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本『アクセル・ワールド(1) 黒雪姫の帰還』 川原礫 

本『アクセル・ワールド(1) 黒雪姫の帰還』 川原礫 (電撃文庫)



どんなに時代が進んでも、この世から「いじめられっ子」は無くならない。

デブな中学生・ハルユキもその一人だった。

彼が唯一心を安らげる時間は、学内ローカルネットに設置されたスカッシュゲームをプレイしているときだけ。

仮想の自分を使って“速さ”を競うその地味なゲームが、ハルユキは好きだった。

季節は秋。

相変わらずの日常を過ごしていたハルユキだが、校内一の美貌と気品を持つ少女“黒雪姫”との出会いによって、彼の人生は一変する。

少女が転送してきた謎のソフトウェアを介し、ハルユキは“加速世界”の存在を知る。

それは、中学内格差の最底辺である彼が、姫を護る騎士“バーストリンカー”となった瞬間だった。

ウェブ上でカリスマ的人気を誇る作家が、ついに電撃大賞「大賞」受賞しデビュー!

実力派が描く未来系青春エンタテイメント登場。

第15回電撃小説大賞〈大賞〉受賞作

つづきはネタバレ注意








ゲーム好きの主人公が校内一の美少女との出会いによって人生が一変。

加速世界で姫を守る騎士<バーストリンカー>として敵と戦い成長していく物語。

近未来や電脳世界の設定はなかなかだけど、合わなかった。

全く期待せずに読んだSAOが思いのほかおもしろかったというか、エンタメのお手本かのような上手さがあったので素直に「すごい!これは売れるよね!」と思った。

だから電撃の受賞作でデビュー作はどんなものかと思って読んでみたけど、こちらは無理。

シリーズ一巻みたいな新人賞受賞作苦手。

近未来的で日常にサイバー技術が浸透した世界の描き方は上手いけれど、説明臭くてめんどくさいと感じることが多々あった。

それはSAOでも感じたけれど、あっちは良い感じに会話や物語に盛り込まれていたと思う。

こっちは導入部が長いうえに盛り上がりが弱い。

というか全体的にキャラもストーリーも薄くない?

電脳世界で選ばれたものだけが遊べるゲームがあり、その素質を見出された主人公とヒロインという構図は良いと思う。

ただ、そこに行くまでが説明臭いし、ゲームが始まったと思ったら詳しい描写もなく負け。

最初から才能が開花して勝つ展開でなくてもいいけれど、初めての戦闘だからインパクトが欲しい

マッドマックスかゴーストライダーみたいな見た目の奴に負けて再戦してゲームが得意な主人公が窮地に陥ってなんとか勝利。

私の読解力不足かもしれないけれど、なにやってるのかわかりづらい。

アニメ見たことがあるからわかるけれど、文章で読むとすごく地味に感じる。

バトルものらしい派手さがほしい。


そしてヒロインの過去や敵について語られるんだけど、純色の王たちと戦って逃げているとかレベル10に至ることを目標にしているとか情報が出てきて「こいつ一巻にまとめる気がないな」と分かった瞬間に冷めた。

新人賞応募作品なら一冊でまとめられる内容にしてくれよ。

なんでシリーズ化前提なんだよ。

すみません、私の好みだし、妬みや僻みも混ざっていると思う。

でも、それにしたってバトルもの?にしてはバトルが地味だしおもしろくない。

髑髏ライダーと2回(内一回はすぐ負け)と杭打ち野郎と1回だけって物足りないよ。

杭打ち野郎との勝負もあんまりスッキリしない終わりだったし。

主人公の見た目はチビデブでラノベ主人公としてはある意味攻めたデザインですね。

ピザをコーラで流し込むアメリカンスタイルを嗜むのは良しとしても豚のアバターとマッチさせるため?

あとシルバークロウの時とのギャップを生み出すため?

うーん、チビでひ弱ないじめられっ子くらいでも良かったような

それとも『紅の豚』のポルコロッソをリスペクトして「飛ばねぇ豚はただの豚だ」というネタを意識した?

たしかに豚もおだてりゃ空も飛びましたもんね。

まあ、そんなわけがないか。

しかし、戦闘中に能力開花という奇跡を起こすのはいいとしてもそこらへんの伏線がなにか欲しかったような気がしないでもない。

黒雪姫先輩のハイスコア出して意味深な発言を残すことで意中の相手に意識させる手口をどこかで見たと思ったら『耳をすませば』の天沢聖司くんだ。

たくさんの本の貸出カードに名前を残し、会った時に意味深な言葉を残す。

「コンクリートロードはないと思うぜ?」

この陰湿かつ高圧的なやり口がそっくり。

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