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昔話『Under The Smile』2

前回のあらすじ

金が欲しければ働けばいいじゃない

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私達は三人で商売を始めました。

それはお悩み相談という形の商売でした。

Rの才能は人を惹きつける魅力にあります。

そのRがお悩み相談をすると言えば、学年全体から多くの女子が集まってきました。

ソース焼きそばを乗せたような顔色をしている彼はなかなかモテるのです。

Tの才能は人並み外れた身体能力です。

そのTがお悩み相談すると言えば、学年全体から多くの男子と少しの女子が集まってきました。

次元を越えて現れたジャイアンという呼び声の高い彼ですが、生徒からの人気はあります。

私の才能は人の道を外れた人を惹きつける才能です。

あれ、私いらない子ですか?

私「……」

R「気にするなよ。お前が提案してくれなかったら思いつかなかったよ」

Rは慰めるようにそう言いました。

その言葉で少しだけ救われました。

私「それで、今のところの売上は?」

R「今ちょうど一週間で1000円」

私「まあ、そんなもんか」

私もRも納得したように頷きました。

私達のお悩み相談の料金設定は一回につき100円です。

それ以上高くすると、小学生のお財布事情に打撃を与えると思ったからです。

皆さんは、子どもっぽいなぁと思われることでしょう。

ええ、子どもでしたから。

小学生の社会勉強と割り切ってご覧ください。

私とRが教室の隅で談笑していると、貴則がやってきました。

R「もう終わりか。早かったね」

T「交代だ。恋愛は専門分野じゃない」

見ると、教室の入口付近に依頼人らしき女の子が立っています。

彼女は心配そうにこちらを見つめています。

私「恋愛ってことはRか」

私達は依頼人からお金をもらった後に、誰に相談したいか指名してもらいます。

基本的にはTとRが選ばれ、たまに私も指名されることがありました。

Tは男子からの指名が多く、Rは女子からの指名が多く、私は二人がいない時に指名されます。

T「いや、今回はお前だよ」

私「え、なんで?」

R「もしかして、あの子、お前のこと好きなんじゃないの?」

私「えっ……」

もう一度、戸口に立つ女の子を見ます。

彼女はたまに校内で見かける女の子でした。

名前は知りませんが、男子からも女子からも可愛いと評判の子です。

そんな可愛い少女が私のことを……。

私の胸の奥がビクンビクンしてまいりました。












T「あいつ、ストーカー被害にあってるらしい。キチガイはお前の専門分野だろ」











トキメキを返してください。

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