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絵本『なつねこ』 文・かんのゆうこ 絵・北見葉胡

絵本『なつねこ』 文・かんのゆうこ 絵・北見葉胡 講談社



「チリン……チリン……チリリリン……」

なつがやってきました。

まいとしなつになると、なみこのいえののきしたには、ふうりんがかけられます。

なみこは、ふうりんのおとがだいすきでした。

なみこは、あのおとはかぜがうたをうたっているのだとおもっています。

けれどおかあさんにきいてもちがうといわれてしまいます。

それでもなみこには、ガラスのゆれるおとのおくから、すきとおったかぜのうたがきこえるきがしてなりません。

そんなあるひのゆうぐれのこと、なみこがいつものように、すずしげなふうりんのおとにみみをすましていると、にわのむこうからおとがきこえてきました。

すみわたるようなおとです。

ふしぎにおもってそとに出てみると……。

そこには、ゆかたをきたかわいらしいねこが、ふうりんをかたてにさげて、ちょこんとたっていたのです。

ねこにつれられてもりのおくにすすんでいくと、ふうりんをつくっているこうぼうがみつかりました。


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