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昔話『734円の事情』

ある日、生まれた街に帰ってきたときのことです。

駅構内のベンチに座って休んでいました。

私(ねむい……)

行くところはあるけど、あんまり行く気がしないという心境になっていました。

少し俯いて寝ようかなと思っていたら、誰かが私の前に立って声をかけてきました。

「ねぇ、金貸してくれない?」

顔をあげたら、背の高い女性が立っていました。

古谷実の漫画に出てきそうな容姿の女性でした。

「ねぇ、金貸してくれない?」

もう一度言われました。

私(カツアゲか……面倒だな……)

そう思いながら、たまたまポケットに入っていた小銭を取り出しました。

それから小銭を握った手を彼女に差し出しました。

小銭を持った手を差し出すと、女は受け取るために手を出してきました。

私「……」

女「……」















チャリチャリチャリチャリチャリャン~♪












私「……」

女「……」

















私「拾えよ」
















冷たい床に落ちる小銭たち。

無表情のまま女性を見る私。

侮蔑するような目で私を見る女。

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