120%CRAAZY

前回のあらすじ

「君のことは何でも知ってるよ」

「口だけでしょ」

「知ってるよ。君の誕生日から君の嫌いなものまで何でも」

「……キモチワルイ」

やってしまいました。

意志の疎通失敗です。

しかし、そこは私と×××です。

失敗した時の対処法も予測していました。











私「バカ。外では兄妹にしておけって言っただろ」

×「でもお兄ちゃん。あたし、自分の気持ちに嘘なんかつきたくないよ」










禁断のカップルのでき上がりです。

みなさん軽く引いていましたけれど、まあどうでもいいことです(・∀・)ｷﾆｼﾅｲ♪

メ「ご兄妹なのに……付き合ってるの？」

×「はい。いけませんか？」

若「ウケる。AVみてぇ」

私「失礼なこと言わないでください」

メ「そうよ。二人とも愛し合ってるんだからいいじゃない」

メガネ女性が若い男にそう言って注意しました。

まあ私としてはこの場を切り抜けられればどちらでもよかったのですが、おばさんとおっさんの視線が痛いです。

何をやっているのかしら。

頭がおかしいんじゃないか。

そんな視線が私たちに送られます。

その後の話し合いはみんなのことを知ろうというよりは、近親での恋愛はありかなしかという倫理的な問題について議論し合いました。

メガネ女性は肯定派。

おっさんとおばさんは反対派。

若い男は「AVみてぇ」としか言っていませんでした。

メ「結婚は無理でも二人が愛し合っていければいいのよ」

最後にメガネさんはそう言いました。

無駄な話し合いで説明会が終わり、私たちは逃げるようにその場を出ました。






×「ねぇ、お兄ちゃん」

私「お兄ちゃん言うな」

×「あ、ごめん。姉萌えだった？」

私「そういう問題じゃねぇ」

×「どうして兄妹設定にしたの？」

私「特に意味はないよ。どうして恋人設定にしたの？」

×「兄妹設定は無理があると思ったから」

私「そう」

×「うん」









そこからしばらく黙って歩き続けました。

行き先も決めず歩いていたら自然と駅前の方へ向かっていました。

×「お腹空いた。焼き肉行こう。中折れカルビが食べたい」

私「いいね。石焼ビビンバとクッパが食べたい」

×「タンパク質も食べなさいよ」

私「食べるけどさ、それ以上に炭水化物を食べたい気分なんだよ」

×「説明会おもしろくなかったね」

私「禁忌を犯した兄妹ってのは笑えたけどね」

×「あたしは嫌だった」

私「ごめんなさい」

×「謝ってほしいわけじゃないんだけど」

私「まあ焼肉屋行こうか、妹」

×「うん。愛してるよお兄ちゃん」

私「お兄ちゃん言うな。おごらないぞ」

×「そういう意味じゃない。愛してるよ」

×××は真面目な顔でそう言いました。

私「愛してるよ、×××」

私は愛想笑いをうかべて言いました。

どちらにも愛情なんて一かけらも入っていないものと思います。












私（中折れカルビってなんだろ……）

おわり。

読んでくださってありがとうございます<(_ _)>

この話がフィクションだと思いたい方は、そう思ってください。

ノンフィクションだと思いたい方は、そう思ってください。

[6回]