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昔話『ネコ耳メイドとSF執事、そして安楽死探偵』15

前回のあらすじ

強さを求めるお年頃。

「愛してる」の響きだけで得られるのは根拠のない強さだけです。

空を飛びたいお年頃。

君と出会った奇跡を胸いっぱいに詰め込んでも空を飛べません。

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わたあめを小さな口で食べるネコ耳メイドを見ていたら胸の奥がゾクゾクしてきました。

しかし私達は偽兄偽妹という関係です。

血のつながらない偽者の妹に欲情するなんて偽者の兄としてあるまじき行為だと思いませんか?

私は思いません。

倫理的にも法律的にも問題ないですから。

いわばアカの他人です。

義理の兄妹の結婚も許されている日本ですから他人同士の恋愛にも寛容です。

私「イトコ同士も結婚が許されてるんだよねー」

妹「え!? あ、はい。そうですね」

頭の中の妄想から頭の外の妄言に切り替てみました。

案の定、偽妹ちゃんを驚かせてしまいました。

それでもしっかりと話の内容を理解して返事をしてくれるなんて優しい子ですね。

これが別の誰かさんだったら「あんたバカでしょ? イカレてるじゃないの」と辛辣な言葉を投げかけてくるでしょう。

考えただけでイラッとしました。

こうなったら今度会った時に腕の花を愛でさせてもらいましょう。

そうしましょう。

でも皆さん、これだけは覚えていてくださいね。

いくら他人だといってもセクハラ行為や痴漢行為は同意がなければそれは犯罪です。

同意のないセックスが強姦罪になってしまうのと同じことです。

とある漫画に「強姦は未来をも奪う行為なんだよ」と描かれていました。

未来を奪われてしまってはどうしようもありません。

どんなに待っても机の引き出しから青色のネコ型ロボットはやってきません。

いくらどら焼きをお供えしても無意味です。

未来を奪われてしまった人間はどうやって生きていけばいいのでしょうか。

そんなことは自分で考えてください。

私「ドラえもんがのび太の家で最初に食べたのは何か知ってる?」

妹「どら焼きですか?」

昼食を食べられるお店を探して校内を歩きまわります。

私「お餅だよ」

妹「え、そうなんですか?」

私「うん。ドラえもんはお正月にやってきたからね」

妹「へぇー、知りませんでしたー。おにいちゃんはよく知ってましたね」

私「うん、ドラえもん検定3級持ってるから」

妹「え、そんなのもあるんですか?」

私「まあ、嘘だけどね」

妹「もう、おにいちゃんは嘘つきですね」

現実で「もう」とか言っちゃうのは、きーちゃんと偽妹ちゃんの姉妹ぐらいではないかと疑いたくなります。

私のコミュニケーション能力が低いあまり、偽妹ちゃんにとってはどうでもいいだろう話をしてしまいました。

それでも偽妹ちゃんは笑ってくれました。

偽妹ちゃんの優しさだけで空も飛べる気がしました。

まあ、嘘ですけどね。

私「あそこって家庭科室だよね。何の店やってるんだろ」

妹「行ってみましょうか」

校内を歩きまわっていたら食べ物を販売していそうな教室を見つけました。

お腹が空きすぎて背中と融合しそうなので足早に向かいます。

私達が教室に入ると、客は一人も入っていませんでした。

店員の学生も慌てて携帯電話を閉じて接客してくれました。

玄関から離れたところにあるから客の入りが悪いのかもしれません。

もしそうでないならこの後出てくる料理が不安になってしまいます。

私「お好み焼きと焼きそばか。どっちにしようかな」

妹「どっちもお祭りの定番ですね。おにいちゃんはお祭りといったら何を買いますか?」

私「たこ焼きかな。あとはからあげとか」

妹「たこ焼きもおいしいですよね」

偽妹ちゃんはニコニコしながら話を聞いてくれます。

私がお好み焼き、偽妹ちゃんが焼きそばを注文することにしました。

ホール担当の学生がキッチンに行き、お冷を飲んで一息つきました。

思えば偽妹ちゃんと食事をするのもこれで二度目ですね。

前回はドウゲン坂の頂上で彼女の作ってきたお弁当をパックンパックンパックンチョでした。

初デートにお弁当はねーよって思いましたが、とても美味しかったです。

もうね、涙なしでは語れないほどの味でしたよ。

そして何よりあの日忘れてならないことがもう一つあります。

私「……」

妹「どうしたんですか?」

私が左手をぐっぱぐっぱしていると、偽妹ちゃんが心配して声をかけてきました。

ご安心ください。

私の心と体に異常は見つかっていますが、頭の異常はすでにどうしようもないことになっています。

適当にごまかして愛想笑いを浮かべておきました。

彼女も納得してニコニコ笑顔で返してくれました。

その可愛い笑顔で今まで何人の男の心を奪ったのでしょうか。

このまま彼女を見つめていると、自分の嗜好がぶれそうなので視線をそらします。

ついでに暗示をかけておきましょう。

私はイカレた女の子が好きです。

私はイカレた女の子が好きです。

私はイカレた女の子が好きです。

妹「そういえばお姉ちゃんから聞いたんですけど」

私「うん、何?」

妹「おにいちゃんは一人暮らしで、自炊しているんですか?」

私「そうだよ」

世間話の延長線上にありそうな質問ですが、どこかひっかかりますね。

質問内容自体ではありません。

なんとなく、きーちゃんから聞いたというのが引っかかります。

返答次第では最悪の結末になってしまうかもしれません。

ここは「ガンガンいこうぜ」ではなく「いのちだいじに」で慎重にいこうと思います。

ちなみに私はドラクエもFFもプレイしたことがありません。

妹「普段は何を食べているんですか?」

私「米とか魚とか肉とか?」

妹「……野菜は?」

私「野菜も」

偽妹ちゃんがとても不満そうな顔をしています。

私のコミュニケーション能力が低すぎるせいですか。

それとも私の頭がイカレているからですか。

きっと慎重に慎重を重ねすぎたせいですね。

私「で、でも、料理が得意ってわけじゃないんだよね」

妹「そうなんですか?」

私「うん。本格的じゃないし、手抜きだし……」

それからお冷を口に持っていきました。

店員さーん、ご飯まだ―?

料理がやってくるまでうまい棒でも食べましょうか。

サラダ味とたこ焼き味で迷いますね。

どちらにしようかなー、神様のいうとおりー。





















妹「今度またお弁当作ってきますね♪」






















まったく恐ろしいですね、最近の女子高生は。

時間やら次元を超越して会話しているのではないかと疑いたくなります。

普段温厚な私もこの時ばかりはうまい棒を握り潰してしまいそうになりました。

しかしここは冷静さを欠いてはいけない場面です。

冷静かつ慎重に大事な大事なアタックチャンスなのです!

故・児玉清さんの声が耳をすませば聞こえてきますよ。

頭もしくは耳がイカレてなければ聞こえますよ、きっと。

ひとまず大胆さはどこかに置いて尋ねましょう。

私「え……なんで……?」

妹「え……だってお料理得意じゃないんですよね?」

私「うん」

妹「だから、私が美味しい物を作ろうと思って……」

私「いや、その理屈はおかしい」

思わずネコ型ロボット的ツッコミをしてしまいました。

ドラえもん大好きな私がこの台詞を使う時が来るとは思いもしませんでした。

もしも相手がメガネな少年だったら正拳突きをお見舞いしているところでしたよ。

まあ、目の前にいるのはネコ耳な少女だからおっぱい鷲づかみで勘弁してあげます。























嘘ですよ?

パソコンの前で警察を呼んでもいいですが、ご自分のパソコンデータを整理してからにしてくださいね。

それからおっぱいは掴むものではなく揉むものです。

さて、おっぱいが好きすぎるあまりマウスパッドにまで劣情を催してしまう皆さんに付き合うのはこれくらいにしておきましょう。

妹「ダメですか?」

偽妹ちゃんが子犬のように目をうるうるさせながら懇願している……ような気がします。

可愛いんですよ。

本当に可愛いんですよ。

ネコ耳つけているのに子犬に見えるなんて……私の目はどうなってしまったのでしょう。

私「……」

店員さーん、ご飯まだ―?

お好み焼きと焼きそばを作るのに何分かかってるんですかー?

そろそろ怒りますよー?

妹「ダメですか?」

追い打ちをかけるように聞いてきます。

故・児玉清さん……。

今がその時ですか?

私は決意を固めます。




















私「じゃあ今度お願いしようかなー(・∀・;)」

妹「絶対ですよ?」

ごめんなさい、これが私の精一杯です。

今後のためにもカリオストロさんのお宅にお邪魔しましょうか。

店「お待たせしました。お好み焼きと焼きそばでーす」












おせーよ、てめぇ!

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