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少しイカレてるくらいがちょうどいい
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『黒笑小説』 東野圭吾 集英社文庫



黒い笑いに満ちた傑作が満載の短編集。

【もう一つの助走】

作家の寒川は、文学賞の選考結果を編集者と待っていた。

「賞をもらうために小説を書いているわけじゃない」と格好をつけながら、内心は賞が欲しくてたまらない。

一方、編集者は「受賞を信じている」と熱弁しながら、心の中で無理だなとつぶやく。

そして遂に電話が鳴って――。


【線香花火】

熱海は鳴り響く電話機に目をやると、ゆっくり受話器を取った。

電話の相手は出版社の人間からで、小説の新人賞の選考結果を伝えるものだった。

結果は――受賞。

これで晴れて作家としてデビューしたわけである。

熱海は体が震えて夢ではないかと思えるほど喜んだ。

しかし出版社の人間は、彼にも彼の受賞作にも興味関心がなかった。


【過去の人】

熱海圭介は受け取った封書を開け、握り拳を固めた。

中には一枚の招待状が入っていた。

文学賞受賞式のものだった。

ついにこの時が来たと思った。

熱海圭介は昨年の新人賞受賞者だった。

受賞を機に彼は会社を辞め、今では専業作家となっている。

ただし、この一年の間に出した単行本は、まだ受賞作一冊だけである。


【選考会】

作家の寒川はコーヒーを噴き出しそうになった。

出版社の人間から小説新人賞の選考委員を頼まれたからだ。

今まで選考委員を頼まれたことなんてなかったが、見栄を張って考えておこうと返事を保留した。

だが内心は嬉しくてたまらなかった。

思わずガッツポーズをしてしまうほどに。


【巨乳妄想症候群】

冷蔵庫を開けたら巨乳が二つ並んでいた。

ふくよかな丸みを帯びたオッパイである。

しかしそれは、ただの肉まんだった。

ゴミ箱に目をやるとオッパイがあり、扉を開けたら人の顔がオッパイに見えた。

おかしい。

自分は一体どうしてしまったというのか。

不安になった私は友人の精神科医を訪ねた。

すると彼は、巨乳妄想症候群だと診断した。


【インポグラ】

相談したいということがあるので、会社帰りに友人のいる研究室に寄った。

友人は大学の薬学部で助教授を務めている。

彼は世界初のものを作りだしたという。

世界初というのだから偉大な功績を成し遂げたのだろうと思っていた。

しかし彼は浮かない顔をしていた。

話を聞いてみると、彼が発明したのはインポテンツになる薬だった。


【みえすぎ】

朝、起きてみると、周囲がやけに霞んで見えた。

まるで靄がかかっているようだった。

目をこすってみたが、状況は変わらない。

霞みは一様ではなく、空中に何かが漂っている感じなのだ。

火事かと思って慌てて部屋を出るが、何も燃えていない。

不思議に思って父親に聞くと、その症状は一族特有のものだったという。

父親はその症状はないが、祖父が同じだったらしい。


【モテモテ・スプレー】

もてない。

全くもてない。

今日も会社の同僚に告白したが、すぐにフラれてしまった。

パソコンで「もてたい」と検索してみた。

妙に虚しい気持ちになった。

検索結果を見ていくうちにある一点に注目する。

『人類愛正常化研究所』


【シンデレラ百夜行】

継母と義姉たちは贅沢三昧。

シンデレラは家事三昧。

今日も継母と義姉たちは似合わない衣装を身にまといパーティに向かう。

もちろんシンデレラは留守番である。

しかしシンデレラは芯の強い女性だった。


【ストーカー入門】

突然彼女から別れを告げられた。

訳が分からなかった。

喧嘩という喧嘩もしていないし、浮気なんてしたことがない。

それなのにどうして別れようなんて切り出したのか。

それから一週間が経ち、彼女から電話がかかってきた。

そして別れたくなかったら私をストーカーしろと言い出す。

訳が分からない……。


【臨界家族】

会社から帰ってくると、妻がダイニングの床を這いつくばっていた。

何をやっているのか尋ねると、娘のおもちゃの部品がなくなってしまったという。

手分けして探してみるものの、見つからなかった。

予備の部品が売っていることを知り、週末に家族三人でおもちゃ屋に向かう。

そこでご近所さんと出くわし、その娘さんは新製品のおもちゃを持っていた。

同じものをねだる娘を制止し、おもちゃ売り場に向かうと――。


【笑わない男】

二人はお笑い芸人だ。

しかし、売れも売れない三流芸人といってもいい。

今日も営業のために地方に来て、ホテルに泊まることになる。

そこは興行主の手違いで泊まることになった最高ランクのホテルだった。

彼らの部屋を担当するボーイは常に無表情で笑わない男。

そこで彼らは、お笑い芸人としての未来をかけてボーイを笑わせることを決意する。


【奇跡の一枚】

学生食堂で友人たちといっしょに写真を見ていた。

この夏、ゼミで旅行した先の山中湖で撮影したものだ。

旅行での思い出を語りながら写真を眺めていると、一枚の写真に目が止まる。

誰もが見惚れるほどの美女が写っていた。

しかもその写真に写る美女は自分だということに気づく。

太めの体形がごまかされ、目鼻立ちもくっきりとして、実物よりもずっと綺麗に写っているのだ。

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