忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



本『武士道セブンティーン』 誉田哲也

『武士道セブンティーン』 誉田哲也 文藝春秋



東松学園高校女子剣道部に所属する二人の剣士、西荻早苗と磯山香織。

出会った時は敵同士で、同じ部に所属してからもギスギスした関係だった。

それから何度もぶつかり合い、何度も剣を交え、彼女達は互いに盟友と言える仲になる。

西荻早苗の両親が復縁することになり、甲本早苗という名前に変わることになった。

そして父親の仕事の都合で福岡県に引っ越すことも決まっていた。

彼女達はそれぞれ別の道を歩み始める。

でもそれは、同じ大きな道の、右端と左端なのだと思う。

その道の名は、武士道。

某年、西荻早苗が福岡に行くということで空港に見送りに来ていた磯山香織。

磯山は今一度再戦することを誓った。

しかし早苗から返ってきた言葉は、剣道をやめるという衝撃的なものだった。

磯山は憤慨して飛びかかろうとするが、周りの剣道部員たちに止められる。

振り返らずに去っていく早苗の背を見ながら覚悟を決めた。

次に会った時、必ず斬ると。

それから磯山は剣道部の二年生として後輩を指導しながらさらなる高みを目指す。

そんなある日、中学時代の知り合いの男子が不良に絡まれているところを助けてやる。

それからその男子は、磯山の帰りを駅で待ちながらついて回るようになってしまう。

不良を恐れるあまり、彼女に恋人のふりをしてほしいともお願いする。

磯山は生意気な後輩やヘタレな元知り合いに悩まされながらも全国大会への切符を手にする。

一方、西荻早苗は甲本早苗として福岡南高校に転入した。

彼女は磯山に剣道をやめると言ったことを後悔していた。

本当は剣道を続けるつもりでいたし、再戦したいとも思っていた。

けれど、全国的に有名な強豪校に転入することをどうしても話せなかったのだ。

規模も小さく、選手層も薄かった東松学園でがんばっている彼女を裏切るような気持ちになったからだ。

それでもここでがんばると決め、厳しい練習にもなんとかついていく。

しかし早苗は、東松学園の剣道と福岡南の剣道を比べて微妙な違和感を覚える。

福岡南がスポーツ競技としての剣道だとしたら東松学園の剣道は本来の武士道に近い。

ルールに違反していなければ勝つためなら何をやってもいいという考えが福岡南にはあった。

徹底的に勝ち負けにこだわるそのやり方に、早苗は少し嫌な気持ちになる。

そして甲本早苗と磯山香織は、全国大会の会場で再会を果たす。

【関連リンク】

本『武士道シックスティーン』

本『武士道セブンティーン』

ブログランキング・にほんブログ村へ
blogram投票ボタンブログランキングTwitterボタン




スポーツ競技としての剣道と本来の武士道としての剣道。

どちらが正しいか、どちらが良いかという問題ではないのです。

色々な考え方を持つ人がいるように、武士道の形にも色々な形があるのです。

剣道ではありませんが、私も武道経験者なのでどちらの意見も理解賛同できました。

それから勝負の判定(審査基準)の曖昧さは、どの武道競技でもありますよね。

自分がしっかりと打ち込んだ打撃だと判断しても、複数いる審判の判断(好みや見え方)によって判定は変わります。

相手を倒すといっても過剰に相手を攻撃すると、注意や警告を食らいます。

スポーツであっても武道の精神を忘れず、武道であってもスポーツマンシップを忘れてはいけないのです。

なかなか難しいところです。

拍手[0回]

PR

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿


この記事に対するトラックバック

トラックバックURL