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少しイカレてるくらいがちょうどいい
『からくさ図書館来客簿 冥官・小野篁と優しい道なしたち』 仲町六絵 メディアワークス文庫



京都の一角に佇む「からくさ図書館」。

優しげな図書館長の青年と可憐な少女とが二人きりで切り盛りする、小さな私立図書館。

紅茶か珈琲を味わいながら読書を楽しめる、アットホームなこの図書館には、その雰囲気に惹かれて奇妙な悩みと出会ったお客様が訪れる。

それぞれに悩みを抱えるお客様に、図書館長・小野篁が差し出すのは、解決法が記された不思議な書物で――。

悠久の古都で綴られる、ときにほろ苦く、けれど温かなライブラリ・ファンタジー。

つづきはネタバレ注意





古都・京都の一角にある私立図書館に訪れる奇妙な悩みを持つ人のため、館長・小野篁と時子様が不思議な書物で解決に導く幻想譚。

寺社仏閣や仏教神道、料理や樹木などの専門知識が物語の中で散りばめられている。

時代小説でデビューした作家さんらしいので知識の豊富さはすごい。

『道なし』という現世に未練がある幽霊を平和的に成仏させるストーリーは、わりとよくある話。

ただ、主人公設定はなかなかおもしろいかもしれない。

平安時代の優秀な官人で、その有能ぶりを買われて地獄の閻魔大王にも仕えたという逸話もある小野篁が主人公。

時代小説(歴史小説)でデビューした作家さんらしいのでそこが強みなのかも。

しかし、平安時代に生まれた小野篁が主人公ではあるものの、すでに1200年ほど経過していて現代になじみまくっている状態なので現代人といっても過言ではない。

うーん、小野篁である必要性が薄まっているような……。

あと図書館という舞台設定もあまり活かされていない。

小野篁が本好きで私立図書館を現代の結界として術が使えるようにした。

図書館に訪れた悩める訪問者の記憶を基に作られた不思議な本を読むことで『道なし』(未練のある幽霊)を成仏させる方法を見つける。

しかし『道なし』の未練は図書館や本とは全く関係ないため、別に図書館でなくてもいいかなぁと。

シリーズ作品なので2巻以降はどうなるかわからない。

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