Date:2008/12/11 18:35
本 『ツインズ 続・世界の終わりという名の雑貨店』 嶽本野ばら 小学館
本『ミシン』収録作品『世界の終わりという名の雑貨店』続編。
青年が経営していた「世界の終わり」という名の雑貨店。
そこに現れた全身 VivienneWestwood のお洋服で固めた一人の少女。
その店を閉めなければならなくなったとき、二人は京都を出て津和野へ逃避行に出た。
クリスマスイヴであるちょうどその日、二人は初めて結ばれた。
何度もホテルのベッドで身体を交わらせることだけを続けた。
近いうちに買い物に出かけようと思っていたある日、逃避行は終わりを迎えた。
少女の家族から捜索願いが出されていて、警察が二人のいるホテルに駆けつけたのだ。
京都に連れ戻された少女は、精神科に入院した。
しばらくの間は、青年が家族の目を盗んで見舞いに来たが、少女の父親にバレてしまい、会うことを禁じられてしまう。
その後、彼女は、青年に遺書を遺して自殺した。
それを知った青年は、彼女の後を追うためナイフを購入した。
しかし、彼がそれを使って死ぬことはなかった。
そのかわり、現実から逃避するために複数の精神科に行って大量の睡眠薬を買い、それらを摂取して一日の大半を眠って過ごすようになった。
それ以外にすることと言ったら、彼女の遺書に対する返信。
青年は彼女が書いた遺書に対する小説のような返事を書いた。
そしてその文章を誰かに託そうと、『世界の終わりという名の雑貨店』という題名をつけて出版社に送った。
ある日、何の期待もしていなかった彼の元に一本の電話がかかってきて、出版をすすめられる。
京都にやってきた女性編集者と話し合いをして彼は出版することを決意する。
また、京都の街を離れて東京で暮らすことも決意した。
出版された『世界の終わりという名の雑貨店』は売れて、毎日取材を受けるようになった。
だが、次の作品を書くように編集者が頼んでも、次の小説の構想が全く浮かばない。
雑誌のエッセイは書けるが、新しい小説はいくら考えても何も浮かんでこないのだ。
東京に移り住んでから約半年が過ぎようとしていた時、彼は自分の具体的な遺書を書くことにした。
『世界の終わりという名の雑貨店』は、彼女への返信。
自分の遺書ではないからだ。
彼は自分の葬式が仏式で行われるのは嫌なので、教会に行って洗礼を受けて死んだときはそこで葬儀をしてもらおうと考えた。
そこで井の頭公園を少し東に外れた住宅街に小さな教会に行き、牧師にそのことについて尋ねた。
牧師は洗礼を受けていなくとも教会での葬儀は可能だと教えてくれた。
さらに教会の裏庭でバザーがあるので寄ってみるといいとすすめられる。
後日、彼は裏庭のフリーマーケットを訪れる。
そこで礼拝の時にオルガンを弾いていた少女を見つける。
不思議なことに彼女は、プロテスタントの教会でありながらマリア像を売っていた。
しかも両目から赤い涙を流したマリア像である。
そのことについて訊いてみると彼女は、「神様……です」とだけ言った。
気になった青年は一万円もするマリア像を買った。
そして袋に入れられたそれを受け取ると彼は驚いた。
なぜなら、袋には「世界の終わり」と書かれていたのだから。
昔、同じ名前の雑貨店を経営していたことを彼女に伝えると、彼女はこう言った。
「偶然なんかじゃないんですよ」
「貴方と私は、ツインズなんです」
それは二人にとって運命の出逢いとなる——。
<関連リンク>
本『ハピネス』
本『変身』
本『ロリヰタ。』
本『下妻物語』
本『下妻物語・完 ヤンキーちゃんとロリータちゃんと殺人事件』
本『ミシン2/カサコ』
本『ツインズ 続・世界の終わりという名の雑貨店』
(『ミシン』収録作品【世界の終わりという名の雑貨店】 続編)
本『タイマ』
本『エミリー』
本『鱗姫』
本『カルプス・アルピス』
本『ミシン』収録作品『世界の終わりという名の雑貨店』続編。
青年が経営していた「世界の終わり」という名の雑貨店。
そこに現れた全身 VivienneWestwood のお洋服で固めた一人の少女。
その店を閉めなければならなくなったとき、二人は京都を出て津和野へ逃避行に出た。
クリスマスイヴであるちょうどその日、二人は初めて結ばれた。
何度もホテルのベッドで身体を交わらせることだけを続けた。
近いうちに買い物に出かけようと思っていたある日、逃避行は終わりを迎えた。
少女の家族から捜索願いが出されていて、警察が二人のいるホテルに駆けつけたのだ。
京都に連れ戻された少女は、精神科に入院した。
しばらくの間は、青年が家族の目を盗んで見舞いに来たが、少女の父親にバレてしまい、会うことを禁じられてしまう。
その後、彼女は、青年に遺書を遺して自殺した。
それを知った青年は、彼女の後を追うためナイフを購入した。
しかし、彼がそれを使って死ぬことはなかった。
そのかわり、現実から逃避するために複数の精神科に行って大量の睡眠薬を買い、それらを摂取して一日の大半を眠って過ごすようになった。
それ以外にすることと言ったら、彼女の遺書に対する返信。
青年は彼女が書いた遺書に対する小説のような返事を書いた。
そしてその文章を誰かに託そうと、『世界の終わりという名の雑貨店』という題名をつけて出版社に送った。
ある日、何の期待もしていなかった彼の元に一本の電話がかかってきて、出版をすすめられる。
京都にやってきた女性編集者と話し合いをして彼は出版することを決意する。
また、京都の街を離れて東京で暮らすことも決意した。
出版された『世界の終わりという名の雑貨店』は売れて、毎日取材を受けるようになった。
だが、次の作品を書くように編集者が頼んでも、次の小説の構想が全く浮かばない。
雑誌のエッセイは書けるが、新しい小説はいくら考えても何も浮かんでこないのだ。
東京に移り住んでから約半年が過ぎようとしていた時、彼は自分の具体的な遺書を書くことにした。
『世界の終わりという名の雑貨店』は、彼女への返信。
自分の遺書ではないからだ。
彼は自分の葬式が仏式で行われるのは嫌なので、教会に行って洗礼を受けて死んだときはそこで葬儀をしてもらおうと考えた。
そこで井の頭公園を少し東に外れた住宅街に小さな教会に行き、牧師にそのことについて尋ねた。
牧師は洗礼を受けていなくとも教会での葬儀は可能だと教えてくれた。
さらに教会の裏庭でバザーがあるので寄ってみるといいとすすめられる。
後日、彼は裏庭のフリーマーケットを訪れる。
そこで礼拝の時にオルガンを弾いていた少女を見つける。
不思議なことに彼女は、プロテスタントの教会でありながらマリア像を売っていた。
しかも両目から赤い涙を流したマリア像である。
そのことについて訊いてみると彼女は、「神様……です」とだけ言った。
気になった青年は一万円もするマリア像を買った。
そして袋に入れられたそれを受け取ると彼は驚いた。
なぜなら、袋には「世界の終わり」と書かれていたのだから。
昔、同じ名前の雑貨店を経営していたことを彼女に伝えると、彼女はこう言った。
「偶然なんかじゃないんですよ」
「貴方と私は、ツインズなんです」
それは二人にとって運命の出逢いとなる——。
<関連リンク>
本『ハピネス』
本『変身』
本『ロリヰタ。』
本『下妻物語』
本『下妻物語・完 ヤンキーちゃんとロリータちゃんと殺人事件』
本『ミシン2/カサコ』
本『ツインズ 続・世界の終わりという名の雑貨店』
(『ミシン』収録作品【世界の終わりという名の雑貨店】 続編)
本『タイマ』
本『エミリー』
本『鱗姫』
本『カルプス・アルピス』
PR
この記事に対するコメント