Date:2019/05/29 22:05
本『Hello,Hello and Hello』 葉月文 イラスト:ぶーた 電撃文庫
「ねえ、由くん。わたしはあなたが――」
初めて聞いたその声に足を止める。
学校からの帰り道。
中学のグラウンドや、駅前の本屋。
それから白い猫が眠る空き地の中。
なぜだか僕のことを知っている不思議な少女・椎名由希は、いつもそんな風に声をかけてきた。
笑って、泣いて、怒って、手を繋いで。
僕たちは何度も、消えていく思い出を、どこにも存在しない約束を重ねていく。
だから、僕は何も知らなかったんだ。
由希が浮かべた笑顔の価値も、零した涙の意味も。
たくさんの「初めまして」に込められた、たった一つの想いすら。
これは残酷なまでに切なく、心を捉えて離さない、出会いと別れの物語。
第24回電撃小説大賞金賞。
つづきはネタバレ注意
「ねえ、由くん。わたしはあなたが――」
初めて聞いたその声に足を止める。
学校からの帰り道。
中学のグラウンドや、駅前の本屋。
それから白い猫が眠る空き地の中。
なぜだか僕のことを知っている不思議な少女・椎名由希は、いつもそんな風に声をかけてきた。
笑って、泣いて、怒って、手を繋いで。
僕たちは何度も、消えていく思い出を、どこにも存在しない約束を重ねていく。
だから、僕は何も知らなかったんだ。
由希が浮かべた笑顔の価値も、零した涙の意味も。
たくさんの「初めまして」に込められた、たった一つの想いすら。
これは残酷なまでに切なく、心を捉えて離さない、出会いと別れの物語。
第24回電撃小説大賞金賞。
つづきはネタバレ注意
一週間で世界から存在が消えてしまう少女と普通の少年(変な人)が出会いと別れを何度も繰り返す物語。
電撃文庫から刊行されているけれど、内容はメディアワークス文庫のようなライト文芸に近い。
世界から存在が消されるという不思議はサラッと説明される。
べつに謎を解いてどうするとか抗うとかそういう話ではないみたい。
ただしその設定は、二人の恋愛の障害として活かされている。
叙情的な文体で綴られるのでちょっと青臭いというか首筋をかきむしりたくなるようなセリフも出てくる。
私も年をとったのかなぁ……。
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