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昔話『ネコ耳メイドとSF執事、そして安楽死探偵』21

前回のあらすじ

シリアス展開突入です?







SF「私は……性的なものが嫌いなんです」

私(何言ってんだこいつ……)

あなたの胸部についているそれは飾りですか?

アクセサリー感覚で取り外し可能なんですか?

それなら触って確認してもよろしいですか?

触ったり揉んだりつまんだり舐めたり顔を埋めたりしてもいいですか?

どうなんですか!?

どうもこうもありません。

ダメに決まっているでしょう、変態野郎共。

このブログは全年齢対象の健全なブログですっ♪

画面の前で横ピースしながら「きゃぴる~ん☆」とTwitterで呟いてくれた方には、私の胸を見せないこともないです。

後輩は性的なものを嫌悪の対象として見ているようです。

私は性的なものを嫌悪の対象として見ることができません。

おっぱいとは希望であるべきです。

おっぱいには揉んで良し、舐めて良し、埋めて良しという希望が詰まっていると思います。

おっぱいに貴賎はありません。

ただ貧富の差があるだけです。

うーん、希望じゃなくて欲望の間違いですか?

一字違いでこうも印象が変わるのですね。

まあ、絶望でなければどちらでもいいです。

この昔話は、希望とは何かを伝えるための物語ですから。

死にぞこなって、死にたがって、嫌々生きている私が、希望を語る資格はあるのでしょうか。

バカみたいですか?

アホみたいですか?

クズみたいですか?

イカレてますか?

それなら問題ありません。

人間は少しイカレてるくらいがちょうどいいのです。

遡ること10分前です。

SF「は? 対人恐怖症?」

私「間違ってたら謝るよ。ごめんね?」

最近の女子高生は何をするのか分からないので、何かされる前に深々と頭を下げておきます。

男と女がケンカをした時、先に謝るべきは男の方だと誰かが言っていました。

その根拠や理由については詳しく聞いていませんが、その方が問題を早期解決することができるのでしょうね。

面倒なことや嫌なことは、大きくなる前に潰しておくべきだと思います。

嫌なことや面倒なことから目をそらし続けることにも限度がありますからね。

見てください、私を。

嫌なことや面倒なことから目をそらし続けた結果、死にぞこないの死にたがりになってしまいましたよ。

そろそろ「人間失格」を名乗っても文豪に失礼にあたらないと思うのです。

理想は玉川上水で入水ですが、残念ながら私は自殺することが許されていません。

だから市民プールに頭から突っ込んで両足でVサインを作りたいと思います。

ミステリ好きな方には「見事な佐清でした」と拍手喝采ものでしょうか。

子どもは半泣きで、監視員はガチギレでしょうね。

SF「どうしてそう思ったんですか?」

烈火のごとく罵られるのではないかと思いましたが、意外にも彼女は冷静でした。

私はお茶を一杯飲んでから喉と心に余裕を与えてから話し始めます。

私「昔の友達に似てたから。人と目を合わせないところが」

SF「合わせられますよ」

そう言って後輩は顔を近づけてじーっと見つめてきます。

私は無表情に彼女の瞳を覗きこみます。

最初は何ともないように装っている後輩でしたが、徐々に瞳が揺れ始めます。

私「ダウト」

SF「半分は当たりです。半分は」

イエスって言っちゃえよぉ、素直になれよぉ、と脅したい気持ちをなんとか抑えます。

対人恐怖症ですか、という問いに対して、半分は正解、という解ですか。

それは何を意味しているのでしょうか。

つまりそれは……。

えーっと、うん、つまり……なんだ……えーあーうー。

私「ヒントください、ヒント」

先に素直になった方が勝ちなんですからね!

SF「お得意の推理を見せてくださいよ、安楽死探偵さん♪」

私「探偵じゃないし。安楽死はしたいけど」

SF「何言ってんすか」

私のことを安楽死探偵と呼ぶなんて、偽妹ちゃんはデートのことをどこまで話しているのでしょう。

もしもラッキースケベの話までされていたら私は社会的に死んでしまいます。

なんだか後輩の微笑が悪魔の微笑に見えてきました。

こういうことを疑心暗鬼というのでしょうか。

しかし私はすでに人間不信だからどうということはありません。

人を信用できないということは、人を愛せないということと同じです。

そう教えてくれたのは誰だったでしょうか。

日本の総理大臣やアメリカの大統領でないことは分かります。

恋愛小説の著者だったか、アクション映画の役者だったか、忘れてしまいました。

記憶力には自信があるのですけどね。

SF「答えは見つかりましたか?」

私「異性恐怖症でファイナルアンサー!!」

ライフラインを三つも残して一千万円の問題に挑戦する勢いで答えてやりました。

覚えている方はいるでしょうか。

一般の素人さんが参加できるクイズ番組って素敵ですよね。

私は答えが来るまでの間の緊張感を楽しむことにしました。

あの番組はなかなか答え合わせをしてくれない司会者も名物でしたからね。

カッチカッチカッチカンチッカッチカッチカッチャン。

あの日あの時あの場所で交通事故に遭った高校球児はー、と。

胸の奥にある心臓が規則的に鼓動しています。

そろそろ答えが返ってくる頃かなと彼女に向かって微笑みかけます。

私「(・∀・)ニヤニヤ」

SF「……」

私「(・∀・)ニヤニヤ」

SF「…………正解です」

私「(*・∀・*)ワーイ」

当然の結果です。

対人恐怖症で半分正解なら、異性恐怖症で全部正解でしょう。

それに、対人恐怖症なら偽妹ちゃんやきーちゃんと話す時も視線を合わせることができないはずです。

しかし後輩は彼女たちとは普通に目を合わせて話すことができていました。

あー、それから手と手を取り合った時に小刻みに震えていた……気がします。

そろそろ面倒なので説明終了です。

ご都合主義ですか?

いいえ、これは日本のどこかで繰り広げられた現実です。

私「共学の高校だと大変そうだねー」

SF「そうでもないっすよ。別に重度の異性恐怖症ってわけじゃないですし」

私「ああ、そうなんだ」

SF「というか、異性恐怖症とは少し違うんすよ」

私「え? 違うの?」

じゃあ、不正解じゃないですか。

そんな……正解だと思って喜んでいたのに……。

そんなのひどいです。

ライフラインを三つも残して一千万円に挑戦したのに不正解になるくらいの恥ずかしさです。

私「良かったら少し話を聞かせてくれない?」

SF「え?」

私「偽妹ちゃんから聞いてないの? 私は心理カウンセラーの資格を持っているんだよ」

私は給仕役の学生にお茶のおかわりを二人分注文しました。

それからお茶に合うお菓子も二人分注文します。

ここからは少し話が長くなりそうですからね。

長い話をする時にはお茶とお菓子が必須です。

SF「やっぱり先輩は嘘つき村の住人ですね」

私「正直村に転居届出したばかりだから。まだ受理されてないんだよ」

ええ、きっとそうです。

そうに決まっています。

SF「そういえば失恋で失意のどん底にいた妹を救ったのは先輩でしたっけ」

悲しそうな顔をした後輩がようやく笑いました。

偽妹ちゃんを救えたかどうか、あれを救いと言うべきか否か、それは分かりません。

しかし、今までに何人もの悩める電気羊をアンドロイドの夢から救ってきたことは確かです。

おお、なんだかSF映画っぽい展開になりそうですね。

すぐに新しいお茶とお菓子が用意され、これでいつ話し始めても大丈夫です。

そして後輩は重い口を開きました。























SF「私は……性的なものが嫌いなんです」

私(何言ってんだこいつ……)

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