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昔話『ネコ耳メイドとSF執事、そして安楽死探偵』20

前回のあらすじ

君の知らない物語

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最初は呆れたような表情をしていた後輩も、次第に元の真剣な表情に戻っていきます。

きーちゃんと仲良しで、そのうえ勘の鋭い子だと分かっていましたから、気づいてくれると思っていました。

SF「なるほど。恋の勝負に負けたんすか」

私「いやいや、土俵にすら立っていません」

SF「ああ、勝てない試合はしないタイプですか」

後輩は意地悪そうにニヤニヤ笑います。

私「略奪愛に興味はないから」

私は仲の良い二人の友人を想ってヘラヘラ笑います。

いえ、ただの負け惜しみですね。

あの時の私は、ぶどうを目の前にして何もできなかったキツネの気持ちを理解できたかもしれません。

まあ、そんなことどうでもいいのです(・∀・)キニシナイ♪

仲のいい恋人達の和を乱すほど嫉妬深くありません。

仲のいい友人達の輪から外れるほど孤独を愛せません。

SF「姉さんは気づいてんすかね」

私「わかんないけど、きーちゃんも勘が鋭いからなぁ」

気づいていて黙っているのか、気づいていないから黙っているのか。

しかし、どちらにしても私が選ばれなかったという事実に変化はありません。

さて、嘘偽りなく答えたのですから、これでゆっくりお茶を飲むことができます。

んー、嘘をつかないって素晴らしいですね。

一年で嘘をついていい一日があるように、一年で嘘をつかなくていい一日を設けるのも悪くありません。

きっと今日が記念すべきその日だと思います。

今日もお茶が美味しいです。

SF「先輩、先輩」

私「なに?」

SF「嘘つき」

私「は?」

今なら狼少年の気持ちも少しだけ分かる気がします。

SF「先輩は嘘つき村の住人ですね」

私「……」

SF「ところで、先輩は妹のことが嫌いですか?」

私「自由恋愛推奨なんじゃなかった?」

SF「自由恋愛推奨っすよ。ただ、嘘をつかれたのでカチンときました」

私「嘘はついてないよ」

私は嘘をついていません。

全部の理由を話していないだけです♪

SF「姉妹丼です」

私「シマイドン?」

それはもしかして崎陽軒の新メニューですか?

きっとシュウマイ丼が言い間違いでシマイ丼となったのです。

きっとほかほかご飯にシュウマイてんこ盛りというボリュームたっぷりな商品でしょうね。

そこにしょうゆをぶっかけただけというシンプルな料理なのです。

からしはお好みでつけてください。

そういえば私は、からしがあまり好きではありません。

別に辛い物が苦手というわけでもなく、からしを食べると発狂してしまうわけでもありません。

「からしが無くてもええじゃないか」精神で生きているからです。

からしが食べられる場面というと、おでんに納豆といったところがメジャーですね。

納豆にはネギを入れてもからしは入れません。

おでんにはその時の気分によってからしを入れますが、なくても美味しくいただきます。

私にとってからしとはその程度の存在なのです。

しかし、からしと比較的近い位置にあるわさびの存在は欠かせません。

刺身や寿司にわさびは欠かせず、あって当たり前というものです。

SF「つまり妹に手を出し、続いて姉にも……」

私「私にそんな度胸はないよ」

からしの必要性とわさびの重要性について考えている間、後輩は姉妹丼の良さについて語っていたようです。

なんだか後輩と話をするのが疲れてきました。

文化祭も楽しむことができましたし、そろそろおやつを食べる時間ですから。

今日のおやつはプリンにしましょう。

時間を確認するために携帯電話に手を伸ばします。

SF「失礼なこと聞いていいすか?」

私「ああ、はいはい。どうぞー」

私は携帯電話を開きながら応じます。

真面目に聞くのも面倒だったので適当に聞き流すつもりでいました。

しかし次に後輩の口から出てきたのは、聞き流すことのできない言葉でした。

SF「先輩は本当に姉さんのことが好きだったんですか?」

私「は?」

SF「本気で好きだったら二人の前で笑っていられないと思うんですけど」

私「あのさ、私も失礼なこと言ってもいい?」

SF「どうぞ」

私は呆れた表情で言います。

私「少女漫画の読み過ぎだろ」

SF「私は少年漫画の方が好きっす」

私「ジャンプとか?」

SF「ジャンプとか」

まあ、正直どちらでもいいです。

これは漫画の中の恋愛と現実での恋愛は違います。

たとえ好きな人が友人の恋人だったとしても、たとえ好きな人が自分のことを好きになってくれなくても、平気な顔で過ごすくらいできて当たり前です。

私「ついでにもう一ついい?」

SF「何すか? 性癖の告白ですか?」

私「後輩って……」



















私「対人恐怖症?」

その瞬間、後輩の顔から笑みが消えました。

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