Date:2012/04/28 14:25
本『“文学少女”と死にたがりの道化』 ファミ通文庫
著:野村美月
イラスト:竹岡美穂
恥の多い生涯を送ってきました。
高校二年生になったばかりで“生涯”なんて大袈裟かもしれないけれど、十四歳のぼくが体験した出来事はまさに驚天動地。
ぼく、井上心葉(いのうえこのは)は一年の間、天才美少女作家として日本中の注目を集めていた。
中学三年生の春、ほんの気の迷いで文芸雑誌の新人賞に小説を応募した。
すると、どういうわけだか史上最年少で大賞に輝いてしまったのだ。
文章が女の子の一人称で、ペンネームも井上ミウなんて女の子の名前を使ってたものだから、ぼくは、美少女覆面作家として売り出されることになった。
本はたちまちベストセラー、映画化、ドラマ化、コミックにもなり、社会現象を巻き起こした。
けれど、謎の天才美少女作家井上ミウは、たった一冊の本を残して消滅する。
あんなことがあって――ストレスからくる過呼吸を起こして病院送り、登校拒否までして、小説が書けなくなったからだ。
その後、ぼくは高校に進学し、高校生になりそこで本物の“文学少女”――天野遠子先輩を知ったのだ。
“文学少女”こと天野遠子は、本を愛しすぎるあまり、本のページを引きちぎってむしゃむしゃ食べる。
彼女にとっては水を飲みパンを食べる代わりなのだ。
天野遠子が部長を務める文芸部で、ぼくは彼女のためにおやつと称した作文や詩を書き散らしている。
そんなある日、文芸部に恋愛相談が持ち込まれる。
相談にきた少女、竹田千愛が持ってきた想い人からのラブレターには――。
『恥の多い生涯を送ってきました』
太宰治『人間失格』の主人公の手記の冒頭の引用があった。
そしてこれが思わぬ事件を引き起こし、ぼくと遠子先輩を巻き込んでいくことになる。
“文学少女”シリーズ第一弾!
著:野村美月
イラスト:竹岡美穂
恥の多い生涯を送ってきました。
高校二年生になったばかりで“生涯”なんて大袈裟かもしれないけれど、十四歳のぼくが体験した出来事はまさに驚天動地。
ぼく、井上心葉(いのうえこのは)は一年の間、天才美少女作家として日本中の注目を集めていた。
中学三年生の春、ほんの気の迷いで文芸雑誌の新人賞に小説を応募した。
すると、どういうわけだか史上最年少で大賞に輝いてしまったのだ。
文章が女の子の一人称で、ペンネームも井上ミウなんて女の子の名前を使ってたものだから、ぼくは、美少女覆面作家として売り出されることになった。
本はたちまちベストセラー、映画化、ドラマ化、コミックにもなり、社会現象を巻き起こした。
けれど、謎の天才美少女作家井上ミウは、たった一冊の本を残して消滅する。
あんなことがあって――ストレスからくる過呼吸を起こして病院送り、登校拒否までして、小説が書けなくなったからだ。
その後、ぼくは高校に進学し、高校生になりそこで本物の“文学少女”――天野遠子先輩を知ったのだ。
“文学少女”こと天野遠子は、本を愛しすぎるあまり、本のページを引きちぎってむしゃむしゃ食べる。
彼女にとっては水を飲みパンを食べる代わりなのだ。
天野遠子が部長を務める文芸部で、ぼくは彼女のためにおやつと称した作文や詩を書き散らしている。
そんなある日、文芸部に恋愛相談が持ち込まれる。
相談にきた少女、竹田千愛が持ってきた想い人からのラブレターには――。
『恥の多い生涯を送ってきました』
太宰治『人間失格』の主人公の手記の冒頭の引用があった。
そしてこれが思わぬ事件を引き起こし、ぼくと遠子先輩を巻き込んでいくことになる。
“文学少女”シリーズ第一弾!
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