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少しイカレてるくらいがちょうどいい
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『平面いぬ。』 乙一 集英社文庫



【石ノ目】

「わたし」が父の実家で生活し始めたのは小学生にあがってすぐのことだった。

小さな田舎町で家には父と父の弟、その両親が一緒に住んでいた。

わたしはそれ以前の暮らしや母親の記憶が消えている。

当時わたしと友人たちのあいだでは目隠しオニが流行っていた。

オニ役の子どもが目隠しをして、逃げる者たちは手を叩き自分のいる方向を教える。

そしてオニに捕まったら終わり。

ここまでは普通のオニごっこだが、これにはもう一つの遊び方があった。

それは目隠しをするのが逃げる者たちの場合だ。

オニは目隠しをせず、全力で追ってくる。

逃げる者も全力で走るため、怪我がたえない。

だが、それを見て危険と思い、やめさせる大人はいなかった。

なぜなら父の実家があるその地方には石ノ目、または石ノ女がいると言い伝えられているからだ。

石ノ目と目を合わせてしまった者は石にされてしまう——その言い伝えが根強く残っていた。

それから数十年後、わたしは中学校教師になり、夏休みを利用して同僚のN先生と山へ来ていた。

目的は行方不明とされたわたしの母の遺体を探すためである。

しかし、途中でN先生が足を怪我してしまい、彼を担いで山道を進んでいると人家を見つけた。

そこに住んでいたのは顔を決して見せようとしない女性だった。


【はじめ】

小学生の頃、耕平は学校で飼っていたヒヨコを踏んで殺してしまう。

それを破ったノートに包んで、手洗い場の排水溝に押し込んで逃げた。

翌日、すぐにそれは見つかってしまい犯人は耕平ではなく友達の淳男だとされてしまった。

事情聴取のために二人は職員室に呼び出され、その途中で淳男は耕平が犯人だと言い当てた。

職員室で担任教師は淳男に誰が犯人なのか問いただした時、淳男は“はじめ”という女の子がやったと告げる。

教師も驚きだったが、耕平が一番驚いていた。

だが、それは淳男が考えた空想上の子で実際にいるわけがなかった——あの日が来るまでは。


【BLUE】

人形作家のケリーは、年老いた東洋人男性が営む骨董屋を訪れた。

酒に入り浸っていた彼女はアルコールのせいで見る物が時々ゆがんで見えたが、店主に差し出された数枚の生地を触ってみておどろいた。

なめらかな肌触りで心地よい感触だったからだ。

彼女は多少値をはるその生地を買い込んだ。

店を出ようとしたとき、店内には地味な服装の女の子が立っていた。

彼女はリンと名乗り、またきてねと声をかけてケリーを送り出した。

ケリーはアパートに戻ると早速ぬいぐるみ作りを開始した。

制作途中に生地がゆがんだりのびたりを繰り返していたが、ケリーは気にも止めなかった。

最初に王子、次に王女、続いて騎士、そして馬をつくった。

作り上げた直後、彼女がつくったぬいぐるみたちは動き始めた。

ケリーはこれがアルコールの幻覚と決めつけ、最後の制作に取りかかった。

余り物の生地でつくった身体は青色で、目や口は油性マジックで書かれたもの、髪の毛はぼさぼさの黒い毛糸のぬいぐるみが誕生した。

ケリーはそのぬいぐるみに『ブルー』という名前をつけて呼んだ。

それから数十年が経ち、ケリーはピストルで自殺した。

人形たちは東洋系の美しい女性リンが営む骨董屋で売られていた。

その店に娘の誕生日のプレゼントを買いに立ち寄ったダン氏はぬいぐるみたちを買って帰ることにした。

リンは五体のぬいぐるみたちに動いてはいけないと命じて、彼らを包んで売り出した。


【平面いぬ。】

わたしは腕に犬を飼っている。

身長三センチくらいの、青毛並のオス犬で、名前はポッキー。

わたしが腕に犬を飼うことになったのは親友の山田さんの両親がやっている店に行ってからだ。

彼女の父親は刺青の彫師で、そこで刺青の勉強をしている中国人の彫師に刺青を彫ってもらってからだ。

中国人に凶悪な顔つきの犬を彫ってもらうつもりだったのだが、実際彫り上がったものを見てみると口に白い花をくわえた青い犬だった。

それから数日経ったある日、左腕を見てみると犬がくわえていた白い花が犬の足下に落ちていた。

【関連リンク】

本『失踪HOLIDAY』

本『GOTH リストカット事件』

本『銃とチョコレート』

本『平面いぬ。』

本『夏と花火と私の死体』


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