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少しイカレてるくらいがちょうどいい
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前回のあらすじ

Q「春を売るって本当ですか?」

SF「本当です!」

ヤらせません。


拍手[2回]






私「……」

SF「どうしました先輩? 今にも人一人ぶっ殺す、みたいな目をしていますよ?」

私「冗談でも笑えない」

SF「先輩の目つきが悪いのは今さらじゃないっすか」

私「そっちじゃなくて」

SF「ああ、売春の話ですか」

後輩は、何てことないようにあっさりと言ってのけます。

日常生活の中でポッと出てきて良い単語ではないと思うのですけどね。

いくら下ネタ好きな人間がいたとしてもあけすけに言うわけがありません。

ましてや彼女にとってそれはトラウマです。

嫌悪や憎悪といった感情を呼び起こさせるものです。

そんな言葉を彼女が口にするというのは、どういうことでしょうか。

もしかして……。

私「進路のこと? 就職活動が上手くいってないの?」

SF「…………はい」

後輩は、悲しげな声で返事をしました。

その表情もどこか辛そうに見えます。

私「就職活動が上手くいかなくて自殺を考えたり実行したりする人は、私が就活していた時もいたけど……風俗嬢になると考えた人はなかなかいないと思うよ」

SF「だってもう……それしか道がないじゃないすか」

私「どうしてそういう発想になるのかな。SFは、極端すぎるよ」

SF「それは、私の親が元風俗嬢だから……」

私「前にも言ったと思うけど、あなたの母親の人生とあなたの人生は違います。あなたの人生を歩んでください」

SF「……」

私「なに? 本気で風俗嬢やりたいの?」

犯罪で報酬を得るよりも股を開いて報酬を得る方が良いとは思います。

後輩が本気でそれを望むなら止めません。

私「職業選択の自由がこの国の憲法では認められてるからね。いいと思うよ?」

SF「いえ、ちょっと冗談半分っていうか……すみません。正直、ヤリたくないです」

私「冗談でもそういうこと言うなよ」

SF「はい。すみません」

世の中には、就職留年や非正規雇用という選択肢もあります。

留年は、後輩の家庭の経済事情を考えると難しいかもしれませんが……。

それでもアルバイトや派遣社員・契約社員という道をどうして考えないのでしょうか。

私「本当に何があったの?」

SF「……」

今までも後輩の就職相談には乗っていました。

けれども、ここまで追い詰められている後輩を見るのは初めてです。

SF「就職できるかできないかって……育ちの良し悪しも関係するんですか?」

私「ちょっと待って。企業の就職面接で学生の家庭環境まで分かるの? マナーとか社会常識なら分かると思うけど」

SF「この前の面接で……」

後輩から話を聞くと、面接で家庭環境やそれまでの生い立ちを根掘り葉掘り尋ねられたようです。

後輩は、母親の元職業のことを伏せておいたようですが、面接官は渋い反応をしていたとのことでした。

私「圧迫面接だと思う。多分」

SF「ええ、マジすか!?」

私「マジです。面接で宗教とか政治とか家族関連の話を聞くのはタブーだった……気がする」

家族関連の話題は微妙なところですが、あまりにも深く質問し過ぎるのはいけないことだと聞いた覚えがあります。

SF「うわあ。悩んでいたわたしがバカみたいじゃないすか」

私「悩むことは仕方ないけど、就職先がないから体売るって短絡的発想に至るのはバカだと思うよ」

SF「辛辣っすね。でも、自殺するって発想にならなかっただけマシじゃないすか?」

私「…………」

SF「先輩。目が怖いんでやめてください。すみません、わたしが悪かったです」

私「就職先が決まらない、内定が出ない、っていう辛さは私も分かるけどね」

私も卒業までに就職先を見つけようと必死に就職活動をしていましたから。

無内定……迫る卒業論文の締め切り……うっ頭が……。

SF「でも、本当にどうかしてましたよね、わたし」

私「本当に」

気を取り直してまた何か歌おうとカラオケのタブレットに手を伸ばします。

SF「でも、育ちの良し悪しって何気ない言動や行動に出ますよね?」

私「箸の持ち方とか食べ方とか?」

SF「そうですそうです。元彼と別れた原因もそこらへんが嫌になったのもあるんす」

箸の持ち方が下手だったか、食べ方が汚かったのでしょうか。

SF「先輩は、外出先で靴紐が解けた時、どうやって結びますか?」

靴紐の結び方にそれほど個人差が出るとは思いません。

しゃがみこんで靴紐を結ぶ、だけではないでしょうか。

ベンチがある場所ならベンチに座って靴紐を結べばいいと思います。

私がそう答えると、後輩は元彼の靴紐の結び方を教えてくれました。

SF「ビルとか店とかの壁に靴の底をくっつけて結んでいました。それも毎回」

自分がしゃがまないで良いように、しゃがむ負担を減らすため、というメリットはありますが……。

SF「そのことを指摘すると、すでに汚れているんだから別にいいだろ、って言うんです。どう思います先輩?」

いくら雨風にさらされているビルや店の外壁とは言え、靴の底を押しつけるのはどうなのでしょう。

私「育ちの良し悪しはともかくとして……あまり良い結び方ではないかもしれないね」

SF「ですよね。それをあの男は……」

後輩は、ぶつぶつと呪詛を吐きだします。

ほんの少しだけ顔色と声に元気が戻ってきたように思います。

そこで私は、後輩に聞いてみたいと思っていたことを尋ねてみます。



















私「たとえば人生にマニュアルがあったとして、後輩はそれを読んでみたいと思う?」




















SF「読みません」

即答でした。

それからニヤニヤ笑いながらこう言います

SF「先輩。マニュアルに頼ったセックスはダメですよ?」

私「お前は何を言っているんだ?」

SF「え、そういう話じゃないんですか? 人生のマニュアルって」

私「人生のマニュアルがセックスの教本っておかしいだろ!」

後輩の口から下ネタが出るようになったらそれは元気な証拠です。

性的なものが嫌いなくせに自分から下ネタを振るなんてマゾでしょうか。

いいえ、きっと彼女なりの処世術です。

彼女には、人生のマニュアルなんて必要ないのです。

私「就職活動、上手くいくといいね」

SF「はい。そういう先輩も上手くいくといいっすね」

私「…………まだ会社を辞めるつもりはないよ」

SF「早めの方がいいっすよ? 前に会った時よりゲッソリしてますし、今にも倒れそうな感じです」

友人に心配され、恋人に心配され、後輩にも心配されてしまいました。

毎日鏡を見ている自分が気づかず、久しぶりに会った人の方がよく気がつくものなのでしょうか。

分かりません。

私「まあ、そのうちね。今は、辞めた後に裁判になっても良いようにお金を貯めないと」

SF「会社ともめる気満々っすね」

長時間労働、パワハラ、残業代未払い、叩けばいくらでもホコリが出てくる会社です。

もめない訳がありません。

むしろ今まで社員ともめずにここまで来られたことがすごいと思います。
SF「それで、いくら貯め込んだんです?」

貯め込んだって……。

私「……万円」

私は、正直に現在の貯金額を伝えます。

後輩は、あごに手を当てながら考え込みます。

それからパッと明るい表情の顔をこちらに向けます。

SF「先輩先輩」

私「なに」

SF「結婚しましょう!!」

丁重にお断りします。

SF「ふかふかのふわんふわんですよ?」

それは、私の恋人のおっぱいが小さいことへのあてつけですか?

それとも自分のおっぱいが大きいことの自慢ですか?

私「ふっ。バカにしないでほしいね。私の恋人にもつまむ程度の胸はあるんだよ?」

SF「つまむ程度って……そっちの方がバカにしてません?」

私「いいえ。していません」

SF「せめて揉むとか掴むとか」

私「……手を添えることはできます」

左手は添えるだけ、漫画史に残る名言ですよね。

SF「先輩……諦めたらそこで試合終了ですよ……」

無理です。

成長期は、すでに過ぎ去っています。

その後、私達は延々とくだらない話題で笑い合いました。

おしまい。

それから数カ月後、後輩は大学卒業前に就職が決まります。

卒業後にその会社で働き始め、一年程で退職しました。

退職理由は、直属の上司からのセクハラだったようです。

辞めた後、彼女を労うために飲み会を開きました。

SF「先輩。クソ上司のチ○コを合法的にEDにする方法を知りませんか? 切るとか潰すとか腐らせるとか」

どう考えても合法的な手段ではありません。

それでも怒る元気があることは良いことです。

心と体が壊れる前に会社を辞めるのも一つの手段です。

どうかこの世から長時間労働とか未払い賃金とか過労死とかパワハラセクハラその他諸々がなくなりますように。

おしまい


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