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『“文学少女”と死にたがりの道化』 ファミ通文庫

著:野村美月

イラスト:竹岡美穂

  

恥の多い生涯を送ってきました。

高校二年生になったばかりで“生涯”なんて大袈裟かもしれないけれど、十四歳のぼくが体験した出来事はまさに驚天動地。

ぼく、井上心葉(いのうえこのは)は一年の間、天才美少女作家として日本中の注目を集めていた。

中学三年生の春、ほんの気の迷いで文芸雑誌の新人賞に小説を応募した。

すると、どういうわけだか史上最年少で大賞に輝いてしまったのだ。

文章が女の子の一人称で、ペンネームも井上ミウなんて女の子の名前を使ってたものだから、ぼくは、美少女覆面作家として売り出されることになった。

本はたちまちベストセラー、映画化、ドラマ化、コミックにもなり、社会現象を巻き起こした。

けれど、謎の天才美少女作家井上ミウは、たった一冊の本を残して消滅する。

あんなことがあって――ストレスからくる過呼吸を起こして病院送り、登校拒否までして、小説が書けなくなったからだ。

その後、ぼくは高校に進学し、高校生になりそこで本物の“文学少女”――天野遠子先輩を知ったのだ。

“文学少女”こと天野遠子は、本を愛しすぎるあまり、本のページを引きちぎってむしゃむしゃ食べる。

彼女にとっては水を飲みパンを食べる代わりなのだ。

天野遠子が部長を務める文芸部で、ぼくは彼女のためにおやつと称した作文や詩を書き散らしている。

そんなある日、文芸部に恋愛相談が持ち込まれる。

相談にきた少女、竹田千愛が持ってきた想い人からのラブレターには――。







『恥の多い生涯を送ってきました』







太宰治『人間失格』の主人公の手記の冒頭の引用があった。

そしてこれが思わぬ事件を引き起こし、ぼくと遠子先輩を巻き込んでいくことになる。

“文学少女”シリーズ第一弾!

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