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本『ミシン2/カサコ』

『ミシン2/カサコ』 嶽本野ばら 小学館



前作『ミシン』 の続編。

約束通り彼女は、竜之介のいない世界からミシンを抹殺した。

追悼ライヴで「ロリータ・デス」を歌い終えたミシンをギターで撲殺したのだ。

倒れたミシンをさらに何度も殴り、動かなくなったのを確認すると彼女は気を失ってしまった。


病院のベッドで目が覚めた彼女は、すぐにミシンの後を追って自殺を試みる。

が、部屋に入ってきた何者かの手によって未遂に終わってしまう。

自殺を止めたのは、抹殺したはずのミシンだった。

殺したはずの人間に彼女は助けられたのだ。

ミシンは入院中、彼女のために芸名まで考えていてくれた。

彼女の芸名は、コウモリ・カサコ——。

名字が蝙蝠で、名前が傘子。

詩人ロートレアモンの言葉から作られた名前だった。

「まるで手術台の上のミシンと蝙蝠傘の偶然の出逢いのように美しい」


退院後、傘子はギターのレッスンを、テレビ出演など死怒靡瀉酢のメンバーとして多忙な毎日を送った。

そしてエスな関係とは言えないが、ミシンと同棲関係にもなった。

シャンデリアのある部屋で竜之介の話を聴き、寄り添いながら眠り、一緒にテレビを見て、ギターのチューニングを教わり、レトルトのカレーを一緒に食べる。

そんな平凡な生活を続けていた。

しかし、その平穏な生活を壊すある事件が起こった。

三月の始めから全国を回るライヴ・ツアーが行われていた。

その最終日は、今までで一番盛り上がり、一番怪我人が出たライヴだった。

ツアーを終えた翌日のオフ日、ミシンと傘子が住むマンションに一本の電話がかかってきた。

客の一人井上静子という女性が酸欠による窒息死したという電話だった。

ファンを大事にしないミシンだが、その名前を聞いて動揺する。

病院に着いた彼女たちは、井上静子のこと、これからのことを事務所の社長から説明される。

井上静子は、死怒靡瀉酢のインディーズ時代からのファンだったとミシンは言う。

ミシンの為にエンコーして金を稼いで、ダフ屋で高いチケットを買ってライブに来ていた子だった。

ライヴの終わりには必ず手紙をくれていた。

その子の最後の手紙は「助けて、ミシン」だったという。

井上静子をたすけられなかったミシンは、彼女の死が自分のせいだと思い込み、どんどん自分を追い込んでいった。


数日後、死怒靡瀉酢の追加公演が行われることが決まった。

今までと違うところは、警備員の増員とステージ前に柵を設置すること。

これはミシンからの提案だった。

まだ、井上静子の死から立ち直れていないのだ。

追加公演の日、ミシンはミシンでなくなっていた。

傘子は、本当のミシンを取り戻すためステージ上で行動を起こす。

<関連リンク>

本『ハピネス』

本『変身』

本『ロリヰタ。』

本『下妻物語』

本『下妻物語・完 ヤンキーちゃんとロリータちゃんと殺人事件』

本『ミシン2/カサコ』

本『ツインズ 続・世界の終わりという名の雑貨店』
(『ミシン』収録作品【世界の終わりという名の雑貨店】 続編)

本『タイマ』

本『エミリー』

本『鱗姫』

本『カルプス・アルピス』

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