忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



昔話『ネコ耳メイドとSF執事、そして安楽死探偵』14

前回のあらすじ

キミと一緒がいちばん好きよってもっとぎゅっとね

キミを新しい場所へと引っぱってっちゃう

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0057M06G4

*申し訳ありません。大変長らくお待たせいたしました。



ざんぎり頭をポンと叩けば文明開化の音がします。

これは小学六年生の社会科の授業で習います。

ネコ耳メイドに手を引かれて歩けばドナドナ気分も味わえます。

これは一生に一度味わえるかどうかだと思います。

それから食べ物を粗末にするなんてもってのほかです。

つまり「お残しは許しまへんでぇ!」という言葉を忘れるなということです。

ああ、アレルギーとか宗教上の理由でどうしても食べられない場合は除きます

しかし私の知り合いはイスラム教徒のくせにポークカレーを食べていました。















解せぬ……(・Д・ )













まあ、そんな国際的で宗教的で禁忌的な話をここで掘り下げていこうとは思いません。

私「これからどこ行こうか」

妹「どこに行きたいですか?」

勝手知らない高校の文化祭でどこに行きたいか尋ねられても困ってしまいます。

今なら犬のおまわりさんの気持ちも少しだけ理解できるかもしれません。

ワンワン吠えることしかできない駄犬とは言わせません。

この首輪にかけて子猫ちゃんのお家を探す、と豪語する雄犬なのです。

でも個人的には「雌犬」という単語の方が興味をひきます。

十八歳未満の読者の方は「雌犬」という単語の意味を検索してはいけませんよ?

「雌豚」も同様です。

ちなみに私の食生活は鶏肉に支配されています。

ええ、牛よりも豚よりも鶏は安いですから。

携帯電話で時間を確認してみると、まだ昼食をとるには早い時間です。

それに先ほどクッキーとコーヒーをいただいたばかりなのでお腹もすいていません。

私は廊下に貼られている宣伝チラシを一枚一枚見ていきます。

その中の一つに目を留めました。

私「体育館で音楽ライヴやってるみたいだけど、行ってみる?」

妹「はい!」

やけに元気よく返事をするので頭をなでてあげたくなりました。

しかしネコ耳カチューシャが邪魔をしていたのでやめておきました。

体育館に行ってみると、ステージ上でガールズバンドが楽器を演奏し、観衆に向かって歌声を披露していました。

観客は大きな体育館を埋め尽くすとは言えませんが、それなりの集客数を誇っていました。

今流れている曲は何というのでしょう。

テレビか何かのお店で流れているのを聴いた覚えがあります。

最近の音楽やJ-POPは疎いのですが、記憶をたどりながら推理します。

女子高生が歌っているからおそらく女性ボーカルの曲でしょう。

そして彼女達と同じく女性三人組ユニットだと思います。

そこから導き出された答えは……。























私「Perfume……?」

妹「チャットモンチーですよ」

この頃はまだスリーピースバンドでした。

その後、チャットモンチーの曲やスピッツの曲が続きました。

それからまた曲が変わりました。

曲が変わるたびに偽妹ちゃんにバンド名と曲名を教えてもらっていた私ですが、その曲だけは分かりました。

私「あ、これは知ってる。SCANDAL

妹「どうしてチャットモンチーは知らなくてSCANDALは知ってるんですか」

また曲が変わりました。

妹「ご主人様。この曲は何ですか?」

私「えーと、中ノ森BANDかな。知ってる?」

妹「知りません」

何年か前に解散していますからね。

私も久しぶりに聴きましたし。

そんなことよりこのガールズバンドの音楽の方向性が全く分からないんですけど。

とある宇宙刑事は言っていました。

「若さとは振り向かないことさ」

なるほど。

これこそが彼女達の音楽の方向性を決めていない理由ですね。

若くて可愛い彼女たちは、方向を決めず、振り向かず、ただ真っ直ぐ突っ走っているのですね。

確かにそうかもしれません。

彼女達は疾走感ある演奏をしていますから。

何より観客よりも自分達がとても楽しそうに。

私(演奏はちょっと下手だけど……)

しかし、そんなことは瑣末な問題です。

彼女達はこれでお金をもらっているわけではありませんから。

文化祭は楽しむことが一番です。

面白きことは良きことなりー、と京都に生息するもふもふ動物も言っていました。

最後の演奏を終えたところで彼女達はステージ袖にはけていきました。

携帯電話を確認してみると、お昼にちょうどいいお時間となっていました。

私「お腹空かない? 何か食べに行こう」

妹「はい。何がいいですかね」

私「色々屋台を見ながら決めようか」

妹「はい」

どうやら今日はお弁当の出番はないようです。

嬉しいとは思いませんでした。

悲しいとも思いませんでした。

その時の私の感情は上手く説明できません。

壊れるほど愛しても三分の一も伝わらないでしょう。

そんな何とも言い難い感情を抱えながら出店を見てまわります。

私「お祭り好き?」

妹「はい。夏祭り、楽しみにしてたんですよー?」

どうやら墓穴を掘ってしまったようです。

そのまま埋まって眠りにつきたい気分ですが、気を取り直して話題を変えます。

私「偽妹ちゃんはお祭りの屋台で何が好き?」

妹「そうですねー」

たこ焼き、からあげ、お好み焼きなど定番の商品が売られています。

しかし昼食としては少し満足できないようなラインナップです。

そういえば大阪の人は、お好み焼きとご飯をいっしょに食べると聞きましたが、それは事実でしょうか。

お好み焼きとご飯ですか……。

お好み焼きとご飯ですか……。

いえ、何でもありません。

偽妹ちゃんは一つの屋台に目をとめました。

妹「あ、わたあめ」

私「食べようか」

妹「え、でもお昼……」

私「一つください」

偽妹ちゃんの意思を無視してわたあめを一つ購入しました。

私「はい」

妹「ありがとうございます。あの、お金。後で払いますね」

偽妹ちゃんは申し訳なさそうに言いました。

けれどその気持ちだけで十分です。

彼女はついばむようにわたあめを食べると、お祭りの思い出話をしてくれました。

妹「お姉ちゃんといっしょに祭りに行ったら、いつもリンゴ飴とわたあめを買って食べるんです」

楽しそうに懐かしそうに話す彼女を見ていると、目から汗が流れてきそうです。

でも私にだって偽妹ちゃんに負けないくらいのお祭りの思い出がありますよ。

なんと私――お祭りでヤクザに追いかけられて死の危険を感じたことがあります!



















思い出って何だっけ……(´・ω・`)

人気ブログランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ blogram投票ボタン Twitterボタン


拍手[0回]

PR

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿


この記事に対するトラックバック

トラックバックURL