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少しイカレてるくらいがちょうどいい
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前回のあらすじ

ネタバレいくない

*大変長らくお待たせいたしました。

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SF執事は帰るべき場所に帰ってしまいました。

メイドもいっしょに帰るのかと思いましたが、どういうわけか今もここにいます。

私の隣を歩きながら宣伝活動を続けています。

妹「メイド喫茶やってまーす。よろしくお願いしまーす」

廊下ですれ違う人達は彼女に釘付けです。

普段なかなか見られないメイド服というのも理由の一つですが、なにより彼女自身が可愛いからだと思います。

まあ、私の主観ですけどね。

時折、偽妹ちゃんの知り合いともすれ違いました。

彼女たちは口ぐちに「かわいい」「似合ってる」と褒め言葉をかけていきます。

最近の高校生は愛想笑いもお世辞もお上手ですね、と。

その言葉の中には羨望や嫉妬のような感情が混ざっているのではないでしょうか。

私は緋鯉のぬいぐるみを背負った黒髪の乙女を探してみました。

韋駄天コタツの出番はまだまだ早そうですね。

私(空から達磨でも降ってこないかしらん)

ありもしない外堀を埋めるような空想に耽っていると、誰かに手を掴まれました。

違うんです、警察の方。

私はお金を払ってでも女子高生に手を出そうとする変態ではありません。

自殺者予備軍ではあるかもしれませんが、犯罪者予備軍ではないと自覚しています。

だから捕まえないでください。

どうせ捕まえるならライ麦畑でお願いします。

妹「おにいちゃん。ちょっと歩くの早いです」

私「あれ?」

妹「すみません、ご主人様でしたね」

私「いや、そうじゃなくて……」

偽妹ちゃんは首を傾げながら大量の疑問符を頭上に浮かべている気がします。

私は頭上に浮かんでいるだろう疑問符を消すために愛想笑いを浮かべます。

私「ごめん。ちょっと考え事してた」

妹「行きましょう」

私は腕を引っぱられて前へ前へと進み始めました。

常に後ろを振り返ってばかりの私でも、誰かが導いてくれるなら前に進むこともできるのです。

まあ、嘘ですけどね。

誰かタイムマシンを開発してくれませんか。

そのタイムマシンに乗って過去を改変しまくってやります。

タイムマシンにお願い♪

私(ドーナドーナドナ仔牛の子♪)

ドナドナを某ジブリ映画のオープニング曲風に歌ってみました。

どなたかドナドナをパンクバンド風に歌い上げてくれませんか。

ドォナドォナドォーナァードナナナナァァァー!!

こんな感じでしょうか。

パンクバンドというよりはデスメタル風でしょうか。

そんな私はカラオケが苦手です。

最近の曲の流行などてんで知らないからです。

私「これからどこに行くの?」

妹「いろいろです!」

満点とは言えない答えが返ってきました。

どうやら私はこれから色々なところへ連れて行かれるようです。

けれど私は、ネコ耳メイドに首輪をつけて夜のお散歩プレイに興じたいです。

そのために餌付けをしましょう。

私「うまい棒食べる?」

妹「いりません」

私「(´・ω・`)」

妹「無駄遣いはダメですよ?」

私「これは必要経費だよ」

妹「何のですか」

偽妹ちゃんは困ったような笑みを浮かべています。

私はパンパンに膨らんだビニール袋をブンブン振りながら勇ましさを表現してみます。

未来からの蒼き使者を倒すのは勇者ではなく私の役目ですからね。

日本の文化は私が守ってみせます。

武器は何がいいですかね。

うまい棒……では折れてしまいますよね。

魚肉ソーセージ……でも折れてしまいますね。

フランスパン……ではフランス人に怒られてしまいます。

そもそも武器=食べ物という考え方を捨てなければいけません。

妹「先生、こんにちは」

教「ああ。こんにちは」

目の前にスーツ姿の男性が現れました。

会話の内容から察するに担任教師のようです。

私は少し離れて二人の様子を眺めます。

できることなら関わりたくないからです。

教「そちらの方は?」

私の思いとは裏腹に教師が尋ねてきました

私は一歩前に踏み出して、愛想笑いを浮かべます。

そして――。
























妹「はい。私のおにいちゃんです☆」

私「え……」

教「え……」



























ちょっと待ってください。

作ったばかりの愛想笑いが一瞬にして崩れ去りましたよ。

教師も驚きを隠せないという表情をしていますよ。

そりゃそうですよ。

偽妹ちゃんに実の姉はいても実の兄などいないのですから。

それでも紹介された以上、挨拶しなければ失礼になります。

私「初めまして、××××です。いつも妹がお世話になっています」

教「××××さん?」

あ、偽妹ちゃんの兄という設定なのに本名を名乗ってしまいました。

担任教師は混乱しています。

私は混乱を解くために新たな言葉を投げかけます。

私「腹違いなんですよ」

教「ええっ!?」

これで一件落着ですね。

名前が違うのも、顔が似ていないのも、血のつながりがなければこそというものです。

私「それでは失礼いたします」

妹「違うでしょう、おにいちゃん」

私「(´・ω・`)」

偽妹ちゃんが冷たい声で制しました。

担任教師に二言三言ほど伝えて誤解を解いてからその場を離れました。

階段を降りていくと二三人の男子高校生が駆け上がっていきます。

そのうちの一人は――偽妹ちゃんの元彼氏だったような気がします。

しかし偽妹ちゃんは、少しも気にする素振りを見せませんでした。

私(助けて、元彼氏!!)

私の声にならない叫びは、誰にも届きません。

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