歩道の手前でうずくまっていました。

私「水いりますか?」

先輩は何やらぶつぶつと呟いていました。

顔を近づけて何を言っているのか聞いてみると……。

先「ぽこぺんぽこぺんだーれがつついたぽこぺんぽこぺん」

先輩。

この状況でなぜピッコロ大魔王のモノマネをするのですか。

いくら私がドラゴンボール好きだからとはいえ、この状況でそのチョイスはいけませんよ。

ここは「魔封波じゃあー!!」と亀仙人のモノマネした方がいいですか?

やめてください。

本当にやめてください。















先「ごめん……」

先輩は布団に横になってこちらに背を向けています。

私「いえ……間にあって良かったですね……」

私は向けられた背中をさすってあげます。

決してブラジャーのホックの位置を探しているわけではありません。

先「もう……お嫁に行けない……」

私(知らんがな)

婿を取ればいいんじゃないですかー、と適当に返しつつ、勝手に冷蔵庫を開けます。

ウーロン茶があったのでそれをコップに注いで枕元に置きました。

彼女は背中を向けたままです。

先「なんでお姫様だっこしたの?」

私「先輩が自分で立ってくれないからですよ」

アパートに着いてから先輩は玄関で倒れ込みました。

なんとか立たせようと試みましたが、生まれたての仔馬のように足をプルプルさせるだけで、一向に自分の足で立とうとしないので諦めました。

そこで私は、いわゆる“お姫様だっこ”で布団まで運んだのです。

先「重かったでしょ」

私「コツをつかめば簡単にできますよ」

重いことは否定できません!

すみません!

先「コツって?」

私「ある天才物理学者の言葉を念じながら持ち上げるんです」

先「え、天才物理学者? アインシュタイン?」

私「Why don’t you do your best?」

先「…………」

私「なぜべストを尽くさないのか?」

先輩は呆れたようなため息をつきました。

お姫様だっこのコツは、対象者を自分の体にしっかりと引きつけて、ゆっくり持ち上げることです。

腕の力だけで持ち上げることや一気に持ち上げようとすると腰を痛める可能性があるのでご注意ください。

あとは「当たれ。当たれ。おっぱい当たれ」という気持ちで引き寄せると、さらにやる気が上がります。

私「それに、昔やっていたアルバイト経験が活きました」

先「引っ越し作業?」

私「女性をお姫様だっこする仕事です」

先「嘘つき」

今ならオオカミ少年の気持ちに寄り添える気がします。

私「でも、お姫様だっこするとパワーボムをしたくなりますね」

先「パワーボムが何か分からないけど、もしやったらパイプ椅子で殴るからね」

先輩は笑いながら怖い事を言いました。

悪役レスラーですか?

ヒールですか?

先「ねぇ、みりんちゃん」

私「はい。何ですか」

先輩は背中をこちらに向けたまま話します。

彼女がどんな顔をしているのか分かりませんが、その声音から想像することはできます。

先「女の幸せって何だろうね」

私「……」

先「やっぱり結婚? あと出産?」

私「幸せって人それぞれ違いますから。別にしたくなかったらしなくても……」

先「したい」

私「え」

先「好きな人と結婚したい。ウェデングドレス着たい。新婚旅行も行きたい」

私「……」

先「好きな人との子どもがほしい。これは無理かもしれないけど……」

先輩の最後の言葉は、とても弱々しく聞こえました。

いつも明るく元気な先輩がこんな姿を見せるのは、元彼氏と別れた時以来でしょうか。

しかしあの時は、今ほど弱っていなかったように思います。

やはり実家からの電話が先輩を苦しめているのでしょうか。

そういえば先輩は、ご家族には同性愛者であることを公言していないと言っていましたね。

「結婚!結婚!さっさと結婚!」というプレッシャーをかける電話に打ちのめされてしまったのかもしれません。

私は彼女の背中をじっと見つめて、かけるべき言葉を探します。

先にブラのホックが見つかりました。

続いて「女の幸せ」に関する意見が見つかりました。

私「女の幸せって……朝起きて化粧をしないで家を出るギリギリまで寝られることじゃないですか?」

先「……」

反応がありません。

別にボケるつもりはありませんでしたが、無反応は少し辛いです。

私「あとは、月のアレがなくなって痛みを我慢する必要がなくなること?」

先「……」

やはり反応がありません。

言葉に出してから思いましたが、これってセクハラで訴えられますね。

先「確かに痛みがなくなるのは幸せだけど、齢をとるとなくなっちゃうから。それはそれで悲しいよね」

私「あー」

言われてみたらそうですね。

幸と不幸はコインの裏表のように存在するのですね。

私「先輩の結婚についてですが……偽装結婚なんてどうでしょうか」

先「ん。どういう意味?」

私「先ほど申し上げた通り、もしも先輩が女性と結婚するなら海外の同性婚が認められている国で結婚式をあげたらいいと思います」

先「うん」

まあ、日本でも同性同士で結婚式はあげられますけどね。

私「もしも先輩が男性と結婚するなら日本でも海外でも好きなところで結婚式をあげてください」

先「でも男を愛せるか分からない……」

私「そこで偽装結婚ですよ。例えば、ゲイの男性や社会的信用や世間体を気にする男を見つけて形だけでも良いから結婚して、夫婦になってもらえばいいんです。お互いの利益のための結婚です。あくまで戸籍上の夫婦です。だから夫婦になってもお互い別のパートナーを見つけてもいいですし、共に生活せずに別居したっていいわけです。これなら夫となる男性を愛することができなくても問題ないですよね?」

果たしてこれは結婚と言えるのか、果たしてそれは夫婦なのか、といった疑問は心の中にしまっておいてください。

人それぞれ判断が違いますから。

結婚したことがない私が言うのもなんですが、お互いが納得しているならいいのではないでしょうか。

犯罪目的の偽装結婚は別として。

先「子どもはどうするの? 相手がゲイならダメだし、普通の男でも私が愛せなかったら……」

私「代理出産や養子縁組制度を利用したらいいんじゃないですか?」

血のつながりだけが家族ではありません。

むしろ血がつながっていても家族と思えない時だってあります。

先「みりんちゃんは変わってるよね」

私「よく言われます」

先「それと優しいね」

私「私に手伝えることがあったら何でも言ってください」

先「ありがとう」

ようやく先輩は、こちらに顔を向けて話してくれました。

それにしてもゲロ臭いですね。

私「先輩。一つ聞いても良いですか?」

先「なに?」

















「たとえば人生にマニュアルがあったとして、先輩はそれを読みたいと思いますか?」















先輩は少し考えてから答えます。

先「それは全世界共通? それとも国ごとにマニュアルが?」

あまりに真面目な答えが返ってきたので少し驚きました。

以前から考えていたことですが、そこまで深く考えていませんでした。

私も少し考えてから答えます。

私「そうですね。国ごと、ですかね」

先「国ごとに用意されるとして、男性用と女性用の2種類?」

私「そうですね。マニュアルは個人個人に作られる物ではないですから」

先「じゃあ、読まない。たぶん、私には使えないだろうから」

どうしてかは聞くまでもありませんでした。

先「それにマニュアルがあっても、結局は自分好みの手を加えちゃうと思うよ。料理と同じで」

私「姉さん。ふわふわとろとろのオムレツが作れません」

先「ふっふっふ。妹はまだまだダメだなぁ。今度教えてあげる」

そう言って血のつながりのない偽姉は笑いました。

いつか先輩のことを幸せにしてくれる方が現れる事を心から願います。

同一シリーズの昔話 1 2 3 4 5 6 7


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