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昔話『あの日見た花の名前を私達は忘れない』11

前回のあらすじ

きょうの先輩のコトバ

「白衣ってなんかエロいよね。私、白衣を着るために理系に進んだのかもしれない」

全国の研究者に謝ってください。



先ほど出たばかりのファストフード店に再び戻ってきました。

私はコーヒーを注文して、先輩はオレンジジュースを注文します。

二階の禁煙席に二人掛けの席に座りました。

先「昼も夜もハンバーガーってどうなの?」

私「昼はMスバーガーで、夜はMドナルドです」

先「いっしょじゃない」

全然違います、と言ってしまったら、誰かに怒られそうな気がしたのでやめておきます。

先「昼食のとき分かったけど、みりんちゃんは大食いなんだね」

私「自覚はないですけど」

先「痩せてるのにね」

私「太りにくいみたいです」

先「シネ♪」

私は笑って受け流します。

先「でもお姉さまとしては君の健康が心配だな」

私「大丈夫です。ほぼ毎日青汁飲んでますから」

この場を借りて宣言させていただきます。




青汁万能説!!



命を粗末に扱っている私が青汁飲むのも馬鹿みたいなんですけどね(・∀・)ネー

まあ、そんなことはどうでもいいのです(・∀・)キニシナイ♪

青汁は便利ですよ。

グリーンカレーに入れればグリーンの役を担ったり、お好み焼きに入れたら青のりの役割を果たしてくれます。

え、青汁の味がするんじゃないかって?

ご安心ください。

カレーは味が濃いなので青汁の匂いなんて全くしません。

お好み焼きもソースとマヨネーズをかけてしまえば分かりません。

でも私は、どちらかと言えば薄味が好きです。















先「みりんちゃん?」

私「あ、ごめんなさい。相談ですよね?」

先「うん。あのね……」

私「はい」

先輩は喉の奥からしぼり出すようにして声を出しました。

先「私、友人のことが好きなの」

私「そうですか」

先「驚かないの?」

私「なんとなく気づいていました」

いっしょにご飯を食べた時からなんとなく。

相談があると言われた時からなんとなく。

そして自販機の前で少し話した時からなんとなく。

あの時、自販機の前で先輩は私に言いました。














先「ねぇ、みりんちゃんって――友人のことをどう思ってるの?」


















私はその言葉を聞いてすぐに返事をできませんでした。

友人のことを本当は好いているとか本当は嫌っているとか、そういう理由ではありません。

面倒くさい質問をする女だな、と思いながら先輩の目を見ます。

テキトーに嘘をついてごまかしてもよかったですが、なんとも真面目そうな視線を私に送り続けます。

あー本気だよこの人って感じでした。

「本気」と書いて「ほんき」と読みます。

脳内国語の授業はこれくらいにしておいて先輩に返事をすることにしましょう。

失礼な私は彼女に背を向けて自販機と顔を合わせながら言いました。




















私「どうでもいいです」














それが真実です。

だって本当に興味がないのですから、そう言うしかありません。

それから私は自販機に硬貨を入れて三人分のジュースを買いました。

お汁粉もドクペもありませんでした。

三人分の缶ジュースを持って歩く私。

その背後から抱きつくように声をかける先輩。












先「みりんちゃん冷たーい」

彼女の身体からはやっぱり薬品の匂いがしました。

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