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本『准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき』 澤村御影

本『准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき』 澤村御影 角川文庫



嘘を聞き分ける耳を持ち、それゆえ孤独になってしまった大学生・深町尚哉。

幼い頃に迷い込んだ不思議な祭りについて書いたレポートがきっかけで、怪事件を収集する民俗学の准教授・高槻に気に入られ、助手をする事に。

幽霊物件や呪いの藁人形を嬉々として調査する高槻もまた、過去に奇怪な体験をしていたー。

「真実を、知りたいとは思わない?」

凸凹コンビが怪異や都市伝説の謎を『解釈』する軽快な民俗学ミステリ、開講!

つづきはネタバレ注意







過去の奇怪な体験から嘘を聞き分ける耳を持ったせいで孤独になってしまった男子大学生は怪事件を収集する民俗学の准教授の助手をすることに。

幽霊物件や呪いの藁人形を嬉々として調査する教授もまた過去に奇怪な体験をしていて……。

本書は民俗学ミステリらしいが、民俗学もミステリも期待してはいけない。

人間ドラマの方がメインテーマなのではないかと。

BLとか乙女ゲーが好きな人を狙った作品だと思った。

准教授の設定とか描写を見ればとてもわかりやすい。

美形で若く見える30代男性の大学教授は好奇心旺盛。

人目をはばからず大きな声で喜んだり女性の手を握って離さなかったり、まるで犬が尻尾を振るかのような描写がなされている。

そんな暴走する30代男性を止める役目を担うのが「影のある年下男子学生」と「強面だけどぶっきらぼうな幼馴染の男性警察官」とやはりBL好き読者を狙ったキャラ造形になっている。

キャラもの、バディものが好きな人に合うと思う。

ただし、ミステリと民俗学要素には期待してはいけない。

ミステリ小説を読んでも全く推理が当たらない私でも「なんとなくこんな真相かな」と考えたらそのまんまの真相が展開される。

本に読み慣れている方ならすぐに予想できてしまうので謎や展開に捻りがほしい。

シリーズ化しているらしいし、文章は読みやすいのでそこを改善してもらえれば……。

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