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本『名探偵と海の悪魔』 スチュアート・タートン

『名探偵と海の悪魔』 スチュアート・タートン 訳:三角和代

 時は17世紀、 大海原を進む帆船で起こる怪事件。
 囚われの名探偵に代わり、屈強な助手と貴婦人が謎を追う。
 すべては悪魔の呪いか、あるいはーー?



 --この船は呪われている、乗客は破滅を迎えるだろう。

 バタヴィアからオランダへ向かう帆船ザーンダム号に乗船しようとしていた名探偵サミー・ピップスと助手のアレントら乗客たちに、血染めの包帯で顔を覆った男がそう宣言した。

その直後、男は炎に包まれて死を遂げる。

名探偵として名を轟かすピップスだが、いまの彼は罪人として護送される途上にあり、この怪事件を前にしてもなすすべがなかった。

オランダへと帰国するバタヴィア総督一家らを乗せ、ザーンダム号が出航せんとしたとき、新たな怪事が発生した。

風を受けてひるがえった帆に、悪魔〈トム翁〉の印が黒々と浮かび上がったのだ!

やがて死んだはずの包帯男が船内に跳梁し、存在しないはずの船の灯りが夜の海に出現。

厳重に保管されていた極秘の積荷が忽然と消失する。

すべては悪魔の仕業なのだろうか?

わきおこる謎また謎。

だが名探偵は牢にいる。

元兵士の助手アレントは、頭脳明晰な総督夫人サラとともに捜査を開始するも、鍵のかかった密室で殺人が!

海洋冒険+怪奇小説+不可能犯罪。

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