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本『六百六十円の事情』 入間人間

『六百六十円の事情』 入間人間 メディアワークス文庫

どーでもよくて、たいせつな、それぞれの事情。



『カツ丼は作れますか?』

小さなコミュニティの掲示板に書き込まれた不思議なトピック。

そのコミュニティは地元に住む人間だけがメンバーの小さなもので、書き込みの数も多くない。

作られたトピックは大半、最後に書き込まれたのが半年前。

書き込む人さえいないトピックさえある。

そんな不思議な書き込みに、そもそも反応する人がいるかどうかも分からなかった。

問いかけに続きはなく、あるのはただその後の長い空白だけ。

書いた人がなにを求めているのか、そこから読み取るのは困難だ。

けれどその書き込みを見て、その人たちがなにを思ったのかまでは分かりませんが、なにかを思ったことは確かなようだ。

世の中には、いろんな人たちがいる。

そこには、「ダメ人間」と「しっかり人間」なんてのも。

それぞれ“事情”を持つ彼らが描く恋愛&人生模様は、ありふれているけど、でも当人たちにとっては大切な出来事ばかりだ。

そんな彼らがある日、ひとつの“糸”で結ばれる。

とある掲示板に書き込まれた「カツ丼作れますか?」という一言をきっかけに。

日常系青春群像ストーリー。

イラストは宇木敦哉。

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