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昔話『About A ××××』3

前回のあらすじ

「強くなりたい」!

「少年漫画の主人公でも気取っているの?」

「(´・ω・`)」




葬式には大勢の参列者がやってきました。

私の実家は地方の田舎にあり、枝分かれするように親戚筋が広がっています。

しかも祖父は本家の長男でしたから、分家の方々のほとんどが来ていました。

葬式の最中、私は一度も泣きませんでした。

「まだ子どもだからわからないのね」

名前の知らないおばさんが私の頭をなでながら言いました。

いいえ、私は祖父が死んだことをはっきりと理解したうえで泣かなかったのです。

というよりも泣けなかったのです。

だって、泣く理由がありませんでしたから。

復讐心も決意も無駄になってしまいましたね。

酒の飲み過ぎと煙草の吸いすぎでぼろぼろになっていた祖父の身体。

自業自得です。

医者の注意も家族の言葉にも耳を傾けなかったのですから。

祖父が死んだあとに私は知りました。

どうして祖父が私に対して怒るのかということです。

「こいつはすぐ泣く。今のうちに叱っておかないと社会に出たとき駄目になる」

叱って叩けば直るとでも思っていたのでしょうか。

今どきテレビも叩いて直しませんよ。

これこそが家庭での幼児教育だと祖父は思っていたのでしょう。

古ぼけた教育理念を建前として掲げて、実際は理不尽な怒りを幼い私にぶつけるのはやめてください。

勘弁してください。

いい迷惑です。

祖父の棺桶の前で私は思いました。

死んでくれてありがとう。

さようなら。

死者の尊厳とか冒涜とかそんなもの無視です。

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