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本『妖怪アパートの幽雅な日常1』

『妖怪アパートの幽雅な日常 一』 香月日輪(こうづき・ひのわ) 講談社文庫



両親がいっぺんに死んで三年。

寮のある高校に入学し、やっと居心地の悪い親戚の家から出られることになった。

バラ色とはいわなくても、少しくらいマシになると思ってた。

あの日までは――。

主人公・稲葉夕士は、親友の長谷とほぼ本気の殴り合いの勝負をした後、お互いにがんばろうと声をかけあって親戚の家に戻ってきた。

清々しい気持ちで帰ってきた夕士にとても悪いニュースが飛び込んでくる。

それは、彼が入学することになっていた条東商業高校の寮が火事になったということだった。

そして夕士はいつの間にか電車に乗って高校のある鷹ノ台東駅に着いていた。

不動産屋をまわってアパート探しするが、予算の少ない彼にアパートを借りることはできなかった。

現実に打ちのめされ、なすすべもなく公園に来ると、一人の男の子が夕士の前に現れる。

そして「前田不動産」という店を勧めると、すぐにどこかへ消えてしまった。

不思議に思いながらも店に入り、店主に物件を紹介してもらう。

二畳の板間と六畳の和室。

南向き。

トイレと風呂は共同だが、賄いつき。

光熱費、水道代、賄い費込みで家賃二万五千円。

あまりに好条件すぎると思った夕士は、いわくつきか、と聞いた。

すると、店主は両手をだらりと垂らして、出るんだと言った。

だが、おばけなど信じていなかった夕士は、寮が再建される半年後までそこに住むことにした。

*文庫版限定特典として巻末に登場人物紹介もあります!

本『妖怪アパートの幽雅な日常1』

本『妖怪アパートの幽雅な日常2』

本『妖怪アパートの幽雅な日常3』

本『妖怪アパートの幽雅な日常4』

本『妖怪アパートの幽雅な日常5』

本『妖怪アパートの幽雅な日常6』




*以下、すごく個人的な感想なので注意してください。

おもしろいです。

「妖怪もの」という使い古されたジャンルで、ここまでおもしろいと思った作品は久しぶりです。

文章が特別上手いわけではないし、ストーリーも他の誰かが書いていそうな妖怪と人間が共存していく物語です。

しかし、純粋に楽しめました。

登場人物が多いのに、それぞれに特徴や魅力があってキャラが立っています。

専門用語はほとんどなく、わかりやすい文章で妖怪たちについて語られています。

巻を追うごとに主人公の成長や妖怪アパートの住人たちが繰り広げる非日常が見られます。

和みます。

そして何より、こんなところに住んでみたいと思わせます。

子どもだけでなく、大人にも読んでいただきたい作品です。

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