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昔話『あの日見た花の名前を私達は忘れない』4

前回のあらすじ

「前々から言いたかったんだけど」

「うん」

「あのね……」

「うん」

「あらすじが役割を果たしてない」

「……うん」





先「肌白―い」

私「はぁ」

先「爪きれーい」

私「はぁ」

先「でも目つきこわーい」

私「……」

どうしてこうなったのでしょう(´Д`;)

ここは友人の先輩の家です。

先輩の家で飲み直すため、という嘘をついてやってきました。

本当ならすぐにでも先輩を寝かして帰るつもりでした。

だって私の帰りを待っている人がいるからです。

あ、人じゃありませんでしたね(´∀`)

すぐに帰るはずが、かれこれ一時間近くおじゃましています。

これまでに何があったか簡単に説明しましょう。

友人の先輩の家に到着する。

先輩をベッドの上に寝かせて私と友人は逃げる。

玄関まで来たところで先輩が追いかけてくる。

しかし後は靴を履いて逃げるだけだから大丈夫。

と思っていたら、先輩が見事にずっこける。

私の中のとっても小さな良心が痛んだので助けてあげる。

先輩に捕まる。

背後からチョークスリーパーをかけられる。

夜のプロレスごっこの開始のゴングがどこかで鳴る。

ブレーンバスターでもかけてやろうかと考える。

でも、背中に当たるやわらかなアレに免じて許す。

B……いや……Cかな。

その直後、友人からの鋭い視線を察知する。

私に対する熱い視線が友に向けるものではないことは確かだったので、静かに先輩から離れる。

鈍感ではない私は、ラブコメの主人公にも向いていないことを知る。

そして先輩に夜のおもちゃとして扱われることになる。

キャー。

説明終了。

友「先輩、そろそろ寝ませんか?」

先「何それー。誘ってんのー?」

友「ち、違いますよー」

先輩は酒に酔っ払っているから顔が赤いです。

しかし友人は別の理由で顔を真っ赤にさせています。

なんだか初々しいカップルを見ているようです。

微笑ましいなぁと思いながらも心の中では面倒くさいなぁと思う自分がいます。

何が面倒なのかは皆さんで考えてみてください。














真実はいつも一つだと思ったら大間違いですからね!!
















……意味がわかりませんね。

私「そろそろ帰りますね」

夜のおもちゃとして扱われることにそろそろ飽きてきました。

先「うん。またねー」

先輩もようやく満足したのか、ベッドにいそいそと入っていきます。

私と友人は外から鍵をかけて、ドアに備え付けられている郵便ポストから鍵を入れました。

私「これでいいだろ」

友「うん」

それから私達はたらたらと歩きながら来た道を戻って行きます。

途中で友人が私に言いました。

友「悪かったな。付き合わせて」

私「そう思うならジュースでもおごってよ」

友「ああ」

私はお茶を買ってもらい、友人はドクぺを買いました。

それからまた二人で飲み物を飲みながら歩いていきます。

友「あのさ……」

私「うん」

友「俺……」

私「あの人のこと好きなんでしょ?」

友「……うん」

私「がんばれ(・∀・)」

駅までやってきた私達はそこで別れました。

友人は一人暮らしの家に歩いて帰ります。

私は海洋生物と地球外生命体が待つ家に帰ります。

こうして夏の一夜は過ぎていきました。

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