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昔話『あの日見た花の名前を私達は忘れない』7

前回のあらすじ

姉さん、事件です。

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私「……」

友「だれ?」

友人は不思議そうな顔で女の子と私の顔を交互に見ます。

その女の子は、ありもしない疑いを大声で言いながらこちらに歩いてきます

いつもの私なら愛想笑いを浮かべて「きゃぴる~ん☆」と言いながら彼女に抱きついているところです。

しかし今の私にはそんな変態行為に及ぶことができるほど心に余裕がありません

というよりも、白昼堂々と女の子に抱きつくほど私は変態じゃないです。

というか、私は変態ではなくてキチガイです!

だから変態とキチガイは違うとあれほど……。

まあ、そんなことはどうでもいいのです(・∀・)キニシナイ♪

私「きーちゃん。何やってんの?」

苦笑しながら彼女を問いただします。

き「すーくん。浮気しちゃダメだよ!」

きーちゃんは、私の言葉を無視して同じことを話します。

私「恋人いないから浮気も何もないんだけど(´Д`;)」

つい最近フラレたばかりですし。

告白も何もしてないですけどね。

ここにいる友人の先輩のことを言っているならきーちゃんの勘違いです。

それともアレですか。

失恋した私を精神的に追いつめるためにやってきたのでしょうか。

そうだとしたら、わざわざ休日に遠いところからお疲れさまでーすと心の中で言っておきます。

き「すーくんは浮気してるよー。だって、ほらぁ」

彼女は、私が持っていた袋に描かれている会社のロゴマークを指さしました。













Mスバーガー











き「いつもMドナルドを食べてるのにMスバーガーを食べるなんて浮気だよ!」

私「え、それだけのことで呼び止めたの?」

き「そうだよ。だって浮気は浮気だもん♪」

私「……」

現実で語尾に「だもん」をつける人を初めて見た気がします。

まあ、彼女は世界で一番「きゃぴる~ん☆」という擬音語が似合う純真むっくむくな女の子ですから。

まあ嘘ですけどね。

私「それで、今日はどうしたの?」

見たところ、きーちゃん一人だけです。

いつもいっしょにいるはずのきーちゃんの彼氏、友くんがいません。

き「今日は事務室に用事があったの」

私「そう。わざわざ休日に大変だね」

私は苦笑いから愛想笑いに切り替えて言いました。

き「今日、お夕飯を食べに行こうよ」

きーちゃんは屈託のない笑顔で提案します。

私はその提案に二つ返事で了承します。

それからきーちゃんとバイバイしよう思ったときのことでした。

先「か……」

私「?」

先「かわいいー!!」

私「っ!?」

今まで空気だった先輩がいきなり声をあげてきーちゃんに向かっていきます。

それから思い切り抱きつきました。

き「きゃー」

きーちゃんは悲鳴ともつかない声をあげています。

笑っているから楽しんでいるようです。

やわらかそうなアレたちが縦に横にと揺れ動きます。

私の心はそんなもので揺れ動きません、と念じながら、きーちゃんと先輩の百合展開を黙って見守ることにします。

先輩がそれなりに楽しんだところで聞いてきました。

先「この子だれ?」

私「××さんです」

きーちゃんの本名を教えてあげました。

先「みりんちゃんの恋人?」

私「違いますよ。恋人は別にいますよ」

先「ふーん。もらってもいい?」

私「あはは。頭おかしいんですか(・∀・)?」

先「冗談だって。目がいつもより怖いよ(´∀`)?」

私「あはは。頭おかしいんですか(・∀・)?」

個人的にムカついたので二回言いました。

いつも通りの愛想笑いをしたつもりでしたが、目が笑っていなかったかもしれません。

しばらくしてからきーちゃんは先輩に解放されて帰って行きました。

ようやく私達は昼食の時間を迎えることになりました。

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