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昔話『734円の事情』 8

前回のあらすじ

姉(偽)からもらったケータイ電話。

あんなに大事にしてたのに、壊れて出ない音があるー。

どーしよ。

どーしよ。






私「壊れちゃったー♪」

姉「もう、弟は昼も夜も暴れん棒なんだから~♪」

「ぼうの字がおかしいぞ」というツッコミは読者さんにお任せします。

私はもらったばかりの携帯電話を破壊しました。

スライド式じゃなくて折りたたみ式だから、逆折りするだけで簡単に壊れてくれました。

この時の私の心境は登山家と似ています。

そこに山があるから登る登山家。

そこに携帯電話があるから破壊するイカレた私。

ごめんなさい、登山家の人に失礼ですね……(´∀`;)

私は壊した携帯電話の裏面にあるフタを開けました。

しかしデータカードも電池パックも入っていませんでした。

私「データカードは?」

女「こっち」

女は、テーブルの下に隠していた右手を見せました。

やっぱりそうでした。

このドS女がそう簡単に携帯電話を渡すわけがないのです。

女「よくわかったねー」

私「人を信用しないダメ人間だから」

女「ふーん」

どうでもよさそうに返事をして、彼女は電池パックとデータカードを弄び始めます。

どうしようかなー。

このまま帰ってもいいんだけど、私の電話番号とメールアドレスを知られちゃってるからなー。

機種変更したばかりだから買い換えるわけにもいかないしなー。

困ったなー。

そう思っていたら、私の前に電池パックとデータカードと734円を渡してきました。

私「どういうこと?」

女「……ごめんね」

彼女は謝罪の言葉を述べてから泣き始めました。

私(ドS女の目にも涙?)

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