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昔話『裏通りサディスティック』17

前回のあらすじ

「あなたを殺して私も死ぬ」

これって自殺願望がある人に対して言っても効果ありませんよね。

「喜んで!」

みたいな返事が返ってきそうです。



私「あー」

×「……」

私「うー」

×「……」

私「だー」

×「うるさい」

私「頭の中で七人の小人がやっさいもっさいを踊ってるみたいだ」

×「頭強く打ちすぎた? それかクスリでもやってんの?」

私「それくらい頭の中がぐわんぐわんしてる」

×「マジで大丈夫?」

私「もう少し膝貸して。知ってる? 頭痛には女の膝枕が効くんだよ」

×「甘えるな変態」

それでも×××は黙って貸してくれた。

親友と殴り合った結果、私はまたぶっ飛ばされました。

まあ、こうなることは分かっていましたけどね。

彼は「喧嘩の天才」といわれるほどの猛者です。

どうがんばっても勝てるわけがないのです。

私「今ならあいつもいないから殺せるよ」

膝枕されながら私は言いました。

でも彼女の答えは変わりません。

×「無理だよ。あたしにあんたは殺せない」

私「どうして」

×「どうしても」

私「あーあ。可愛くてイカレた女の子に殺されるのが夢だったのに」

×「……アホ」

私「ねぇ、×××はどうして死のうと思ったの?」

×「いろんなことが嫌になってるところにあんたが数年ぶりに来たから」

私「私のせいかよ」

×「あんたは何で死のうと思ったの?」

私「生きてる価値がないから♪

×「そういうの愛想笑い抜きで言うの反則」

反則といえば、さっきの彼女の泣き顔は反則でした。

可愛すぎて、ちょっと殺したくなりました。

私「愛想笑い浮かべて他人を騙して他人の人生をぶち壊したことが数え切れないくらいあるんだよ? 生きてる価値ないよ」

×「その愛想笑いに助けられた人間もいるんだよ」

私「いないよ」

×「あたしがそうだもん。あんたには色々と助けられたんだよ。生きてる価値なんてないって言ってたけど、ちゃんとあるんだからね」

私「へぇ」

生返事を返したら頭を叩かれました。

×「ちゃんと聞きなさい」

私「はい……」

×「あんたがぶち壊した奴らは悪い奴でしょ?
  だったらあんたが責任感じることなんてない!」

私「えー、言ってること無茶苦茶だよ。
そいつらの人権無視してるし、多分全員が全員悪い奴じゃなかったよ」

×「いいじゃん。昔言ってたよね。
 人間、少しくらい無茶苦茶な方がちょうどいいんだよ」

私「少しイカレてるくらいがちょうどいい、ね」

×「そう、それそれ」

私「テキトーだな」

×「いいんだよ。テキトーで。好きでしょ、テキトー?」

私「まあね」

なんだか色々なことが有耶無耶にされてしまいました。

何か言おうとしましたが、私はいつの間にか眠ってしまいました。

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読んでくださってありがとうございます<(_ _)>

この話がフィクションだと思いたい方は、そう思ってください。

ノンフィクションだと思いたい方は、そう思ってください。

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