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本 『鴨川ホルモー』

 万城目学 産業編集センター

そうだ京都へ行こう。

ホルモーを観戦するために。



京都大学一回生の安倍と高村は、葵祭でのバイトを終えて帰る途中、サークルの勧誘をされる。

サークルの名前は、京都大学青龍会。

一見、広域指定暴力団か怪しげな宗教サークルと間違えられそうなこのネーミング。

渡されたビラには、まったく新しいタイプのサークル、と書かれている。

不審に思いながらも少しだけ興味を持った二人は、新歓コンパに参加することにした。

そのコンパで安倍は、同じ京都大学の早良京子と出会い、彼女の整った鼻に一目惚れする。

彼は彼女のことをもっと知りたくなり、高村と共に入会する。

彼らの他に芦屋、楠木ふみ、三好兄弟など総勢十人が新しいメンバーになった。

サ−クル活動のほとんどは、ハイキングやキャンプなどの野外レクリエーションだった。

だが、太平楽に毎日を過ごす彼らの背後に確実に「ホルモー」の影が近づいてきていた。

そして、とうとう「ホルモー」について知るときがやってきた。

上回生に連れられて、吉田神社にやってきた彼らはそこでオニと契約を結ぶ。

その契約を結んで初めて「ホルモー」を始めることができる。

ホルモーとは——。

陰陽道に基づいて鬼を式神として使い、十名で構成された大学のグループ同士が対戦する競技。

言い換えると、千匹と千匹のオニを引き連れて、京都市内で行う戦争ごっこ。

それを行うためには、オニと契約を結ばなければならない。

その契約を結んだものたちだけが「ホルモー」を始めることができる。

契約を結ぶのは、京都大学青竜会、立命館大学白虎隊、京都産業大学玄武組、龍谷大学フェニックスの各サークルメンバー十人(一人百匹ののオニを使役する)

比較的平和な競技であるが、自分のオニ達が全滅すると使役していた者は「ホルモー」と叫ばなければならなくなる。

というよりも、叫ばずにはいられないのだ。

その後、自分の大事なものやくだらないものを失ってしまうと経験者は語る。

ちなみに、オニは契約した者にしか見えない。

オニには、攻撃部隊と補給部隊という役割分担がある。

攻撃部隊のオニは槍を持って攻撃する。

補給部隊のオニは使役者からレーズンをもらって倒されたオニに与えて復活させる。

【関連リンク】

『鹿男あをによし』

『ホルモー六景』

『鴨川ホルモー』

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